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愛希れいかさん「結婚願望を飛び越えてママになる夢が先走ってます(笑)」

2019.04.02

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確かな実力を備え、時に可憐、踊ればカッコよさも光る愛希れいかさん。宝塚歌劇団月組トップ娘役として人気をほしいままに得て昨年退団。今一人の女優となって見える景色は違うかと尋ねたら「全然違います!」と春風のような笑顔を見せてくれました。

結婚願望を飛び越えてママになる夢が先走ってます(笑)

「歩くスピードがゆっくりになりました。在団中は時間に追われてせかせか歩いていたので、今まで見えていなかった景色が見えるようになったと思います。連ドラも休みにまとめて観ていたのが、日々の楽しみのひとつになりましたね」

日常的ではなかったパンツスタイルを楽しみ、料理も「頑張ってやるようにしてます」とのこと。

「今までは進んで台所に立つことはしていなくて、作るのは大好きなオムライスぐらい。もう少し卵をうまく巻けるように練習したいです。いつか、ドラマ『ランチの女王』で観たような、オムレツをナイフで割って包むオムライスを作れるようになりたい」

しかし、時間を持て余す贅沢な日常もあとわずか。人気ミュージカル、東宝『エリザベート』のタイトルロールが彼女を待つ。

「まず、宝塚の退団公演で演じた大好きな役をまた演じられることがうれしいです。女性の一生を演じられる役ってなかなかないので」

ウィーン皇妃エリザベートの一生を描いたミュージカル。珠玉の楽曲と、プリンセスに生まれながらも自らの魂の自由を求めるエリザベートの一生に魅了されたミュージカルファンは多く、宝塚初演1996年から今も再演を重ねる。

「エリザベートの、自分の意志を貫こうとする人生は、現代の女性も共感できる生き方だと思います。そういう役で、私の新しい人生をスタートできるってことはすごくありがたいこと。多くのミュージカルファンの方に愛され続けている作品という責任の重さと不安はありますが、あらためて資料や台本と向き合っていると、やはり魅力的だと思うことのほうが多いです」

愛希さんが宝塚時代に演じて体感した、エリザベートという女性の魅力は?

「生きることに強く執着する女性であること。わが子を失う悲劇に直面しても絶望の中で生きることを選ぶ強さ。お客様が観終わったあとに生きるエネルギーを感じてもらいたい、と思っています」

乗り移るように役になり切るだけに、わが子を失う悲しみは、愛希さんに相当な衝撃を与えたそう。

「強く生き抜いていくとはいえ、激動の人生なので、演じていると完全に『エリザベート』の世界に連れていかれます。心乱され、体力、精神力を奪われる役でもありますね。2幕は完全に母の気持ちになってしまって、息子役の子を本当に自分の子のように可愛がってましたし、また子どもを失う苦しさに苛まれました。母になったこともないのに(笑)」

恋愛も結婚もこれからの彼女。夢は“母になること”。

「子どもがすごく好きなので、結婚願望を飛び越えて、ママになりたい、って夢が先走っちゃってます(笑)。子どもが息子だったらスパルタ教育しちゃうかな(笑)。娘だったら一緒に買い物行ったりしたいですね。すみません、まだリアリティがまったくなくて(笑)」

女優として観てみたい役がたくさん。ママはもう少しお預けで!

Profile
まなき・れいか●8月21日、福井県生まれ。 ’12年宝塚歌劇団月組娘役トップスターに。『1789―バスティーユの恋人たち―』マリー・アントワネット役、『エリザベート―愛と死の輪舞(ロンド)―』エリザベート役など、数々の大役を得て’18年11月退団。『エリザベート』の次は『ファントム』クリスティーヌ役が決定している。

『エリザベート』

ウィーン発、ヨーロッパ圏ではもちろん、世界各国で上演され続けている大人気ミュージカル。19世紀、ハプスブルク帝国の若き皇帝、フランツ・ヨーゼフの妻となった、自由を愛するエリザベートの生涯を描く。2019年版は東京・帝国劇場にて6月7日~8月26日。約3カ月にわたるロングラン公演。エリザベート役はWキャストで花總まり/愛希れいか。黄泉の帝王トート・井上芳雄/古川雄大。チケットなどの最新情報は、公式サイト www.toho stage.com/elisabeth/


撮影/フルフォード 海 ヘア&メイク/栗原里美 スタイリスト/Die-co★ 取材・文/堀江純子 トップス ¥50000・ パンツ¥65000 /アッカドゥエ (キッカ ルアルディ) TEL03-5451-3670  ブレスレット /スタイリスト私物

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