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子どもが騒いで「イラッ」。怒りそうになったら思い出したい20のこと

  • LEE編集部

2019.08.09

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家族やお友達とフードコートへお出かけ。楽しい時間を過ごしたいのに子どもが走り回ったり、騒いだりして怒ることに。でも、怒っても子どもの行動は変わらず、親も周りもいい気分ではありません。怒らなくても済む気持ちのもっていき方、子どもへの働きかけを覚えておきましょう。
読者アンケートから見えた「つい、怒ってしまうこと」。その処方箋をプロ2人に教えていただきました。

LEE読者246人に「子どもを怒っちゃう」アンケート

Q1 フードコートなどで子どもを怒ってしまうことはある?

大きく分けて、怒る、怒らないが半数ずつ。意外に?冷静な人も多かったLEE読者。今回の特集で「よくある」が「時々」に、「あまりない」も「まったくない」になれます!

A:よくある 7%
B:時々ある 18%
C:たまにある 25%
D:あまりない 30%
E:まったくない 20%

Q2 フードコートなどで怒ってしまう原因は?(複数回答可)

1位や3位は、いつもは同じことをされても落ち着いていられるはずなのに、たくさんの人の目がある場所だからこそつい、のパターン。何度注意しても繰り返し同じことをされるうちに怒りが大きくなって……は、実は伝わらない言い方をしているのも一因かも?

1位 体力的、精神的に余裕がない 92人
2位 子どもが何度も同じことをする 79人
3位 周りの目が気になって 28人
4位 怒ることは必要なことだから 22人
5位 カッとなったら抑えられない 15人

Q3 子どもに対して「怒りすぎ」だと思う?

半数近くの人が怒りすぎ、つまりできればもっと怒らず、穏やかに子どもに接したいと思っているという結果に。怒りすぎと答えた人は、Q1の「怒ってしまう」人ともリンク。

A:そう思う 16%
B:ややそう思う 28%
C:人並程度 38%
D:思わない 18%

Q4 子どもを激しく怒っている親を見て、どう思う?

「わかる! お母さんたいへんだよね!」と共感が多数。
ただ、子どもをほったらかしはダメだけど大声でののしるように怒る親には不快感、という声も。今回お話を伺った2人のプロによると、大きい声で怒るのは効果がその場限り、だんだん効かなくなる、子どもを刺激して逆効果、とのことで、あまりいいことはなさそう。

 

キッズコーチング、アンガ-マネジメントの先生に聞きました
「子どもにイラッ!」としそうなときの処方箋

自身もママであり、子育て中の親や子どもの行動・心理に詳しい2人の先生が解説。今すぐ実践できそうなテクニックばかりです。

「子どもに伝える」プロ
日本キッズコーチング協会理事長 竹内エリカさん
結婚・出産をきっかけに子どもの才能を見つけて伸ばすキッズコーチング指導法を考案・実践。『0歳から6歳までは生まれながらの「気質タイプ別育て方」でラクになる!』など著書多数。

自分で考えられる子に育てるために、怒るよりも質問してみて

まず、親の子どもに対する役割を考えてみましょう。大人の言うことを聞いて騒がない子にすることでしょうか。親の役割は子どもを自立させること、自分で「こんなときはどうすればいいのか」を考えられるように育てることだと思います。
そのためには、困った行動をしたときも怒るのではなく、「お店の中ではどうするんだっけ?」と質問を投げかけるのをおすすめします。考えることが習慣になりますし、自分で考えたことは子どもも守ります。もちろん常日頃から「お店では静かに話すんだよ」とふさわしい行動を伝えておくことも大切。その場で注意する場合は「静かにして!」では、あいまいで子どもは理解できません。「5秒お口を閉じて」「お口にチャックだよ」など、具体的な指示を心がけましょう。

1.子ども自身が考えられるよう質問形式で声かけを

「こういうときはどうするんだっけ?」と質問形式で確認。店に入る前など、困った行動が起きる前に聞くのが◎。

2.否定・禁止する言い方よりもやってほしいことを伝える

「走らないで!」と言われて思い浮かぶのは、むしろ走っているシーン。「ゆっくり歩いてね」としてほしいことを伝えて。

3.今やってほしいことだけを短く具体的な言葉にする

「静かに、前を見て、遊ばず食べて」と一度に詰め込んでも子どもは混乱。「5秒お口を閉じて」などひとつのことを具体的に。

「怒りとうまく付き合う」プロ
日本アンガ-マネジメント協会公認講師 篠 真希さん
子育て経験を経てアンガーマネジメントを学び、日本で初めて「母親のためのアンガーマネジメント入門講座」を開催。近著に『イラストでわかる 怒らずのばす育て方』が。

「想定内」の範囲を広げておくと、怒る頻度が減ります

子どもを怒ってしまうのは、親の理想と違う行動をとるからですよね。最悪の状況をイメージすることも時には必要。「想定内だ」と思えば怒る頻度は少なくなるはずです。
子どもは大人と違うので、一度や二度注意されたこともできなくて当たり前ですし、行動も遅いもの。「前も同じことを言ったのに」と過去を思い返したり、「この先も同じことをやるのでは?」と未来を憂いたりすると、ますます怒りが大きくなります。「1000回言ってわかってもらえたらいい」くらいに期待値を下げておくと「300回で伝わった!」と前向きに捉えられます。子どもに注意するときは反射的に怒るのではなく、衝動的になりやすいとされる「6秒」をやり過ごしてから言葉を選ぶようにしましょう。

4.1000回言って通じればOKと期待値をグッと下げておく

「何度も言ってるのに!」が怒りを増幅。何度道を間違えても怒らないカーナビになったつもりで、淡々と伝えましょう。

5.6秒待って、目線を合わせて落ち着いてから言葉を選んで

子どもの体の一部に触れて顔を見て話すことで、衝動的に傷つけるような言葉が出るのを抑制する効果あり。

6.過去や未来を見ずに今だけにフォーカスする

前のことを持ち出す、先回りして不安に、はついやってしまいがちですが、怒りを大きくする原因。今、この場に集中して。

人目のある場所ではいい子にしてほしいのに、そんなときこそ子どもの困った言動が出るもの。多くの親が経験しがちなトラブル、本当に怒らなくても解決できる?

みんなが見てる前で、子どもがトラブルを起こしちゃった!
こんなとき、どうすれば怒らずにいられますか?

フードコート・ファミレスで

ソフトクリームを買って席に移動するまでの間に、アイスの部分を落としてしまったときに怒ってしまいました。渡す前に「落とさないようにね」と言ったのに落としてしまったのと、もったいなさ、悔しさで。もちろんわざとではないのですが、つい。
LEEweb会員 mikaさん 44歳・長男 9歳

7.「やってほしい」ことを具体的に伝えましょう / 竹内さん

「落とさないように」と言われると、子どもはソフトクリームを落とすシーンが頭に浮かんでしまい、それに引っ張られて落としやすくなるんです。逆効果ですね。それより「前を向いてね」「両手で持ってね」とやってほしいことを具体的に伝えるのが有効です。

8.怒りたいのは子どものほう。その気持ちに共感を / 篠さん

この場合、子どものほうが自分の失敗に対して怒りたいはず。お母さんが先に怒ると「悲しい」「悔しい」など、子どもがそのとき抱いている感情を自分で理解する機会を奪ってしまいます。「落ちて悲しいね」など、子どもが自分の感情に気づくような声かけを。

食べ物で遊んだり、食べたいと言ったものを食べないことが多いです。そういうとき言うのはいつも「どうして言うこと聞けないの?」「お利口にしてなさい」になってしまう。それから「お店の人に怒られちゃうよ」。よくないんだろうなあと思いますが、ほかに言葉が見つかりません。
LEE100人隊No.032 ゆかりさん 38歳・長女 2歳

9.「遊んだら食事は終わり」を習慣づけると親子ともラクに / 竹内さん

2歳頃は食べ物を触って遊ぶことも、食欲にムラがあって食べたいと言ったものが食べられないのもよくある時期。怒るよりも、遊んだら食事を切り上げて「遊んだら食事は終わり」を習慣づけたほうが、子どもも理解しやすいですよ。

10.同じ言葉を繰り返すほうが子どもにわかりやすいです / 篠さん

「お利口」のような抽象的な表現は2歳の子にはわからないかも。「食べ物をスプーンでお口に運んで」など、やってほしいことを具体的に何度も繰り返してみて。目の前の子どもをよく観察すると伝えるべきことが見えてくると思いますよ。

 

混んでいる時間帯に子ども3人が違うお店のメニューを選んでしまい、私は次男の選んだ店に並び、長女と長男はそれぞれ買ってくるように頼みました。しかし次男が長女たちのところへ行きたいとぐずりだし、長女たちは買い方がわからないと戻ってきて……いっぱいいっぱいで、つい次男に「静かにしてっ!」と。
LEEweb会員 ゆぅさん 37歳・長女 12歳、長男 9歳、次男 5歳

11.ひとつの店に行くと決めたうえでお店は子どもたちに選ばせて / 竹内さん

希望を聞いてあげたい気持ちはわかりますが、次男がぐずるようなら、みんなで同じ店に行くのがベスト。小学生なら意見をまとめる力もあるはずなので、ひとつの店に行くことは親が決めて、どこの店を選ぶかを子どもたちに考えさせるといいですね。

12.すべてをフォローするのは無理。できることを明確に / 篠さん

お母さんがパニックになっちゃったんですよね。子ども全員をフォローできないのは仕方ないと割り切って、自分ができること・できないことを明確に。そのうえで子どもたちに「これとこれならどれがいい?」と選択肢を与えて選ばせて。

 

 

バス・電車で

バスに乗ったときに、兄弟でこっちの席がよかった、自分が降車ボタンを押したかったなどで大騒ぎして、それがずっと続くときがあり、強めに注意しました。しかし、そこからグズグズと言い訳が始まり、兄弟ゲンカも勃発して…。
LEEweb会員 はる華さん 41歳・長男 9歳、次男 4歳

13.気持ちに共感すれば解決策が出てきます / 竹内さん

子どもが言い訳するのは大人が正論を押しつけたとき。「ケンカはダメ。我慢する子がえらい」と正解を押しつけるのではなく「押したかったよね」と気持ちに共感するだけでいいんです。すると「次は僕が先に押す番」など子どもから解決策が出てくるはずです。

14.子どもを興奮させないように小声で話す / 篠さん

お母さんが強めに注意することで、子どもたちがさらに興奮してしまうことが。注意をするならできるだけ小さい声で、ゆっくりと話しましょう。5歳頃からは、win-winの考え方ができると言われています。落ち着いて子どもたちで解決するよう促しましょう。

 

混んでいる電車で座りたがった長男に対し、みんな座りたいのだからと諭したのですが、ぐずり始め、最後はこれ以上ぐずるなら次の駅で降りようときつく言ってしまいました。せっかく遊びに行って楽しく過ごした一日だったのに、と後悔も。
LEE100人隊No.031 azusaさん 39歳・長男 7歳、次男 0歳

15.選択肢を提案して子どもに考えさせる / 竹内さん

「みんな座りたいから」とあきらめさせるのではなく、「次の電車に乗る? 床に座る?」など提案して子どもに考えさせてみて。床に座りたいと言ったら座らせてOK、そのうえで「ママは床に座るの恥ずかしいな」と意見を伝えると、それが心に残り、やらなくなります。

16.今こそ成長の瞬間と捉えるとイライラ軽減 / 篠さん

疲れていると子どものぐずりにつられてイライラしがちですが、子どもの気持ちを理解はしても、イライラや怒りをもらってしまわないようにしましょう。ぐずりながら欲求と戦っているのを子どもの成長の瞬間だと捉えてみると、イライラが喜びの種に変わりますよ。

 

 

スーパーで

売り物のりんごを5個くらい床に落としたときに、とっさに怒鳴ってしまいました。店員さんは「いいですよ」と言ってくれ、その言葉に甘えてお返ししましたが、傷のついたりんごを買って帰って食卓に出したほうがよかったのではないかとずっと思っています。
LEEweb会員 はなさん 28歳・長男 2歳、長女 0歳

17.なぜ失敗したのか原因を伝えてあげて / 竹内さん

どうして落としてしまったのか因果関係がわからないと、また同じ失敗をしてしまいます。まずは「触ったから落としちゃったね」と原因を伝えてあげて。触るのが我慢できないなら、かごを持たせたり、手をつないだりして、問題を起こさなくする工夫を。

18.許してくれたことへの感謝を子どもと一緒に / 篠さん

これは子どもを怒ることをお母さん自身の防衛に使ってますね。またりんごを食卓に出したとしても2歳の子には意味がわからず、より怒りが大きくなる可能性も。失敗を責めるのではなく、「お店の人にありがとうって言おうね」と一緒に感謝を伝えるのがいいですね。

 

このお菓子を買ってほしい!とダダをこねられると、買わないということでは説得できず、値段の安いものを買うということで着地します。怒るのが嫌で、安いものを、となってしまう自分をいつも悔やんでいます。
LEE100人隊No.089 mimiさん 38歳・長男 6歳、長女 3歳

19.買うのなら約束した条件は必ず守って / 竹内さん

お菓子を買うことは悪くないと思います。ただし、店に入る前に「買い物が全部終わったら」など約束して、それはぶれないように。値段は子どもにとってわかりづらいので「ひとつだけ」「この棚から」などがおすすめ。だんだん約束事のレベルを上げてみましょう。

20.OKとNOの境界線を気分で変えない / 篠さん

ごねればいつかは買ってもらえるという成功体験を学習してしまっているので、お母さんがいくら怒ってもごね続けるのは当然です(笑)。買う買わないの理由は、「そう決めたから」に。「買うのは3回に1回」などルールを決めたら徹底しましょう。


撮影/齊藤晴香 細谷悠美 イラストレーション/須澤彩夏 取材・文/古川はる香
この記事は2019年7月7日発売LEE8月号『フードコートで怒りそうになったら思い出したい20のこと』の再掲載です。

おしゃれも暮らしも自分らしく!

LEE編集部 LEE Editors

1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
仕事や子育て、家事に慌ただしい日々でも、LEEを手に取れば“好き”と“共感”が詰まっていて、一日の終わりにホッとできる。
そんな存在でありたいと思っています。
ファッション、ビューティ、インテリア、料理、そして読者の本音や時代を切り取る読み物……。
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