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飯田りえ

子育てで困ったときに頼れる【おやこのミカタ/Save the Children Japan】

  • 飯田りえ

2021.01.30

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再びの自粛生活…それでも子どもの成長は待ってくれない

まだまだ緊急事態宣言渦中にありますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
外出や行動が制限される中、仕事は完全フルリモートな上、楽しみだった行事やイベントも軒並み自粛。自分のちょっとした気持ちを吐露できる場もなく、気がつけば「今日も家族以外と(リアルで)話してないなぁ」そんな日々が続いています。

しかし、いくら自粛生活で自分の気持ちが停滞していても、子どもの成長は待ってくれません。子どもと向き合う中で成長や変化に自分がついていけず、小言が多くなったり、ついイライラして感情的になってしまったり…、戸惑うことが増えてきました。しかも、今までだったら気持ちを吐き出してリセットできていた部分も、自粛生活で内に溜まる一方。そして、一番厄介なのが、そういう自分に対する自己嫌悪。あー、もう負のスパイラルでしかありません…。そんな母たちに、寄り添ってくれる心強いサイトがありました。

子どもと大人は視点が違う。まずはそこに立ち返ろう

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが『おやこのミカタ』というWEBサイトを昨年末オープンしました。子どもとの関係を見直す上で、親として心がけたい、大切なコンテンツがぎっしり詰まっています。

まず、こちらの動画をみて、ハッとさせられました。

日常よくあることも、「大人と子どもでは視点=みかたが違う」ということが明確な動画ですよね。子どもの年齢にかかわらず、これさえ頭の片隅に残っていれば楽になることが多いのですが、自分がストレスフルだと思い出す前に、先に感情的になってしまいがち。(私もまた、忘れてしまっていました…)まずは子どもの見方(視点)に気付くこと、思い出すことが大切なので、時々、この動画を見返そうと思います。

乳幼児期だけでなく、学童期や思春期の成長・悩みにも

また、「こどものミカタ」では、0歳〜18歳までの子どものそれぞれの発達段階や子どもの気質、関係性などから子どもの視点や向き合い方を大学教授や専門医が丁寧に解説しています。中でも「子どもの発達段階シート」は、発達段階に応じた親の関わり方のヒントが年齢ごとに一覧に。(乳幼児から思春期、成人前まで対応だなんて)

 

乳幼児期は「〇歳ってこんな時期」みたいな、大きく捉える情報はたくさんあるのですが、学童期に入ると発達段階を捉えた情報が少なく、学校生活や塾・受験など、取り巻く環境の話題が多くなるのです。しかし、10歳になる長男を見ていると、苛立ちやすくなったり、反抗的になったり…と、精神的な変化が見え始めました。成長過程と分かっていながらもその変化についていけず、ついイライラしてしまうのです。

そこで長男の年齢にあたる発達段階シートを見ると、「何を考えているか分かりにくい」「プライバシーに立ち入られることを嫌う」「無愛想になったりすぐ怒る」「親の意見と衝突する」…やっぱりお年頃なのですね。それがわかっていると戸惑いも減りますし、親としての働きかけのヒントもあるので、冷静な時に読んで、頭でじっくり理解しておこうと思います。これは夫や、祖父母との知識の共有にも使えそうです…!

国立生苦医療研究センターこころの診療部 田中恭子先生曰く、発達段階を知るということは子どもを対等に尊重することにつながるそう。

「子どもが自分の力で発達していくには、大人が、子どもが自分のこころを育てることを阻む要因を、取り除き調整する(環境を整える)ことが必要です。そのときに発達段階を知っておくと、その子にとって大事なことや障壁などを、ある程度イメージしながら子どもと関わることができると思います。(中略)子どもの発達段階を知るということは、人として対等に子どもを尊重するという意味で、とても大事な視点を与えてくれると思います。」

予備知識として持っておく大事さを今、改めて思いました。小さなお子さんがいらっしゃる家庭も「あと数年後はこうなるんだ」という見通しが立つので、ブックマークしておくかPDFデータを保存しておくのも便利ですね。



親として、私の成長にも寄り添ってくれるなんて…!

子どもへの悩みだけでなく、私にも寄り添ってくれるページもあるんです。「あなたのミカタ」にある「心にとめたい10のコト」が非常に胸に刺さります…!

10項目ある中でこれは自分の中で最も大事にしたい…と思ったのが

「子どもの気持ちや声に耳を傾け、受け止める」
「子どもに望んでいることを、親自身が行動で見せる」

日頃、心掛けていることの再確認や、これから大事にしていきたいことを確認するためにも一度チェックしてみてください。

さらに親のためのイライラマネジメントなるページも…!(大人気コンテンツだそう!)特に内にこもる生活を続けていると、意識的に自分のイライラをコントロールしていく必要性をすごく感じます。

「子どもに自分の気持ちを伝える」「大丈夫、なんとかなる、と自分に言ってみる」など、頭ではよく分かっているつもりだけれども、なかなか実践できていないので、プリントアウトして貼ってみるのも良いかも。

子どもの視点を持つ=「子どもの権利」を大切にすること

このサイトは「たたかない・怒鳴らないポジティブな子育て」を提唱しているセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが、2020年4月の体罰禁止法定化などをうけて、体罰の無い子どもとの関わり方、ポジティブなしつけを普及するために制作されました。(体罰としつけの違いについてはこちらの過去記事でもご紹介しています。)

コロナ禍においてオンラインで子育てワークショップを開催していると「怒りたくなくても、つい怒ってしまう」「自分のストレスをどう発散したらいいかわからない」そんな声が多く寄せられたそうです。まず大切なのは「子どもの見方(視点)に気付くこと」。子どもと大人は視点が違う、まずその子どもの視点を理解して子どもとつきあうことからスタートしなければ、解決に至らないのです。また、子どもの視点を持つということは、子どもを一人の人間として尊重する「子どもの権利」を大切にすることにもつながります。

1989年に国連で採択された「子どもの権利条約」。日本は1994年世界で158番目に批准しましたが、まだまだ社会の中での認知が低く、子どもたちの権利が脅かされている分野も多くあります。(例えば、2017年7月の調査で、「しつけのために体罰をすることにどう思うか」という問いに対して日本の6割の大人がなんらかの場面で子どもに対して体罰をすべきであると回答し、まだまだ体罰が社会的にも容認されている状況)そういう意味でも、今の私たち世代が「子どもの権利」をもっと理解した上で、子どもたち一人ひとりと向き合う必要があると思いました。こちらにも載っている「子どもの権利」のインタビュー記事は勉強になりますのでぜひ!

子どもの発達段階を改めて見直し、自分のメンタルも上手にコントロールしつつ、とにかく、子どもの視点を忘れない。一度、胸に刻んでも忘れてしまうことも多いので、夫や家族、ママ友たちともシェアして振り返る。こうして「子どもの権利」を大切にしつつ、次の世代では当たり前の価値観になっているように願って__。何度も、何度も、基本にも立ち返るために、末長くお世話になりたいサイトです。

おやこのミカタHP『子どもへの「そうだったんだね』がたくさん詰まったウェブサイト

飯田りえ Rie Iida

ライター

1978年、兵庫県生まれ。女性誌&MOOK編集者を経て上京後、フリーランスに。雑誌・WEBなどで子育てや教育、食や旅などのテーマを中心に編執筆を手がける。「幼少期はとことん家族で遊ぶ!」を信条に、夫とボーイズ2人とアクティブに過ごす日々。

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