暦の上ではもう立秋ですが、みなさまにはいかがお過ごしですか。
さて、編集担当より、「第1回の『結婚をしたら、星占いは要らない?』のときから、気になっていたのだけど、女性も太陽を生きなくてはいけないのはわかった。でも、月とはどうつきあえばいいの?」と質問がありました。中秋の名月にはまだ早いですが、今日のお題は、「月」にいたしましょうか。
その前に、復習しておきますね。占星術は、生まれたときの太陽系の配置から、自分の運命を授かる前提で、すべてが進んでいます。太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星といった星たちが誕生の瞬間にどの星座にあったのか、がとても大切になるのです。
星座は、12あります。普段、雑誌の星占いで使われるのは太陽星座ですが、太陽星座は、どちらかと言うと、社会に向けた外向きの顔であり、生まれたときの月の位置で決まる月星座は、家族や親しい友人などに出る内向きの顔だと言われます。たとえば、意思や価値観を表す太陽がおとめ座にあり、ナチュラルな性質を表す月がかに座にある私の場合、外では完璧にふるまいたいと思いますが、素の性質は、かに座の親しみやすいキャラクターのほうが強いので、読者の方などに「実際に会うと、感じが違う」と言われることもしばしばです。
でも、確かに、編集担当の言うように、12星座別のパーソナリティはなんとなく知ってはいても、太陽や月はどんな働きをするのかを知っている人は少ないかもしれませんね。今日は、そんな太陽と月について触れてみたいと思います。
「星がたり」の第1回でお話ししたように、私が勉強を始めた20年前は、占星術の情報は、圧倒的に少なく、まだ昭和のテキストも本屋さんに並んでいました。そこには、「女性は、結婚すると太陽という意思を夫に預けて、月になる」と書いてあったものでした。「昔はこうだったんだよ」と今、30歳前後の働く女性に話すと、その頃の私以上に反発が出てきます。「結婚したって、夫に太陽(意思)を預けたりなんかしない!」と思う女性がこんなに多くなったんだなあと感慨深いです。
でも、実際、戦前生まれの私の両親の世代は、男性が太陽という意思をやって、女性は月としてそれに従うのがよいという価値観を未だに持っていたりします。それが昭和の時代の「夫唱婦随」の夫婦のあり方でしたし、日本も広いのですから、地域によっては、未だに女性には発言権がなく、男性が太陽のことも多いかもしれません。
そうした昭和的な文脈で語られる月と、本来の月はまた違う
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Saya Saya
アストロロジー・ライター
1971年生まれ。おとめ座。現在は、京都で夫とふたり暮らし。雑誌連載のほか、オンライン講座や、ホロスコープ・リーディングのセッションを行う。著書に「星を味方につける生き方、暮らし方」(集英社)など多数。