英国のある学校に飛び込んだ、親子の成長ノンフィクション!
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
ブレイディみかこ ¥1350/新潮社
英国の労働者階級の目線から、育児や教育、経済格差などを問いかけ続けているブレイディみかこさん。最新作は、彼女の息子が通う中学校を題材にした、親子の成長ノンフィクションだ。
ティーンの頃から英国のパンクロックが大好きだったブレイディさんは、高校卒業後に渡英し、アイルランド人の夫と結婚。息子(本著では「ぼく」とされる)を産んだ。同時に保育士の資格を取り、執筆業もしてきた“働く母ちゃん”である。夫は銀行勤務の後、今は大型ダンプの運転手をしている。二人の間に生まれ育った「ぼく」はバランスがとれた性格の優等生。「ぼく」こと息子のよさを、ブレイディさんは、夫の一族がクリスチャンだった縁でカトリック系の小学校へ通い、「ふわふわしたバブルに包まれたような」教育を受けたからでもある、と分析する。優等生の息子があえて進学先に選んだのは、エリート校ではなく労働者階級たちが通う「元・底辺中学校」! そこには差別意識をむき出しにする美少年、子ども同士だからこそ露骨になる貧富の差を始め、現代社会の歪みを含んだ問題が次々と襲い掛かる。息子が向き合う問題を彼女も共有し、解決策を考えていく。
さらに一家のエピソードの中には、コミュニケーションにまつわる問いかけもたくさん。自分の意見を持ちつつ相手の立場を尊重する。これは簡単なようだけど、失敗せずにやるのは難しいし、英国みたいな多文化社会の中ではなおさらだ。ブレイディさん自身、英国ではマイノリティの身だが、自分とは別のマイノリティな立場のママ友に思わぬ言葉をかけ、地雷を踏んでしまう。
正しさとは何なのか? 本当の優しさってどういうこと?
彼女自身が痛みを感じながら立てる疑問もまた、私たちに響くはず。そして親世代の常識を飛び越えて、新しい関係を作ろうとする息子や友人たちの姿に希望を感じる。中学の入学当初、自分のノートに「ちょっとブルー」と落書きしていた「ぼく」。それが何色に変わるのか、ぜひ読みながら体験してほしい。
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取材・原文/石井絵里
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