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福島綾香

「睡眠偏差値®」とは?眠りの質を高めるコツを専門家が伝授!子どもの睡眠、生理期の睡眠対策も

  • 福島綾香

2023.04.03

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睡眠の質、満足できていますか?

睡眠不足、日中の眠気など、眠りに関する悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。ましてやコロナ禍の生活で、睡眠の質の低下や不眠を訴える人は増えていると聞きますよね。

先日、全国1万人を対象とした睡眠に関する調査「睡眠偏差値®」2023年度版の結果が発表に。女性の睡眠の質に関する新データなども発表されるということで、忙しいLEE世代の睡眠を救うヒントがあるのでは?と、メディア発表会に参加してきました。

睡眠の質を高めるための簡単なポイントも満載なので、ぜひ参考にしてみてください!

「睡眠偏差値®」とは?

睡眠偏差値®2023 メインビジュアル
株式会社ブレインスリープが毎年実施している調査「睡眠偏差値®」。

睡眠や生活習慣に関する質問群に答えると、回答者の睡眠をスコアリングした「睡眠偏差値®」をはじめ、日中の生産性やストレスの度合い、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクなどを判定。睡眠にまつわる課題が明確になり、改善すべき点がわかります。

睡眠専門医・西野精治先生

睡眠専門医・西野精治先生

ブレインスリープの創業者兼最高研究顧問である、睡眠専門医・西野精治先生をはじめとした専門家3名が監修。“世界一睡眠不足” といわれる日本国民の睡眠課題を解決すべく、2019年からスタートし、今年で4回目となりました。

「睡眠偏差値®」は女性の方が高い!しかし生理や更年期の影響も

2023年1月に行われた今回の調査では、男女や年代別「睡眠偏差値®」、睡眠の質悪化の要因など、日本人の睡眠における特徴が明らかに。

睡眠偏差値®2023 資料スライド1

出典元:睡眠偏差値®2023 ブレインスリープ調べ

まず「睡眠偏差値®」は男性平均49.3、女性平均50.7と、女性の方が高い傾向。
世代別では20代男性が最も低く、60代女性がトップ。60代女性においては、同年代の男性と比較しても3ポイント以上高い結果でした。

平均睡眠時間は6時間43分。コロナ禍で高止まり傾向はあるものの、OECD加盟国の平均時間は8時間25分なので、やはり日本人の睡眠は圧倒的に短いんですね。

さらに、全国1万人の回答者の中で、自身の睡眠の質が「わるい」「非常にわるい」と回答した人は4287人にものぼり、半数近くが課題を抱えているという結果に。

睡眠の質が悪い原因として考えられるものを挙げると、男女とも仕事関係が上位を占めるものの、女性の3位には「ホルモンバランスの変化・乱れ」がランクイン。生理・妊娠出産・更年期といった、女性ならではの課題が見てとれます。
睡眠偏差値®2023 資料スライド2

睡眠偏差値®2023 資料スライド3

出典元:睡眠偏差値®2023 ブレインスリープ調べ

日中の生産性と睡眠の関係性についても、睡眠時間とは明確な関連がなかった一方、睡眠の質との相関性が見えてきたそう。
やはり良い睡眠には「量」以上に「質」が重要ということ、しかしその「質」に課題を抱えている人が多いことがわかりました。

では、この「睡眠の質」を高めるためにはどうすればいいのでしょう?会場で行われた睡眠専門医・西野先生とのディスカッションから、Q&Aでご紹介します。



Q.睡眠時間を長くするのは難しくても、質を高めるためにできることは?

A.「眠い時に眠ること」と「黄金の90分を大切にすること」

眠いのに我慢すると、逆にその後眠れなくなることが。できる限り、眠いと感じた時に眠ると深く眠れます。仕事中などでも、30分ほどの短時間でも眠れると◎。

睡眠偏差値®2023 資料スライド4

出典元:睡眠偏差値®2023 ブレインスリープ調べ

また、入眠して最初の90分は「黄金の90分」といわれ、自律神経が整う・脳のコンディションが良くなるといった睡眠の効果の多くをこの間でまかなえます。後半の睡眠は起きるための準備というイメージで、まずは入眠直後の深い眠りを大切に。(西野先生、以下同)

Q.生理や更年期が、睡眠に影響を与えるのはなぜ?

A.体温や性ホルモンの変化が原因です

人の体温は昼~夕方が高く、夜に低くなることで眠りやすいのですが、生理前の黄体期や生理中は1日の体温の変化が少ないため、良い睡眠がとりにくくなります。寝る前は体を温め、睡眠中は放熱するようにするなど、体温調節を意識してみましょう。

また、更年期は性ホルモンの変化が急激に起こるため、今までとれていた睡眠がとれなくなる人も。数年間続く場合もあるので、つらい場合は専門家に相談を。

Q.「睡眠の質を向上するための12か条」と、特に意識したいポイントは?

A.朝のリセット&寝る前のリラックスを大切に

睡眠偏差値®2023 資料スライド5

出典元:睡眠偏差値®2023 ブレインスリープ調べ

こちらが、睡眠の質を向上するための12か条。

中でも意識したいのは「朝のリセット&寝る前のリラックス」。人間固有のリズムは24時間より長いため、油断すると寝る時間が後ろ倒しになってしまうもの。起床後は太陽の光を浴びて活動すること、寝る前は目や頭を使わない、仕事の緊張を持ち込まないことをなるべく意識してみて。

「子どもの睡眠」についても聞いてみました

眠る子ども
育児中の方も多いLEE世代。子どもの睡眠について悩みのある方も多いのではないでしょうか?私も4歳の子をもつ身として気になったため、詳しく教えていただきました。

ブレインスリープが2021年に行った子どもの睡眠についての調査では、日本の子どもは大人同様に睡眠時間が世界一短いそう。推奨睡眠時間は3~5歳で10~13時間、6~9歳は9~11時間ですが、ほとんどの年齢で1時間前後足りていないのだとか。

特に幼少期の睡眠は脳の成長に多大な影響を与えるうえ、体調不良の頻度とも相関性がみられるとのことなので、睡眠時間の確保は大切。とはいえ、急に毎日寝るのを1時間早めるのは難しいですよね。

そこで意識したいのは、大人と同様に入眠直後の「黄金の90分」。子どもの成長に欠かせない成長ホルモンは、夜間に出る全体量の70~80%が「黄金の90分」に分泌されるのだそう。この90分間をぐっすり眠れると、自律神経も整えられ、交感神経と副交感神経のシフトがスムーズになりリラックスもできます。

睡眠時には頭に熱をこもらせないことが大切ですが、子どもは大人に比べて体温調節が苦手なため、通気性の良い寝具を使うことも大切だとか。
「黄金の90分」のため、親子で睡眠環境を改善していきたいものです…!

私も「睡眠偏差値®」を測定してみると…

ちなみに発表会後、私自身も「睡眠偏差値®」の法人向け健康経営サービス「睡眠偏差値for Biz」で計測する機会をいただけたので、早速チャレンジしてみました。

年齢、性別、職業、子どもの有無などプロフィールを入力し、「就寝前にPC、スマホなどの画面を見る?」「休日の睡眠時間は平日よりどれくらい長い?」などの簡単な質問に答えていくと…

偏差値53.0、「全国平均より高い睡眠優秀層にいます」という結果に!

睡眠偏差値® 診断結果

これは意外でした。というのも、私は子どもの寝かしつけで寝落ち→深夜に起き出して活動→再び入眠という日々を繰り返して早幾年。2段階睡眠は体に良くないよなぁ、と思いながらも放置してきたので…。

でも考えてみれば、眠気に抗わず眠って、入眠後の90分もぐっすり眠っている自覚が。朝には起きて日の光を浴び、子の登園・家事・仕事と活動していますし、日中眠くなることもあまりないので、最低限の質は確保できている…ということでしょうか(もちろんまとまった睡眠をとるに越したことはないと思いますが!)。

西野先生が、発表会の最後にアドバイスとしてくださった「自分の睡眠に満足できている人は少ないものです。でも、甘んじることも大切。不満はあっても、日中の生活に問題がなければ、それほど気にし過ぎなくても良いんですよ」とのメッセージ。まさにその通りなんだなと、少し救われた気がしました。

より睡眠の質を高めるため、生理時期の体温調節や、子どもの睡眠についてなど、自分に合う習慣を日々に取り入れていきたいと思います。

春は生活リズムの変化や新生活への不安もあり、睡眠への影響も大きな時期。忙しい毎日ではありますが、少しずつでも「睡眠の質の向上」、意識していけるといいですね!

「睡眠偏差値®」2023年調査結果ページ

福島綾香 Ayaka Fukushima

ライター

宮城県仙台市出身。夫、息子(2018年9月生まれ)と3人暮らし。これまでフリーペーパー、旅行情報誌などの編集を経験。趣味は食べること、旅行、読書、Jリーグ観戦。

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