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朝夏まなとさん「ラテンの歌姫グロリアを血から変える意欲で演じたい」

2018.11.30

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’80~ ’90年代の洋楽シーンで大ヒット連発。ラテンミュージック界の女王でもあるグロリア・エステファン。彼女の波瀾万丈な半生を描いたミュージカルが ’15年にブロードウェイで誕生した。今も全米ツアーで人気を博するこの作品、日本初演でグロリア役を担うのは、朝夏まなとさん。

ラテンの歌姫グロリアを血から変える意欲で演じたい

あさか・まなと●9月15日、佐賀県生まれ。’15年宝塚歌劇団宙組トップスターに就任し『TOP HAT』ジェリー、『エリザベート』トートなど数々の主演を果たし’17年退団。’18年9月~『マイ・フェア・レディ』で女優デビュー。’19年ミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』『LITTLE WOMEN』『天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~』と今後の出演予定は目白押し。詳細は、朝夏まなとofficial site

「アメリカで拝見してきました。歌で生きてきた女性のお話だから、舞台で生きてきた私には多くの共感がありましたし、家族のこと、恋愛……女性の生き方の日常の側面も深く、娘、母、祖母3世代の女性の視線で描かれていました。その物語にグロリアの音楽がすっごくハマってるんですよ! ノリノリのラテンはもちろん、バラードも最高にステキでした」

宝塚歌劇団宙組のトップスターを務め、昨年退団。今年9月には『マイ・フェア・レディ』イライザ役で女優デビューを果たした朝夏さん。宝塚スターの存在感、華に、持って生まれたチャーミングさが加わり、新たなるプリンシパルの誕生にミュージカル界はわいた。

「たまたま全国ツアーで地方を回っていた宝塚を見て、心奪われて。宝塚のことをよく知らないまま入団した私がトップスターになれたのは、周りの人の支えがあってこそ。グロリアも人に恵まれて今がある、そう思いました。栄光をつかむには犠牲も挫折もあるけれど、支えてくれる人によって、また立ち上がる。そのリアルストーリーに震えます」

“太陽のような人”と宝塚の仲間やファンから称されてきた朝夏さんだけに、ラテンの太陽の輝きをまとう姿は想像するだけでワクワク。

「『マイ・フェア・レディ』では年上の大人の中で成長し、ラブも初恋の初々しさがありましたけど、今回は同世代の相手役と作っていくのが楽しみで。自分の感情がどう芝居に乗り、歌となっていくのか。時代も少しだけ前の、今も活躍するグロリアのお話なのでリアリティを持たせながら、血から変えていく意欲で(笑)、情熱とセクシーも出していけたらいいな、って思っています」

時代、国籍はおろか、男役として性別も超えて演じてきたが、等身大を演じるのは今回が初めて。

「確かに(笑)! しかも今回17歳のグロリアから演じるので、めっちゃ楽しみです。キスシーンもありますけど、私のファンの人の目にはどう映るんでしょうね!? 私は舞台に立ってしまえばもうその世界に入っちゃうので、大丈夫だと思うんですけどね~(笑)」

男役時代は女性のハートをわしづかみにするキスシーンを、ステキな男性として演じてきた朝夏さんは「キスシーンはですね、キスしてるときではなく、するまでとした後が大事なんです(笑)」とちゃめっ気のある表情で語る。驚異的なスタイルのよさ、長身の彼女と恋する相手・エミリオ役には相葉裕樹さん、渡辺大輔さんがWキャスト。

「長身女子の夢です、男性を見上げるのは(笑)。お二人とも180㎝以上の長身なので、スチール撮りで早速見上げさせていただきました」

一人の女性として、女優としての新たな人生を歩き始めた朝夏さんに、理想の男性像を聞いたら……。

「母性本能をくすぐる可愛い人をヨシヨシしたい。私がしっかりしてるから(笑)。たぶん私、理想の旦那様タイプなので、主夫がいいかも。私、お仕事頑張りますから、おいしいごはん作ってください(笑)」

ミュージカル『オン・ユア・フィート!』

グロリア・エステファン&ザ・マイアミ・サウンド・マシーンのヴォーカルであるグロリア・エステファンの半生を描く、日本初上陸のミュージカル。’18年12月8~30日、東京・日比谷、シアタークリエ。’19年1月4日~福岡・博多座、愛知・刈谷市総合文化センターアイリス大ホール、大阪・梅田芸術劇場シアタードラマシティ。


撮影/宅間國博 ヘア&メイク/ タナベ コウタ 取材・文/堀江純子

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