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宝塚星組『ロミオとジュリエット』千秋楽ライブビューイングへ(長文)

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2021.05.26

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宝塚歌劇星組公演『ロミオとジュリエット』千秋楽ライブビューイング観賞して来ました

宝塚歌劇の数多の演目の中でも最も人気のある演目の一つ、シェイクスピア原作の『ロミオとジュリエット』。ジェラール・プレスギュルヴィック氏作曲のフレンチロックに彩られたフランスミュージカルで現代版『ロミオとジュリエット』です。最後の公演は2013年の星組で、本公演は実に8年ぶり、5度目のロミジュリ上演になります。公演は役替わりで【A日程】と【B日程】に分かれていて、東京大劇場での千秋楽の日は【A日程】でした。【A日程】は以前、宝塚大劇場での千秋楽LIVE配信を自宅で視聴しております(過去記事→宝塚星組『ロミオとジュリエット』千秋楽LIVE配信をおうちで視聴!)。
『ロミオとジュリエット』の演目自体が好き過ぎて、実は(有り難い御縁もあって)生観劇の予定がありました。…なのに、東京都では緊急事態宣言発令で、私の観劇(予定)日も公演中止…!!? 涙を呑みました…。2013年の星組公演も妹と生の舞台を観劇しましたが、生のオーケストラ、ダンスナンバー、コーラス全てにおいて大迫力で終始鳥肌を立てながら観賞した記憶が。今回、生観劇は叶いませんでしたが、千秋楽ライブビューイングの抽選に当たって映画館で観賞。家で生配信を視聴するのも気軽で良いですが、なんせ家で視聴だと子ども達3人の要求を聞きながら、色々話しかけられながら…なので落ち着かない…!!(幕間休憩の慌ただしさったらありません。笑)

改めて、よく出来ているミュージカル。珠玉の名曲揃い

まず、内容について。本作の最大の特徴は、「愛」と「死」を擬人化させて登場人物たちを翻弄したり次の展開へ導いている点でしょう。
序盤から、不吉な死の予感と、永遠の恋人に出会うであろう恋の予感が舞台上で浮き彫りに。フランス版では擬人化されているのは「死」だけですが、そこへ「愛」も加わったのが宝塚版。序盤ではロミオもジュリエットも「恋に恋している」状態で、未だ見ぬ運命の相手に出会えるかも知れないという確信めいた想いを胸に抱いており、仮面舞踏会で“やっと”巡り会えた時の歓喜と多幸感が際立ちます。
美しいヴェローナの街の影に潜む地獄、すなわちモンタギュー家とキャピュレット家の代々続く争い・殺し合いが青(モンタギュー)と赤(キャピュレット)に分かれて常に鬼気迫る勢いで展開されていて、両家が互いに如何に受け入れがたい存在か一目瞭然に理解できます。“Les Rois du Monde(世界の王)”でワーッと楽しく騒いでいたと思ったら、次の場面では、擬人化された「死」がそっと忍び寄り、ロミオは友人や自分に近付いて来ている死の影に怯えます。後半ではバタバタと人が死にますが、「死」に導かれてのこと、妙に納得してしまうのです。
「愛」と「死」の存在があることによって、『ロミオとジュリエット』がただの2人の悲恋物語に終わらず、ヴェローナの街におけるモンタギューとキャピュレットの憎しみ合い・争い、脇役の人々(ロレンス神父・ジュリエットの乳母など)が平和を切に願う様子、最後に死した2人の愛が両家を和解させ街に平和が訪れるまでと、物語のスケールが拡大されているんです!

また、何度も書いていますがジェラール・プレスギュルヴィック氏作曲の楽曲がどれもこれも佳曲ばかり。脇役(ロミオの母、ジュリエットの両親・乳母、ロレンス神父、マーキューシオ、ベンヴォーリオ)にもソロナンバーが用意されているのも本ミュージカルの特徴と言えます。原作を読んだことのない私が、宝塚のロミジュリを観るまでの本作のイメージは、「なんかパーティーか何かで一目惚れで恋した男女が、周りに反対されて余計に燃え上がって1日で結婚するも、最後はすれ違いで2人とも死んじゃうんだよね?」という感じでした…(ひどい)。モンタギュー一族とキャピュレット一族を構成する青赤群衆の迫力あるダンスナンバー、“La Haine(憎しみ)”では両家の母達が争いを憂う様子を、ロレンス神父による“Par Amour(愛のために)”では「主よ、ヴェローナに平和をもたらすために二人を引き合わせたもうたのでしょうか」と神様に問い、街の平和を願う様子と、ロミオのジュリエットへの愛の真剣味が、“Les Beaux,Les Laids(綺麗は汚い)”では、キャピュレット家の乳母が敵陣モンタギュー家で虐められつつ肝っ玉ぷりを発揮、ロミオとジュリエットはお互いに、ただイケメン/美人だから惹かれた訳じゃないんだ…ということを認識させられたり、乳母による“Et Voilà Qu’elle Aime(あの子はあなたを愛している)”ではジュリエットを育てて来た乳母が、ジュリエットの巣立ち(結婚)を祝福しこれまでの成長を感無量な想いで振り返る様子が。脇役達による物語の肉付けによって、重厚感たっぷりで。時にはロレンス神父と一緒に「うまく行きますように…!」と祈ったり、乳母の立場になって感慨深くなったり…。後段にて述べますが、このミュージカルは何よりティボルトのキャラクターを掘り下げたことによる肉付けが、この作品を2倍も3倍もドラマティックに仕上げています。

さらに進化!礼真琴さん率いる星組による『ロミオとジュリエット』

これで5度目の上演となる宝塚版『ロミオとジュリエット』。5度目となるともう観賞する側も歌を暗唱出来ちゃうくらいなんですが、演者が違うことで毎回新鮮な気持ちで観ることが出来ます。
宝塚大劇場での千秋楽LIVE配信を家で視聴しましたが、今回の東京大劇場での千秋楽はさらに進化していて目を見張りました。まず礼真琴さんのロミオ。LIVE配信では「ちょっと役作りが少年寄りかな」「若々しいけどちょっと幼いかな」という印象でしたが、本公演では役作りが青年寄りになった印象。精悍さが増していて(映画館の大画面で観たせいもあるのでしょうか…?)、ただただウットリ。ジュリエットを見つめる眼差しが喜び・憂い・安らぎ・愛おしさが混じったような、演技で作ったとはとても思えない表情。もうロミオが礼さんにのりうつっているとしか…!加えて持ち前の美貌と艶のある伸びやかな美声、キレキレのダンス…文句なしの完璧なロミオでした。
今回もA日程だったのでティボルトは愛月ひかるさん♡(ちなみにB日程では愛月さんは「死」を演じていらっしゃいます。3月7日に「愛ちゃんの死」というワードがTwitterのトレンド入り。これは愛月ひかるさん、愛称「愛ちゃん」のこと。本公演のB日程にて擬人化された「死」を好演したことで話題入り。宝塚をよく知らない人が「どの愛ちゃんが死んだのか?」と気になったという…。)
LIVE配信の記事でもさんざん愛月さんのティボルトを絶賛しているのでここでは割愛しますが…。5月2日放送の宝塚カフェブレイク(TOKYO MX1にて毎週日曜7:00~7:30放送)で愛月さんが役作りにおいて初演の凰稀かなめさんのティボルトを踏襲したようなことを発言されていて、なるほど!と。髪型や雰囲気作りも凰稀さんへの敬意を感じます。従妹同士の結婚が禁忌のため、従妹のジュリエットへの禁断の愛に苦しむ繊細な様子や、同時に「いつ切れるか分からない危ない男」とされる危うさも体現。それも、男役の色香が迸(ほとばし)らんばかりに!(またキモいコメントすみません…)“C’est Pas Ma Faute(本当の俺じゃない)”から“C’est Le Jour(今日こそその日)”までが、愛月さんのティボルトのお蔭でやっと1本の糸に繋がった!と感じました。(ちなみに原作のティボルトは実の叔母と怪しい関係でもなければジュリエットに恋心など抱いていないそうです)ティボルトの秘めた恋。黄金の三角関係が生まれ、さらに両家の大人達の争い・復讐の手先にされる子ども達の悲哀や虚無感も際立ちます。宝塚版ロミジュリの面白さには、ティボルトが大いに貢献していると思います…!

ライブビューイングの醍醐味

映画館では、検温と消毒液噴霧が実施され、私語厳禁、コロナ感染拡大防止策が徹底されていて安心して観賞することができました。醍醐味は、演者の表情一つひとつがよく見えること、音響が素晴らしいこと、そして何と言っても1人で落ち着いて観賞できるため、作品の世界にドップリ浸れること!音響の素晴らしさと言えば、たとえば結婚式が終わってロミオが自陣モンタギューの敷地を踏んでから→“On dit dans La Rue(街に噂が)”突入までの、モンタギュー一族がロミオのことを「気が狂ったのか…!」と言わんばかりに沈黙で見つめる重々しい空気がビリビリ伝わって来たり、またたとえば霊廟で横たわるジュリエットを呆然と絶望しながら見つめるロミオの息遣いまで聞こえて来たりなどです。お客さん達は20代~70代の幅広い年齢層の女性が多かったです。

結局、幕間休憩35分も合わせて、13:30開演→終演16:30からの、退団者の挨拶口上・アンコールも含めて17:40まで映画館に居たので…、かなり長い1人時間をもらいました。
3人の子ども達をみていてくれた夫に感謝感謝です…(>_<。)「愛ちゃんの死」が観られるB日程も気になるので、ダイジェストが収録されているDVDも買おうかな…と本気で考えている次第。
宝塚歌劇では、花組『アウグストゥス』から生オーケストラ復活、その次の公演から全組子参加復活だそうで、早く情勢が落ち着いて元の上演体制に戻ることを願っています。(ここまで4,000字超…長文駄文乱文にお付き合いくださりありがとうございました…!)

過去の観劇&ライブビューイング参加記事は以下からどうぞ↓
宝塚『ポーの一族』観劇
きっと伝説になる公演。宝塚雪組ミュージカル『ファントム』。千秋楽ライブビューイングへ
宝塚版『花より男子』千秋楽ライブビューイングへ(長文)
生舞台観劇☆宝塚花組トップ明日海りおさん退団公演『A Fairy Tale ~青い薔薇の精~/シャルム!』
生舞台観劇。宝塚月組公演『ピガール狂騒曲/WELCOME TO TAKARAZUKA』
生舞台観劇。宝塚雪組の名コンビサヨナラ公演『fff-フォルティッシッシモ-/シルクロード ~盗賊と宝石~』
宝塚星組『ロミオとジュリエット』千秋楽LIVE配信をおうちで視聴!

⋆⸜ᵀᴴᴬᴺᴷ ᵞᴼᵁ⸝⋆ LEE100人隊はな

TB - はな

主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー

41歳/夫・息子(13歳・10歳)・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロなど。インテリア・ファッションなどLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。

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