上紙夏花

買い物するほどに社会貢献できるエコバッグ【Loopach(ルーパック)生みの親にインタビュー】

これが最後のエコバッグ!?

ルーパックMサイズパッケージ

2020年7月にレジ袋有料化されて約2年が経ちます。みなさんのお家にはエコバッグはいくつありますか?

お気に入りのデザインのもの、たくさん荷物が入られて丈夫なものなど、それぞれこだわりがあると思いますが、私は「一生使いたい!」と思えるエコバッグに出会ってしまいました。

その名も「Loopach(ルーパック)」です。繰り返し使えば使うほど、価値が高まるというエコバッグなのです。社会貢献ができるエコバッグと聞いて、とても興味をもちました。

ルーパックSサイズとMサイズ
写真左上がMサイズで、左下がMサイズのものを裏返した内側です。まちの部分まで持ち手が通っているからとても丈夫な上に、荷物を安定して持ち運ぶことができます。右はSサイズ。とても軽くて薄くコンパクトなので携帯にとても便利です。

サイズはS,M、Lの3種類。素材は無染色の生分解性ナイロン繊維を採用していて、繰り返し使えるように洗える仕様になっています。

パッケージも石灰石から生まれた、環境にやさしい新素材LIMEXでつくられているのもポイントが高いですね。

アプリにポイントを貯めて支援したい団体に寄付できる

ルーパックアプリと連動

このエコバッグは、アプリと連動しています。交通系ICカードにも使われているICチップが、バッグのタグの中に入っていて、全国のURBAN RESEARCH DOORSほか、加盟店で「Loopachで!」といって端末にタグをかざすと、アプリ内にポイント(Loopach flower)が貯まります。

アプリを見ることで、エコバッグをいつどこで何回使ったのかが、可視化できます。集めたLoopach flowerは、1本からでも、こども食堂やフードバンクなどの社会課題を解決する団体に寄付ができるのです。

「ユーザーが寄付先を選択できる」というところも特長的で、ユーザーの意志を大切にしてくれます。Loopachは事業の売上のうち約50%を、ユーザーの声を反映した、さまざまな社会課題に分配・還元するという素晴らしい仕組みです。

ルーパックアプリイメージ

自分のLoopachにアプリ内で名前をつけることができます。次男が命名したのは「おなかくん」(笑)。育成ゲームのような面白さもあり、使うほどに愛着が湧くようで楽しいですね。

Loopachのリーダー端末のあるお店も、アプリからチェックできます。現在は全国約70か所に導入されていて、お店がどんどん増えています。現在の寄付先、6団体についてもアプリから確認できます。今後、寄付先も順次増えていくそうです。

ルーパックMサイズ
Mサイズの持ち手はオーガニックコットンです。開口部にはスナップボタンもついていて中身が見えにくい設計。サイドポケットにはペットボトルもしっかり入ります。

デンマークで2018年に発表された環境食品省環境保護機関の「Life Cycle Assessment of  grocery carrier bags」によると、 地球温暖化の可能性を使い捨てレジ袋よりも少なくする には、1つのエコバッグを何百回、何千回と使う必要があるという調査データが報告されています。

だからこそ、自分がエコバッグを何回使ったのかを自覚できるこのシステムは、ある意味安心材料になるのではないでしょうか。

Loopach生みの親にインタビュー

milkbottleshakersの喜多さん
写真左上から時計回りに、コーディネーターの小泉さん、筆者の上紙、そしてLoopachの生みの親、喜多さん。全員、大阪府北摂地区出身という共通点が。

Loopachの生みの親である、株式会社MILKBOTTLE SHAKERSの代表取締役、喜多泰之さんにインタビューしました。

喜多さんは「神様じゃないからサスティナブルはわかりません。しかし、責任をもって課題に目を向け、挑戦してきました」と語り、廃棄される洋服の行く末やファッション産業の課題を細かく追ってきた経験があります。

大学在学中にURBAN RESEARCH DOORS 茶屋町店(大阪)にショップスタッフとしてアルバイト入社。そのままアーバンリサーチに新卒入社し、店長職を経てブランドPR、バイヤー、イベント企画、CSRなどを経験し、2018年に独立します。

独立後は大手アパレル企業の廃棄衣料のアップサイクルプロジェクトや、コンサルティングおよびブランディングなどを手掛けています。

業界に入ってからずっと気になり続けていた、廃棄衣料の問題について深く切り込んでいく事業を行うことになる背景には、いろいろな人との出会いがあったそうです。

「URBAN RESEARCH DOORS時代から立ち上げに関わり、その後ディレクターを務めた、 Green Down Projectという取り組みがあります。これは、羽毛を循環資源にして、さらにその中で就労困難な障がいのある人の雇用の機会をつくるという活動なのです。

このプロジェクトで出会った、神戸学院大学の准教授で社会福祉士の川本健太郎さんと起業しました。持続可能でありながらも革新的なアイデアをもって、新しい時代を切り開くような価値創造ができればと考えています」と喜多さんは語ります。

エコバッグは本当に環境問題に役立っている?

喜多さんの会社で初めてのベンチャー事業となったのが、Loopach。アパレル企業のコンサルティングをする中で、「うちのエコバッグが大量に売れる施策はないですか?」とか、「エコバッグを大量に安く作れるところは?」などという声があがっていたといいます。

そういう声を聞くうち、本当にエコバッグは環境のためになっているのかという疑問が湧いてきたそうです。

「両親もアパレル業界の人なのですが、自分も大好きなアパレルの裏側がちょっと大変だと。環境問題という視点で見るとナンセンスだなと感じたんです。表面上、着飾っているのに、世界で2番目に環境問題を引き起こしている業界だと、国連でも言われているんですよ。日本では、年間29億着の洋服が作られ、15億が廃棄されている……ここから抜け出す選択肢を作らなければと思うんです」

起業のきっかけは、10年前ビーチクリーンイベント

実は2020年のレジ袋有料化よりも前からLoopachの構想はあったそうです。

喜多さんが前職時代に湘南の辻堂で行われたビーチクリーンイベントに参加したときに拾った、あるものがきっかけとなったのです。その出来事はいまだに忘れられないと言います。

ビーチクリーニングで拾ったゴミ

「これ何だかわかる?と言われて、海藻がパリパリに乾燥したのかな?と思っていたんですよね。でも、これがレジ袋などのプラスチックバッグの成れの果てなんだと聞いて、驚きました。これは魚だって海藻だと思うんじゃないかと。すごくショッキングな出来事でした」

海を汚さないということで言うと、洗濯排水からマイクロプラスチックを流出させないための、ランドリーネットが販売されていますね。

なんと、Loopachチームはそのマイクロプラスチックをキャッチするランドリーネットの素材を、産業廃棄物として出ている布で作れるということを発見したのです!

Loopachのランドリーネット

「ファッションとは別の産業を調べたら、本来ならば捨てられるはずの素材で環境が守れるということがわかりました。アップサイクルですよね。Loopachのランドリーネット〝Loopach Fiber Catcher 〟今年の秋頃には販売できるようになると思います!」

ルーパックMサイズ使用イメージ

いまはまだそれほど使えるお店が多いわけではありませんが、使える範囲が広がるようにひとりひとりがアクションを起こしていくということが、このエコバッグの真髄だと感じます。

私もこのLoopachを手に街へ出て、お買い物を楽しみながらも、地球のためにそして子どもたちの未来のために行動したいと思います。

Loopach公式サイト

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