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佐々木はる菜

【フィリピン セブ島・親子留学体験記 1】親子留学するメリットって?

  • 佐々木はる菜

2020.02.06

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LEE3月号特集『英語学習は“早い方がいい”は本当? 子どもが英語を好きになる方法』にルポが掲載れていますが、このたび、7歳4歳兄妹と共にフィリピンのセブ島へ親子留学をするという貴重な機会をいただきました。

年々注目が高まっている「親子留学」の中でもセブ島は非常に人気があり、特に0歳~2歳ごろの赤ちゃんと共に訪れる育休中のママが増えているそう。
私は心配性なところがあるため、自分だけではなく大切な我が子も一緒に連れて行くからこそ色々と不安がありましたが、最終的に渡航を前向きに決心できた理由は「赤ちゃんでも安心して連れて行くことができるサポート体制が整っている」ということでした。

これから3回に渡ってお送りするセブ島親子留学体験記、①ではまず、「セブ島へ」「親子で」留学するからこそ得られると感じたメリットについて、②では、実際どんな毎日を送ったかという具体的な様子や学校生活、英語力の変化についてお伝えしたいと思います。2月7日発売のLEE本誌3月号「子どもが英語を好きになる方法」という特集内でも、英語学習の選択肢の一例として我が家の親子留学を取り上げていただきました(P.193)。
そして③では今回私がお世話になった留学エージェント、株式会社留学情報館で「ママ・赤ちゃん留学」マネージャーを務め、ご自身も子育て中のママでもありお子さんと共にセブ島へ移住されたご経験もある近藤英恵さんのインタビューをお送りします!
情報量いっぱいの3回になるかと思いますが、是非お付き合いください!!

私達の渡航は昨年12月。到着したセブ空港には大きなクリスマスツリー!暑い中でのクリスマスムードも、子ども達の心に残ったようです。

実際に子ども達との留学生活を通して感じた「セブ島へ親子で留学するからこそ得られるメリット」は大きく分けて2つあります。

① 日本人にとって英語を勉強しやすい環境があること

近年、親子留学以外でもセブへの語学留学の人気が高まっているそうです。その大きな理由のひとつが、フィリピンはビジネス英語ランキングにおいて世界1位となり、世界第3位の英語人口を抱える「英語大国」だということ(※1)。
非ネイティブスピーカーの中でビジネス英語力世界1位に輝いたということは、フィリピン人は世界1位の「英語学習者」ということを意味します。フィリピンはもともと島ごとに独自の言語がありますが、幼稚園以上のいわゆる「公教育」は全て英語で行われます。先生や学校スタッフの方はもちろん、街なかで触れ合う大抵の方が流暢な英語を話しますが、皆さん英語を第二言語として学習して身につけているため、英語を勉強する難しさや苦労、そして効率的な学び方をよく知っています。
自分で勉強してネイティブレベルまで英語力をつけているフィリピン人の先生方から学ぶことは英語を習得する一番の近道だという意見もあり、特に初中級者の方にとってはネイティブの方から習うよりもわかりやすいと感じることが多いといいます。

先生は皆さん気さくで、毎日学校に通うのが楽しみでした!

また、物価が低いためマンツーマン中心のレッスンが叶い、短期間でも英語力の伸びを感じやすいことも特長のひとつ。滞在費が安いため色々なことに挑戦しやすいことも魅力で、日々の買い物や週末のアクティビティなどはもちろん、「期間中に最大限英語を学びたい!」とレッスンを追加する方も少なくないのだとか。

年間を通じて気候が温暖なことに加え、人柄も温かいフィリピンの方は親日家が多く、日本から来たと話すと「日本が好き」と言ってくれる方が何人もいました。フィリピンにとって日本は最大の経済支援国であるということも大きいそうですが、自分たちが「外国人」となる海外で、基本的に歓迎される雰囲気の中で生活できることは非常にありがたいことだと思います。

※ビジネス英語ランキングとは、米国カリフォルニア州に本社を置くグローバルイングリッシュ社が実施したビジネス英語力(Business English Index: BEI)という指標の調査結果。アメリカやイギリスなど、ネイティブ圏も含めた在住非ネイティブスピーカーのビジネス英語力を調べたもの。

② 子育て中のママ(パパ)にとって、暮らしやすく手厚いサポートがあること

初日、学校に入る直前の様子。緊張していたのか、兄妹ぴったりくっついています(笑)

私達日本人にとって英語を習得しやすい環境があることに加え、私がセブ親子留学に惹かれた一番の理由はやはり「ママ(パパ)が『子どもと一緒に』充実した留学生活を送るための手厚いサポート体制があること」でした。今回お世話になった「ママ・赤ちゃん留学」プログラムでは、出発前は説明会や相談会などで子連れ渡航にまつわる不安をとことん解消してくださり(詳しくは③にて!)、セブ島では現地スタッフの皆さんが協力してママ達の負担を減らしてくれます。

学校が入っているビルのエントランスの様子。ブーゲンビリアがきれいでした!

現地にはたくさんの語学学校がありますが、私達が通った「Kredo Kids」は2018年5月に新設された親子留学専門の校舎で、セブ島の中で最も治安が良く快適だと言われるビジネスパークエリアにあり、建物もとてもきれいでした。
0歳の赤ちゃんから乳幼児、小学生、そしてもちろん大人まで、それぞれの年齢や語学力に応じた様々なカリキュラムが用意されており、受講の仕方も家族の希望によってフレキシブルに対応してくれます。英語の勉強は子どもだけでママはその間自由に過ごす方、親子共に午前中だけの授業で午後はゆっくり楽しみたい方、夕方までびっしり授業を頑張る方…皆さん、それぞれのスタイルで満喫されていました。

子ども向けの教室は可愛く飾りつけされているほか、授乳室やおむつ交換スペースもきちんと用意されていました。6か月になったばかりの赤ちゃんと滞在しているママもいてアクティブさに感動していたところ「動き回る前の赤ちゃんの方が、むしろ負担が少ないと実感しています!」という前向きな意見をいただきました。

何より嬉しかったのは、生徒さんはみんな親子連れだからこそ、子どもと一緒に伸び伸びと過ごせたこと!もしも学生やビジネスマンなど様々な方が集まる中だと、どうしても子どものことで気を使ったり肩身の狭い思いをしたりということが出てきてしまうと思います。
また子育て中のママ同士、そして子ども同士も仲良くなるためより楽しく過ごすことができたことも良かった点のひとつ。長男は昼休みには仲良くなった同年代の男の子とふざけあって、先生方がびっくりするほど汗びっしょりになるまで遊んでいましたし、放課後や休みの日に家族同士で一緒に出掛けるなど行動の幅も広がりました。

子連れだと心配の多い医療面ですが、Kredo Kidsは日本人スタッフが常駐する大きな病院と提携しており、お医者さんが週に一回往診に来てくれます。ジャパニーズヘルプデスクがありLINEを使って日本語で気軽に症状を相談できるシステムもある病院なので、子どもが体調を崩してしまった時も安心だと感じました。

他の国への子連れ留学経験者曰く、日本から直行便で4~5時間、時差1時間という点もやはり大きなメリットだそう。移動時間が長く時差が大きいと、最初の数日間子どもが時差ボケで調子を崩してしまい勉強どころではなくなってしまうことも少なくないと聞き納得しました。ちなみに我が家は行きの機内で、先生や家政婦さんに渡すプレゼント用に、子ども達と折り紙で手裏剣などを作りました。

なんといっても「Kaseifu-san(家政婦さん)」の存在が大きい!

Kredo Kidsの場合、学校から徒歩圏内にあるキッチン付きのコンドミニアムに滞在しながら通学し、各家庭に専属の「Kaseifu-san(家政婦さん)」がついてくださいます。毎日8:00~17:00、子ども達の英語保育を行いながら掃除・洗濯・料理などの家事もこなし、ママが勉強など自分のことに集中できる環境をフルサポート!やはりこのスタイルが、何よりの魅力でした。

発展途上国だからこそ子どもが多く、「子どもはみんなで育てよう!」という雰囲気の中、子連れに優しいフィリピン。大家族で暮らしていることも多く、小さい頃から自分より幼い子どもの面倒を見て、お年寄りを敬い、家事全般を助け合いながら育つといいます。皆さん子ども好きであやすのがうまく、家政婦さんの質が高いのはママにとって非常に嬉しいポイント!

◆レッスン以外の時間も英語のシャワーを浴びられた子ども達

子ども達にとっての何よりのメリットは、レッスン以外の日常生活や放課後の時間もずっと、英語を話す環境にいられたこと。我が家の兄妹は毎日14:50までレッスンがありましたが基本的に毎日家政婦さんにお迎えをお願いし、そのあと17:00まで一緒に遊んでもらっていました。今回、短期間の滞在にも関わらず子ども達の英語が伸びた理由のひとつは、家政婦さんと一緒に楽しみながら自然に英語漬けの環境で過ごした時間にもあったのではないかと感じています。

◆ママは、自分自身に集中できる!

特に育休中など0~2歳ごろの子育て中のママからよく聞いたのが「自分の時間を確保できることのありがたさ」です。安心して子どもを任せられる存在がいるからこそ、自分の目的に向かって頑張る時間をきちんと取ることができ、時にはひとりでゆっくりお茶をしたり、仲良くなった友人とランチをしたり、ネイルやマッサージ(しかも格安!)で気分転換をしたり…日本では育児に追われていたけれど、家政婦さんのおかげで精神的に余裕ができ、日々が充実しているからこそ子どもと過ごす時間もより一層大切にできるようになったという話で何度も盛り上がりました。

最終日はお友達ご家族と外食!わりと高級なレストランでしたが、子ども達がちょっと騒いでも誰も気にせず、むしろ店員さんはにこにこと話しかけてくださいました。

日本では子どもが大声を出すことや子連れでの外出に厳しい部分もありますが、フィリピンではそういったストレスがほとんどないことも気持ちにゆとりができる理由のひとつかもしれません。外で子どもがぐずって大泣きしたり暴れたりしていたら、見ず知らずのフィリピン人のおばちゃんが走り寄ってきて一緒にあやしてくれた、レストランやおでかけ先で、頼んでもいないのにスタッフの方が子どもの面倒を見てずっと遊んでくれた…というようなエピソードはフィリピンではよく聞く話!そんな明るさやホスピタリティに救われたというママもたくさんいました。



親子どちらもHappyに過ごせるからこそ、
充実した留学生活になるのでは

滞在中に出会った多くのママが同じことを言っていましたが、セブ親子留学の満足度が高い大きな理由は、ママと子どもどちらも充実した時間を過ごせるからだと思います。従来の親子留学の場合、子どもは小学生以上で保護者はその付き添いとして同行する形が一般的でした。また逆に、たとえどんなにママが英語の勉強などを頑張れる環境にあったとしても、子どもがそれに「付き合う」ような状況で必要以上の我慢を強いることになるとしたら、ママ自身も心配で心底楽しむことは難しいと思います。

自分自身の充実はもちろんでしたが、兄妹共に毎日とっても楽しそうで、本人たちなりに少しずつ英語を上達させ達成感を得ている姿を見ながら過ごせたことが、何よりの喜びでした。

続く②では、どんな場所でどんな日々を過ごしたのか、学校生活、英語力の変化についてなど具体的な様子をお伝えしていきます!

ママ・赤ちゃん留学

佐々木はる菜 Halna Sasaki

ライター

1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。

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