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見えている虫を殺すだけじゃダメ! 夏の3大虫トラブル、その発生源と侵入経路対策
【藤原千秋さんのおそうじ歳時記】

  • 藤原千秋

2026.08.27

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夏って、しんどい、ですよね。



もちろんシンプルに暑いのがつらい。外気とエアコンの気温差で乱れる自律神経もつらい。下着や衣類やそこらじゅう臭くなるのがはやい。ヌメリとカビが増えるのもはやい。食べ物の足も速い。


そしてそれだけでなく、生活エリアで見る”虫”の登場頻度が俄然上がるのも、夏……。



しんどい……。


虫嫌いにとっては、たとえサイズがちっちゃくても嫌なものは嫌なんです。



それなのに、掃除もまあまあ頑張ってるのに、いろいろ気をつけているつもりなのに、家の中に出てくる虫たちがいます。


いったいどこから来るの? どうしたらいなくなるの?



今回は、夏の住まいで遭遇しやすい3つの“虫”について、その正体と対策をご説明します。




Index
  1. キッチンに出る”コバエ”は何者? どこから?
  2. お風呂場やトイレに出る”コバエ”の正体、その退治方法は?


  3. 掃除しているのに”ゴキブリ”はどこから来るの? 
  4. 大切なのは「虫が暮らしにくい環境」づくり
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キッチンに出る”コバエ”は何者? どこから?

えっ何? ダイニングの上にファンファン飛んでいる、小さな虫。
蚊じゃなさそうだし、でも何匹もいるし。

待って。お盆で帰省してきて家に戻ったら、キッチンのあっちこっちにめっちゃ飛んでるんだけど。


ゴミ箱? バナナ? 糠味噌? 野菜? 玉ねぎ? これ、どこから出てきてるの?



ある日突然、住まいに現れ、そこらを席巻する小さい虫……コバエ……コバエ的な、よくわからない小さい虫。小さくはあるけど、対峙すればそれなりにパニックになりますよね。



何者なんでしょう?



実は、「コバエ」という名前の虫はいません。



「コバエ」は小さなハエ類の俗称で、キッチンでは”ショウジョウバエ”や”ノミバエ”、観葉植物周辺なら”キノコバエ”、排水周辺なら”チョウバエ”……と整理することができます。


熟した果物や生ゴミの周囲を飛び回っているなら、ショウジョウバエの可能性が高いでしょう。

この成虫のサイズは2mm程度で、色はちょっと黄色め。腐った果物や生ゴミの発酵した酸っぱい臭いに引き寄せられやすい性質を持っています。



外から入り込んだ成虫が、熟した果物や生ゴミなどに産卵するほか、すでに卵や幼虫がついた食品などを家に持ち込んでしまうことも。

夏場は卵から成虫になるまでの期間が短いため、留守中などに一気に増えてしまうことがあります。

なのでショウジョウバエを見つけたら、まずは発生源(生ごみ、傷んだ野菜や果物、飲み残し、空き缶や空き瓶など)を取り除くことが先決。発生源をなくせば、新たな繁殖を防ぐことができます。



それでもまだ飛んでいる虫がいる場合、その退治法は、”酸っぱい臭い”でコバエ誘引を謳う市販の誘引剤(※対象となるコバエの種類は製品表示を確認)を仕掛けたり、お手製の「めんつゆトラップ」を仕掛けて、飛び込ませること。



めんつゆでなくても、飲み残しのお酒やジュース、お酢などでも構いません。使い捨てられるプラカップなどに注いだら、食器用中性洗剤を数滴垂らして液体の表面張力を壊しておきます。そうすることで酸っぱいニオイに呼び込まれたショウジョウバエが溺れ死ぬ仕組みです。



ただし誘引剤やトラップ、子どもやペットの誤飲には要注意。またそれ自体の腐敗のリスクがあるため、設置後は長期間放置せず、数日を目安に廃棄しましょう。




お風呂場やトイレに出る”コバエ”の正体、その退治方法は?



その昔、トイレに出るハエといえば体長1センチ近くある大型でギラギラしたキンバエやギンバエなどと呼ばれるハエでした。

でも令和の「住宅街」の戸建てや「集合住宅」(アパート、マンション)住まいでは、そんな大きいハエ、ほとんど目にする機会は、ないかも知れませんね。

近年トイレに出る、トイレだけではなく洗面所やお風呂場に出る“コバエ”といえば、”チョウバエ”です。



老眼だとよく見えないんですけど、小さなものに強い目を持っているなら、よーく見て……逆ハート型の羽を持つ、2〜5ミリの小さな小さな、細かく飛ぶ虫です。ちょっと灰色から茶褐色っぽい色をしています。



このチョウバエ、暗くて湿って、ヌメリ(スライム状のヘドロ)の溜まるような場所に生息して、産卵、繁殖します。

チョウバエが何匹も出る場合、家の外から次々飛び込んできているというより、浴室や洗面所などのどこかにこの「発生源」ができている可能性をまず疑ってください。

折悪く「そこ」が繁殖に適した状態のまま続けば、卵から成虫までのプロセスを経て、大発生してしまうことがあります。



チョウバエの退治法、とにかく1、2匹でも飛んでいるのを発見したら発生源を突き止めること。どこからやってきているか、どこに多くいるのか。気は進みませんが、歩みを進めましょう。


発生源になりやすい場所の一つが、浴槽下。そのほか、洗濯機の排水口や排水トラップ、洗面台の排水口やオーバーフロー穴など。



これらの箇所のヌメリ掃除が重要です。


ただこういった場所、いわゆる漂白剤(塩素系の漂白剤、カビ取り剤)を流すだけでは、ヘドロまでを剥がし切ることは難しい。
粘り気のあるパイプ洗剤を使う、あるいはその成分を濯ぎ切った後、ブラシ等で物理的にこすり落とすことが根本対策になります。




掃除しているのに”ゴキブリ”はどこから来るの? 

ゴキブリといえば黒くて大きくて平べったい虫、というイメージがありますが、ゴキブリには茶色く小ぶりな”チャバネゴキブリ”などもいます。黒く大きなゴキブリだけをイメージしていると、ゴキブリだと気づかないこともあります。



いやいやでも、お掃除してるんですよ。


お掃除、しているのに出てくる……?
どこから来るんですか?



家に突然ゴキブリが…! その意外な侵入口とは?

オーソドックス(?)な侵入口としては、



・玄関(開いたドアからすんなり入ってきます!)

・窓(サッシのわずかな隙間があれば入ってきます!)

・ベランダ(集合住宅などお隣伝いに入ってきます!)

などが挙げられますが、実はゴキブリ、こんな意外なところからも侵入してきてしまうんです。


エアコン室外機から延びた白いドレンホースのクローズアップ。コンクリート床に設置。

・エアコンのドレンホース(まさかと思いますが……)


・24時間換気口(隙間があれば……)


・レンジフード(屋外につながる排気経路があります)


・宅配便やスーパーでもらった段ボール(隙間に潜んだ虫や卵を持ち込む可能性も)


・植木鉢(水受け皿や、鉢カバーが棲家に)


・中古家電(電子レンジなど食べ物関係が危ない)


などなど。びっくりしますよね。


ゴキブリの侵入経路対策は”並行して”

なので、とれる対策は、

・エアコンのドレンホースに防虫キャップをはめること


・防虫キャップをつける場合は、目詰まりしていないか定期的に確認すること

・家に入ってきた段ボールは、溜め込まずすぐに捨てること

・ベランダの植木鉢は、よくチェックして放置しないこと

・ブラックキャップ等の「毒餌剤」は、夏前の春〜初夏に設置しておくこと

・粘着トラップなどもキッチンの薄暗い場所に設置しておくこと



これらを、ぜひ「並行して」行うようにしてみてください。



大切なのは「虫が暮らしにくい環境」づくり

とにもかくにも、夏は気温が高く、虫たちのライフサイクルも短くなる季節。きれいに暮らしていても、外から虫が侵入したり、どこかで繁殖してしまったりすることはあります。

目の前を飛んでいる虫だけを退治しても、発生源が残っていれば、また出てきます。

大切なのは、「虫が出ない(ゼロな)家」を目指すことではなく、発生源をつくらない、侵入させない、「虫が暮らしにくい(増えにくい)環境」をつくること。


「虫が出る家=汚い家」ではないのです。


LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!

藤原千秋

CHIAKI FUJIWARA

住生活ジャーナリスト・ライター

大手住宅メーカー営業職を経て、家事のスペシャリストとして企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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