早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届け!
【気が重い「キッチン換気扇」の大掃除】ラクに済ませる秘訣は実稼働10分の“プレ拭き”!
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藤原千秋
2024.11.28
「大掃除といえば、キッチン換気扇(レンジフード)」。どんな媒体のどんなアンケートを見ても、一番に「やりたい」「やるべき」と挙げられる、換気扇まわり。
でも、換気扇ほど掃除する前からウンザリした気分になる場所もありませんよね。
絶対すごく汚れているし、厄介なのもわかっている!
だから「先取り」。
間違いなく大変になりそうな掃除を、できる限りラクに済ませる秘訣は「プレ拭き」。
ご説明していきます。
ポイントは「弱アルカリ性」「たっぷり」&「温め」
用意していただきたいのは、以下のもの。
・「弱アルカリ性」の洗浄剤が染み込んでいる、使い捨ての掃除ウェットシート
・使い捨てタイプのゴム(ビニール)手袋…手荒れ予防と油対策
・(あれば)アームカバー
いずれも100円ショップないし、ドラッグストアなどのプライベートブランドで安価に購入することができます。
このシートは多めに用意して。かつ、できれば洗浄剤がたっぷり含まれているもの。
目安は、商品のうたい文句が「厚手」となっているものです。
具体的な「プレ拭き」の掃除方法は?
LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!
まずこのシートをしっかり「手」に持って、心持ち人肌で温めながら掃除します。
シートの持ち歩きの際、エプロンのポケットなどに入れて体温を移しておいてもいいですね。
弱アルカリ性のウエットシートは、温かいほど油気の汚れ落ち効果が高まります。
このアルカリからの手の保護に、使い捨ての手袋は装着推奨。寒い季節なので、長袖の服の袖が油で汚れると厄介、ぜひアームカバーもつけてみてください。掃除のストレスが激減しますよ。(通常のゴム手袋の場合は、手袋自体が結構汚れてしまうので、手袋洗いの手間が加わります)。
さあ、その上で「気合を入れずに」手が届くところからどんどん拭いていきましょう。
換気扇のスイッチまわり、レンジフード(換気扇カバー)の手前などのほか、冷蔵庫の前面や周囲の壁、キッチンキャビネットの扉面や、炊飯器、電子レンジ、トースターなどなどキッチン置きの家電周囲も「換気扇汚れ」と同じ種類の汚れ方をしています。
気分としては雑に、で大丈夫。手当たり次第ざーっと拭いて行きましょう。
汚れのこびりつきがひどいところには、シートをぺたぺた貼り付けるように「湿布」し、他のところを拭いた後で、ゆるんだ汚れを拭きに戻る方式でもOK。
拭いたシートはどんどんそのまま捨てられますし、使い捨て手袋もくるっと裏返しながら外せば手に汚れが残ることなく、別の作業に移れます。
そんなこんなで実稼働10分弱?
こんな「プレ拭き」を、ウエットシートのパックの中身がなくなるまで数回繰り返しましょう。
すると……アレ? 結構、キレイになっちゃってる……のに、気づくはず!
換気扇掃除のおすすめは? ウエットシートの選び方
さて、このような「ウエットシート使い」をご紹介する際、よく訊かれるのが「世の中に売られているウエットシート系の商品の種類が多すぎて、何を買っていいのかわからない」「せっかく買ったのに思ったより汚れが落ちないのはナゼ」といった、相談です。
実際100円ショップだけでも何十種類も並んでいて、目が泳いでしまうほど。「換気扇掃除用に買わなくちゃ…」と探すにも、「油汚れ用」「重曹入り」「アルカリ電解水入り」「アルコール入り」「除菌消臭効果」などなど、いろいろありすぎて何がベストかわかりにくいこと!
そんな時には、「掃除したい場所」「その場所の主な汚れ」を思い浮かべましょう。
今回のような換気扇周りの油汚れが主眼なら、前述した「弱アルカリ性の洗浄剤」が含まれている商品かどうかを、パッケージ裏の表示から読み取ります。
「重曹」「セスキ炭酸ソーダ」「アルカリ電解水」など油汚れに効果がある商品には「弱アルカリ性」という文言があるので、それでよし。
「アルコール」を全面に出している場合は、基本的にはその「速乾性」(揮発性)に効果を見出すべきなので、水濡れが残らない箇所に向いていると判断します。加えてカビや細菌の除菌効果なども。つまり油汚れにはあまり関係ないですね。
「クエン酸」に至っては油汚れ効果はないので、選ぶべきではありません。
「界面活性剤」は添加されている方が汚れ落ちはスムーズですが、ウエットシートにはマストではないので参考程度に。
ちなみに、私自身も(もう成人してしまった)子どもの赤ちゃん期などには「おしり拭き」が大量に家にあったため、「おしり拭き」が水拭き掃除全般のオールマイティー、万能の最適解だと思っていた時期があります。
実際、ちょっとしたテーブル拭きやホコリ拭きなどには、成分の優しい(水99%など)ウエットシートは無難で多才でした。
でも、油汚れにマッチするかというと、はてな? おしり拭きの水分で細菌が増えないための除菌剤(塩化ベンザルコニウムなど)は若干添加されていることが多いものですが、その除菌効果をもって掃除に対応できるかといえば、それもはてな? です。
ところでもちろん、ウエットシートは石油製品ですし、とにかく使い捨てはよくない、という考え方もあるので、そんな場合には古タオルや古Tシャツを切って「ウエス」にし、密閉容器などにセスキ炭酸ソーダ溶液を作って浸して作る「手作りウエットシート」を用意して掃除するような方法もあり。
何にせよポイントは、やっかいなキッチン換気扇の掃除も、ライトな「プレ拭き」をリピートすること!
「アレ? 綺麗になっちゃってる……大掃除、もうしなくていいかも!?」
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藤原千秋 Chiaki Fujiwara
住生活ジャーナリスト、ライター
掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。