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津島千佳

あなたの寝具は大丈夫? アレルギーを防ぐため秋冬こそダニ対策を

  • 津島千佳

2018.11.11

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今年の夏は本当に暑く、寝苦しい夜が続きでしたね。それに比べれば秋はすごしやすいし、冬も温かい布団に入ってしまえば、ぐっすり眠れる…と思っていました。

が、先日友人から「秋になったら子どもがかゆがるようになって、あんまり眠れていないみたい」という話をされました。かゆいってことはダニ? ダニって夏に多いんじゃないの?

そこで小児アレルギー学医学博士の坂本龍雄先生に、その原因を教えてもらいました。

秋はダニアレルギーが猛威を振るう季節

総合マーケティング支援を行なうネオマーケティングが全国の20~69歳の男女500名を対象に実施した『夏から秋の睡眠に関する調査』によると、眠りが浅い季節は夏が最も多く、秋が最もよく眠れると多くの人が回答。

暑くもなく、乾燥もしていない秋は眠りやすいでしょう。しかし、坂本先生はこう指摘します。

「秋も快眠を妨げるものがあります。それはダニの死骸。夏から秋にかけてダニは日に数個の卵を産みます。卵は数日で孵化して2〜3週間で成熟。夏の3ヶ月で500倍にも繁殖することもある大量のダニが出すフンや死骸(ダニアレルゲン)は、秋にかけてアレル物質となって室内で増え続けます。だから秋はダニのアレルギーが猛威を振るうのです」

「特に人のアカやフケ、髪の毛を好むダニにとって布団や枕は天国。その内部には表面の約1000倍のダニが生息し、ダニのアレル物質の宝庫となっています。そう、ダニのアレルギーが本来快適であるはずの秋の睡眠を妨げる重要な要因です」

布団の中に表面の約1000倍のダニ…。想像するだけでもかゆくなりそう。それはアンケートにも現れていて『ベッドや布団を使用した際に感じたことのある症状は?』という質問に対し、眠りが浅い人のうち、最も多い理由は身体のかゆみ、次いでくしゃみ、せきと続きます。

「これらはダニなどのアレルギー症状と言われています。ダニアレルゲンはPM2.5よりも細かく、肺の一番奥に到達するため、ぜん息やアレルギー性鼻炎、身体や目のかゆみの原因にもなります」

天日干し、洗濯、吸引…どんな方法でも全てのダニを死滅させるのは不可能!

アレルギー疾患はこの10年ほどで急増していて、厚生労働省によると国民の2人に1人が罹病しています。そして喘息患者の8割、アレルギー患者の6割以上、全人口の約3割が感作しているのがダニアレルゲン。う〜ん、ダニって知れば知るほど怖い。

でも子どもがいれば、定期的に布団を干す家庭は多いはず。ダニって日光で死滅できないのですか?

「布団を干してもダニは布団の内部に避難してしまい、死滅させることはできません。そもそもダニは生きているダニ(生ダニ)とダニアレルゲンでは対策が異なります」

  • 洗濯機で丸洗いしても、生ダニは1時間程度の撹拌程度では死滅しない。
  • 乾燥器は生ダニを殺せても、ダニアレルゲンの除去はできない。
  • 掃除機はダニアレルゲン物質を吸引できても、生ダニの全ては吸引できない。

家庭では難しい布団の丸洗いをしても、生ダニは死なないって…。布団を干すのも大変なのに…。

最も望ましい対策は、室内のダニを生け捕りにして、ダニをできるだけ少なくする方法とのこと。

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マットに天然由来の誘引剤を仕込み、生きたダニをおびき寄せ、捕獲・乾燥することでダニを退治。ベッドやカーペット、ソファなどの下に入れておくだけの手軽さ、化学性殺虫剤と化学性薬剤不使用が小さな子どもがいる家庭にうれしい。

「喘息や通年型のアレルギー性鼻炎は秋に悪化することが多く、ダニのアレル物質が増えるためと言われています。スギ花粉と違い、ダニは1年中アレル物質が室内にたまりますから、年間を通したダニ対策をしましょう」

花粉症患者の10倍もいるダニによるアレルギー症状の患者数。布団を干す以外のダニ対策も検討してはいかがでしょうか。

お話をうかがったのは、坂本龍雄先生

中京大学スポーツ科学部スポーツ健康科学科学科長。アレルギー学、環境衛生学、小児科を専門分野とする。

日革研究所公式サイトはこちら!

http://nikkaku-j.com/

津島千佳 Tica Tsushima

ライター

1981年香川県生まれ。主にファッションやライフスタイル、インタビュー分野で活動中。夫婦揃って8月1日生まれ。‘15年生まれの息子は空気を読まず8月2日に誕生。

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