【亜希さんの豪快「鶏ねぎ塩弁当」】お弁当作りが続く秘訣は、うまくラクする方法を見つけること!
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今日のLEE
2023.03.07
お弁当、もっと気楽にいきましょう! とにかく大好きなおかずをドカンと詰めれば、作るのラクチン。食べるほうも大満足。「色合いや栄養バランス、バリエーションより、ご機嫌におなかいっぱいになってくれるのが、一番!」
めいっぱい自分を褒めながら、ゲーム感覚で楽しんで
「メインの鶏ねぎ塩はおなかいっぱい食べられるように、たっぷりと豪快に詰めます。うちだと、小さい鶏もも肉2枚程度は入るかな。最近の好みは断然、塩。そんな年齢になったんですね」(亜希さん)
息子さんたちのお弁当を20年以上作り続ける亜希さん。
「小さい頃はケチャップ味さえ入れればご機嫌でした。そこから甘辛の照り焼き味が定番になって、今は塩味。お弁当箱もどんどん大きくなって、今ではこのサイズ」と言って持ってきてくれた私物のお弁当箱。普段の盛り方で量ってみると、なんと1キロ超え!
好きなおかずの変遷、お弁当箱の度重なるサイズアップ。振り返ればお弁当の話題だけでも、親子のエピソードは語りきれないほど。
「朝は5時起き。週末も部活に行く息子のために、お弁当作りは休みなしです。毎朝大変じゃないですか?と聞かれることもあるけど、これはもう『やらされていると思ったら負け!』。むしろ、『やってやろうじゃないの!』の精神です(笑)。そして、できた自分を褒める。お弁当作りって、やっぱり大変ですよね。それを続けている世の中のお母さんは全員すごいですよ。みんな、もっと自分を褒めましょう!」(亜希さん)
毎日続く秘訣は、うまくラクする方法を見つけること。例えば今回のお弁当も、ごま和えに使う野菜の素揚げは、前の日の晩ごはん作りのときに済ませています。
「基本的に朝はフライパンひとつで完結。素材を手でちぎるとか、キッチンバサミを使うとかで、洗い物をできるだけ減らす。包丁とまな板を使わずに作り終えたら勝ち。どこかゲーム感覚で楽しんでいます」(亜希さん)
\盛りつけは起伏を楽しんで。それって、人生と同じかも/
お弁当はすべてのおかずを6割ほど詰め、そこからさらに“盛る”。「きれいに整えなくてOK。おかずがあちこちを向いて、起伏に富んでいるほうが、おいしそうでしょ」(亜希さん)
さて、毎日持っていく1キロ超えのお弁当。もちろん息子さんは完食です。これだけの量を軽く食べきれるのは、やはり亜希さんならではの工夫があるはず。
「“実際に食べる状態”を想像して、それに合わせて、料理の仕方を変えています。例えば鶏肉は、1枚丸ごと焼くほうがうま味が逃げません。でも、切り分けたときに肉汁が出て、ほかのおかずに汁気が移ってしまう。だから、お弁当のときはあえて先に切ってから焼くと水分が出にくいんです」(亜希さん)
お弁当の大敵は、余分な汁気。フライパンに出た脂や余分な水分も、キッチンペーパーでまめにふき取りながら。
\水気も脂もすかさずふきます。見逃しませんよ〜/
「まめに脂をふき取って焼くと、味がクリアになって、冷めたときの味わいが違うんです。このひと手間ははずせません」(亜希さん)
「大体のことは大雑把ですが、料理の余分な水分を取ることだけは丁寧なんです。これをするだけで味がだいぶ変わる。私は普段から調理中に大量のキッチンペーパーを使うので、友人には“ペーパーの亜希”と呼ばれています(笑)。上等なものでなくていいので、惜しまず使う。使ったペーパーは、洗い物の前にフライパンやボウルをふくのにも使えばムダがないですから。
あとは、冷めたごはんをいかにおいしく食べ進められるかを考えますね。すると、味は多少濃いめに、しっかりしていたほうがいい。作る側の喜びって、空っぽのお弁当箱が返ってくること。それで、明日からまた頑張れますよね」(亜希さん)
そして亜希さんは、「お弁当さえ食べていれば、たいていのことは大丈夫」と信じているそう。
「反抗期でも、たとえ家で会話がほとんどなくても、子どもがお弁当を食べて帰ってくるうちは安心していいと思っています。お弁当のフタを開けたときに、イヤでも作った人の存在を思い出しちゃうじゃない(笑)? 口では憎たらしいことを言っても、それを食べてるってことは大丈夫。気持ちはちゃんと伝わって、根っこはちゃんとつながってるってことだと、私は信じているんです」(亜希さん)
亜希さんのリアルお弁当
「“10”は、当時の息子の背番号で、キャプテンナンバーなんです。量がまだまだ少ない!」(亜希さん)
「普通のお弁当箱を2個使いした、“勝手に2段弁当”。ぎっしりの揚げ物でパワフルに」(亜希さん)
「この時期は、しめじがマイブーム。息子からは、『しめじ単体はやめて』と直訴されました」(亜希さん)
「実は主役は、お肉よりこのきれいな焼き目の玉ねぎ(自己満足)! 息子の大好物なんです」(亜希さん)
「昨晩のおかずが、そのまま入ることもあります。この日はお好み焼き。息子も大喜びでした」(亜希さん)
「冷めたごはんには、濃いめのおかずが◎。試しに入れた豚キムチは、大ヒットでした」(亜希さん)
「今回の鶏ねぎ塩は、エビを使ってもおいしくできます。色合いが華やかで、雰囲気一変」(亜希さん)
こちらは番外編。「友達を招いて一緒にお昼。お弁当を食べながら、じっくり話し込みました」(亜希さん)
亜希母さんの
鶏ねぎ塩弁当
「分量は、すでに“普通の量”がわからなくなっていて」と亜希さん。ねぎ塩は鶏肉にのせずに横に添えてパリッと感を保ちます。ケールは、炒めてもシャキッとしているのでお弁当向き。フライパンを使うのは、鶏肉を焼く→ケールのじゃこ炒めの順に。鶏肉はペーパーでふきながら焼くから、汚れもほぼないので洗わずでOK。バターが焦げないよう、少し冷ましてから調理開始です。
材料
- ごはん、しば漬け……各適量
【鶏ねぎ塩(1人分(亜希さん基準?))】
- 鶏もも肉……小2枚(300g)
- ごま油……少々
- 〈ねぎ塩〉
- 長ねぎのみじん切り……大さじ5
- 青ねぎの小口切り……ふんわり軽く3つかみ
- 塩……小さじ1/3程度
- ごま油……大さじ1
【ケールのじゃこ炒め(1人分)】
- ケール……4枚
- ちりめんじゃこ……大さじ3
- 塩……小さじ1/4程度
- バター……大さじ1
【カリフラワーとスナップえんどう、芽キャベツのごま和え(1人分)】
- 芽キャベツ……5個
- スナップえんどう……3本
- カリフラワー(小房に分けたもの)……5個
- A)
- 白すりごま……大さじ2
- 白いりごま……大さじ1
- 砂糖、しょうゆ……各小さじ1
- 揚げ油……適量
作り方
【鶏ねぎ塩】
- 鶏肉はキッチンバサミで大きめのひと口大に切る。
- フライパンにごま油を薄く引き、中火にかける。油の温度が低いうちに①を皮目を下にして並べる。
- 焼き目が7割程度ついたところで裏返す。出てきた脂をキッチンペーパーでまめにふき取りながら、全体にいい焼き色がついて完全に火が通るまで焼く。
- ボウルにねぎ塩の材料をすべて入れて混ぜる。③の鶏肉に添える。
味つけアレンジ
冷蔵庫には、鶏肉を塩麹とごま油で漬け込んだものを常備。「鶏ねぎ塩をこれで作るとまた違ったおいしさ。そのまま焼くだけでも立派なおかず。ただ、塩麹って焦げやすくて。おいしいけど、インスタ向きじゃない(笑)」(亜希さん)
【ケールのじゃこ炒め】
- ケールは大きめにちぎる。
- フライパンにバターを中火で熱し、溶けてきたらちりめんじゃこを入れてカリカリに炒める。
- ①を加え、強火でさっと炒める。塩を振り、好みでさらにちりめんじゃこ(分量外)を加える。
【カリフラワーとスナップえんどう、芽キャベツのごま和え】
- 芽キャベツは根元に十字の切り目を入れ、大きければ縦半分に切る。スナップえんどうはすじを取る。
- ①とカリフラワーを素揚げする。
- ボウルにAを合わせ、②を入れて和える。
※手順②までは前日にやっておいてもよい
教えてくれたのは
亜希さん
アパレルブランド「AK+1」のディレクションを手がけながら、大学生と高校生の息子ふたりを育てる。インスタグラムでは、食べ盛りたちに作る豪快弁当が大人気。近著に『家 ごはんと野球』(CCCメディアハウス)。
Instagram:shokatsu0414
公式サイト:http://nline-mg.com/models/aki/index.html
「おいしいLEEレシピ」はこちら!
撮影/馬場わかな ヘア&メイク/野田智子 フードコーディネーター/中山暢子 取材・原文/福山雅美
こちらは2023年LEE4月号(3/7発売)「母さん、父さんのラクしてつづく一点豪快弁当」に掲載の記事です。
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