叔母夫婦の願いをつなぐ仕事──私が遺言執行人として体験したこと【LEE DAYS club ミワコ】
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LEE DAYS リーデイズ
2025.07.22
今回は、私が体験した「遺言執行人」という仕事について綴ります。
大学院時代の2年間、私は大阪に住む叔母(母の妹)夫婦の家に居候していました。子どもがいなかったこともあり、私が結婚して子どもが生まれた後も、まるで実の娘や孫のように、私たち家族を大切にしてくれました。
そんな二人から、話があったのは、まだ元気だった10年ほど前のこと。
「私たちが亡くなったら、すべての財産を(働いている)社会福祉法人に寄付したい。その手続きを手伝ってくれないか」
叔父と叔母は長年、児童養護施設のために、生活のすべてをかけて子どもたちの支援に尽力してきました。私はその姿を間近で見てきたからこそ、「もちろん、お手伝いします」と答えました。
それから数年後、叔母は乳がんで旅立ち、そして昨年、叔父も急性白血病で急逝。こうして私は、遺言執行人として、ふたりの遺志を実現する役目を担うことになりました(こんなに早くこの役目をする日が来るとは、役目を引き受けた時は、思ってもいませんでしたが)。
叔父の介護と看取りについては、こちらの記事に書きました。
離れて暮らす、一人暮らしの叔父(高齢者)の介護と看取り。【LEE DAYS club ミワコ】
■遺言執行人という仕事
遺言執行人とは、亡くなった方の意思を、法的に、現実の形として実行する人です。亡くなった方の財産の全容を確認し、未払いの費用があれば整理し、遺言に沿って正しく移転・分配する──そんな役割があります。
報酬をもらうためではなく、「誰かの想いを受け継ぐため」に動く、大切な仕事です。
叔父には法定相続人として兄がおり、その息子さん(叔父の甥)、そして、受け取る側の社会福祉法人の方々ともやりとりを重ねながら、少しずつ手続きを進めました。
義父が亡くなった際に、ひと通り手続きをしていたこと、前職時代に、成年後見人に関する仕事に関わっていたこともあり、やるべきことは理解していましたが、とはいえ、私は叔父の生活をすべて把握していたわけではありません。
何の支払いがあるのか、何が残されているのか、思った以上に分からないことも多く、戸惑いもありました。
不動産の遺贈は、叔父が望む形では難しく、社会福祉法人の方の意向を聞き、弁護士や司法書士の先生に伺いながら進めていきました。
また、遺言執行人の仕事の範囲について法改正があったことがあまり周知されておらず、遺言執行者である私の金融機関への振込を拒否されるなど、担当者に法律の説明をしなくてはならない場面もありました。
それでも、児童養護施設を運営する社会福祉法人の方々のご協力のおかげで、務めを果たすことができました。

■「元気なうちに話す」ことの大切さ
叔父と叔母は、生前から繰り返し、自分たちの想いを私や、周りの人に伝えていました。
「自分たちの財産は、子どもたちの未来のために使ってほしい」
その願いを、公正証書として正式に残し、相続人や関係者にも「遺言執行人は私である」と何度も伝えてくれていました。
その準備があったからこそ、私は叔父の死後、スムーズに手続きを進めることができたのだと思います。
……もちろん、手続き自体は簡単なものではありませんでしたが。
満点の結果だったかどうかは分かりません。でも、二人が繰り返し語ってくれた想いは、なんとか形にすることができたと思っています。
遺言執行人の仕事を終えてみて
今、私の手元に残っているのは、叔父と叔母の人生を綴った一冊ずつの冊子、そしてたくさんの思い出です。この本をめくると、叔父と叔母の人生がすべてまとめられています。


二人が家族として私に与えてくれた愛情や、子どもたちを思う気持ち、生き方は、これからも私の中で生き続けていくことでしょう。
今回は、私が体験した「遺言執行人」という仕事について綴りました。
「人生のしまい方」や「想いの残し方」を考えるうえで、少しでもどなたかの参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

暑い日が続きます。七夕の日は、水まんじゅうを作りました。白あんに梅ジャムを入れて爽やかに。今年は、織姫と彦星が見えるかな、と期待しましたが、曇っていて見えませんでした。また、来年の楽しみにしたいと思います。

ミワコ
49歳 / 岡山県 事務職
家族は、夫、思春期の息子2人(19歳、17歳)。2024年から、自宅の小さな茶室で、茶道をお伝えしています。季節の移り変わりや日々の小さな楽しみを、家族や周りの人と共有して過ごせるよう、暮らしまわりのこと、体や心を整えることが目標です。
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