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FOOD

今井さんちの「ジッパー袋で作る梅干し」レシピ/今井真実さん

  • 今井 真実

2023.08.23

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今井さんちの完熟梅レシピ
ジッパー袋で作る梅干し

写真:今井真実さんの梅干し。ザルにのせて日干ししている様子

まずは、ジッパー袋に梅と塩を仕込み、2週間〜1ヶ月ほど漬けて「梅の塩漬け」を作ります。梅酢(梅のエキス)があがってきて、なみなみと梅が浸かっている状態で仕込み完了!  晴れた日に干します。「干す」方法もぐっとお手軽な方法です。

材料

  • 黄熟した梅 ……600g
  • 粗塩(梅の18%)……108g
  • 焼酎……50ml
写真:ジッパー袋で作る梅干しの材料・完熟梅、粗塩、焼酎

使う道具

冷凍用ジッパー保存袋

梅の下ごしらえ

1.梅は流水で優しく丁寧に洗います。

写真:完熟梅を流水で洗っている様子

2.次にカビの原因となる水気を拭きます。

写真:完熟梅を布巾の上に広げる今井真実さん

「時間に余裕のある方は布巾の上に広げて、少し放っていてもいいくらいです」(今井真実さん)

3.なり口のへたを爪楊枝などで、そっと傷つけないように取ります。

写真:梅のなり口のへたを爪楊枝で、そっと傷つけないように取る様子
写真:梅のなり口のへたを爪楊枝で取り上げた様子

「どうしても取れない場合は無理せず、そのままでも大丈夫です」(今井真実さん)

4.なり口の穴も丁寧に水気を取ります。

写真:キッチンペーパーをこより状にして、なり口の穴も丁寧に水気を取る様子

キッチンペーパーでこより状にすると水気を吸いやすいです。

写真:下ごしらえが終わった梅が布巾の上で広げられている様子

ここまでがどの梅仕事でも行う「基本の下ごしらえ」です。

「ジッパー袋で作る梅干し」の作り方
仕込み編

1.下ごしらえした梅とホワイトリカーをジッパー保存袋に一緒に入れます。

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程1-袋に入れた梅に焼酎をかけるところ

2.梅を充分に湿らせます。

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程2-焼酎を入れた袋を大きくゆする様子

3.ホワイトリカーを捨てます。

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程3-袋から焼酎を白い皿に捨てる様子

これは袋と梅の表面やなりくちの殺菌を兼ねています

4.お塩を 1 度に入れます。大きく揺すって、梅にお塩を絡めます。

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程4-焼酎を捨てた後の袋に塩を入れ大きくゆすって梅とからめる様子

これで出来上がり!  あっという間でしょう?

5.空気を抜きながらジッパーを閉じましょう。

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程5-空気を抜きながらジッパーを閉じる様子

※  ジッパー部分と底の角部分から、梅のエキス「梅酢」が漏れやすいので注意!

「出来上がったら、袋を二重にしたり、必ずバットや深めの器、ボウルなどに入れておくといいですよ。袋を触ってぺたぺたしたら、殺菌した保存容器に移してください」(今井真実さん)

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程6-バットにジッパー袋を入れた様子

6.梅のエキス「梅酢」が出るまでよくチェックしてください。

時折ゆすったり、2,3日しても梅酢が出ない時は写真のように重しを乗せます。

写真:「ジッパー袋で作る梅干し」の工程7-バットに入れたジッパー袋におもしをのせる様子
載せているのは、同じく今井真実さんのレシピで仕込んだ「梅シロップ」と「梅酒」。こちらのレシピは最後にご案内します。

写真はジッパーの上部がはみ出してしまっていますが、これは梅酢が漏れる原因になります。必ずバッド内に入れておきましょう。

「梅酢の漏れさえ気をつければ、ジッパー袋の梅の塩漬けは、梅酢が上がりやすく一番カビにくい方法です。梅酢がたっぷり出て梅が梅酢に浸かっていたらカビの心配はないでしょう」(今井真実さん)

7.2週間〜1ヶ月ほど漬けたら、「梅の塩漬け」は完成! 晴れた日に干します。

写真:1カ月経過後のジプロックの中の「ジッパー袋で作る梅干し」

写真は1ヶ月後の「梅の塩漬け」です。梅酢(梅のエキス)があがってきて、なみなみと梅が浸かっている状態です。

仕込み編は完了! 「梅の塩漬け」を天日干しにしたものが「梅干し」になります。

「ジッパー袋で作る梅干し」の作り方
天日干し・準備編

1.すべての道具は消毒しておきます。

2.まず、梅と梅酢を分けます。

写真:梅と梅酢を分ける様子。梅酢はボウルに。

3.干しザルに合わせてオーブンシートを敷きます。これはザルに梅がくっついてしまうことを防ぐためです。

写真:干しザルに合わせてオーブンシートを敷く様子

4.くしゃくしゃにして凹凸を作り広げます。

写真:くしゃくしゃにして凹凸を作ったオーブンシートを広げる様子

5.隣同士、くっつかないように梅を並べます。

写真:ざるの上に広げたオーブンシートの、さらに上に梅の塩漬けを並べた様子

「ザルが無くたって大丈夫です。木のまな板や、木の器にオーブンシートを敷いて並べましょう」(今井真実さん)



「ジッパー袋で作る梅干し」の作り方
天日干し編

1.外に干す時は、下の写真のように洗濯用具を使うと便利です。

写真:洗濯ものを干す用具の上に、ザルにのせた梅の塩漬けを載せ、外干しする様子

2.分けた梅酢もラップをして殺菌のため日光に当てます。この梅酢は、梅干しと同様に賞味期限がないといわれるほど、長持ちします。

写真:分けた梅酢もラップをして殺菌のため日光に当てる様子

3.雨が降りそうだったり、平日にかかってしまう時は、日光の当たる窓際に置いておきましょう。合計のべ3日間、外の日光に当てれば出来上がりです。

写真:今井真実さんの梅干し。ザルにのせて日干ししている様子。色は黄褐色に輝く

4.干し終わった梅は梅酢に戻さず、保存袋や保存容器、瓶に保存しましょう。

5.梅酢も同じように、容器や瓶などに保存しましょう。

上手に干すポイント

写真:今井真実さんの梅干し。ザルにのせて日干ししている様子。色は黄褐色で少ししぼんできている

焦らないで大丈夫!

「土用干し」という言葉がありますが、土用の時期を過ぎてしまっても大丈夫です。

梅はいつ干したって良いんです」(今井真実さん)

長く塩漬けした梅干しもおすすめです

実験のため、1年塩漬けしてから干してみたという今井さん。

「これが、なかなかに美味しいんです!  塩味も丸く、熟成されています。1ヶ月ほど漬けた梅の果実のフレッシュさとは別の『うまみ』があったのです。それから私は『土用干し』をやめて、出来るだけ長く塩漬けしてから干すようになりました」(今井真実さん)

梅の様子を観察しながら、臨機応変に

梅を干すとき『3日間天気の良い日に干す』という決まりがありますが、忙しいとなかなか難しいものがあります。

合計のべ3日間、外の日光に当てる』これで大丈夫!

出かける時や目を離す時は、窓際に置いておけば大丈夫。窓越しでも日光に当てて、扇風機などで風通しをよくすれば良いですよ。そして、時間ができた時に外に出す。その合計時間が『3日間』であれば問題なく成功します。

大切なのは梅の様子を観察すること。表面に塩が吹いた状態になるまで乾けば大丈夫です」(今井真実さん)

「ジッパー袋で作る梅干し」完成!

写真:出来上がった、今井真実さんの梅干し。赤みが増して、ザルの上に並ぶ様子

出来上がった梅干しは、梅酢と分けて保存しましょう。

梅酢は来年梅漬けを作る際に、カビを生やしたときのためや、雨に濡れてしまった時の応急処置用に取っておきます

そのほかにも寿司酢に混ぜたり、ふだんのお料理にもぜひ塩味のあるお酢として活用してください。

出来立ての梅干しは、 パリッとした皮と、とろとろの果肉のコントラストが際立っています

写真:出来上がった、今井真実さんの梅干しをごはんにのせた様子

「まずは出来立てのフレッシュの梅干しをご飯と一緒に召し上がれ。果実感を感じ、太陽の熱を帯びてほんのり温かいのも良いんです。パリッとした皮と、とろとろの果肉のコントラストもたまりません」(今井真実さん)

時を経るにつれ梅の表面は柔らかに

写真:ジプロックに入った、去年作った梅干し

「こちらの写真は去年作った梅干しです。じっとりしている様子がわかります。カラッと干しても、果肉からじわじわとエキスが染み出します。置いておくと、どんどん梅の表面も柔らかさが増してきます。だいたい3年くらい経ったものが美味しさのピークだと思います」(今井真実さん)

▽完熟梅の梅仕事レシピはこちらにも


撮影/今井裕治 料理・文/今井真実

こちらは2022年6月26日LEEweb記事「今井真美さんちのほっこりうめしごと」に掲載のレシピです。

「今井真美さんちのほっこりうめしごと」

今井 真実 Mami Imai

料理家

レシピやエッセイ、SNSでの発信が支持を集め、多岐の媒体にわたりレシピ製作、執筆を行う。身近な食材を使い、新たな組み合わせで作る個性的な料理は「知っているのに知らない味」「何度も作りたくなる」「料理が楽しくなる」と定評を得ている。2023年より「オージービーフマイト」日本代表に選出され、オージービーフのPR大使としても活動している。既刊に、「低温オーブンの肉料理」(グラフィック社)など。

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