離れて暮らす、一人暮らしの叔父(高齢者)の介護と看取り。【LEE DAYS club ミワコ】
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LEE DAYS リーデイズ
2024.11.25
9月末、大阪で一人暮らしをしていた叔父(81歳)を見送りました。叔母が乳がんからの肺転移で亡くなってから4年半。6月初めに倒れ、急性骨髄性白血病と分かってから、約4ヶ月の闘病生活でした。
叔母夫婦には、子どもがなく、叔母の姉の子である私が、遺言執行人として支える立場にいました。
叔母を見送った際の記事はこちらです。
先日、国立社会保障・人口問題研究所が、都道府県別の世帯数の将来推計を公表しましたが、一人暮らしの高齢者世帯は、今後も増えていくとのこと。2050年には、高齢者の1人暮らしの世帯が全体の20%を超える、5世帯に1世帯が高齢者の1人暮らしになる道府県が32にのぼるという推計がまとめられたとのことです。
私の周りでも一人暮らしの高齢者は思い浮かぶだけでも多くいます。近くに住んでいれば、まだできることがあっても、物理的に離れて住んでいると、できることが限られるのではないかと思います。
今回は、岡山と大阪で離れて暮らす中での介護と看取り、その後の手続き等の体験を記します。これから介護をする方に参考になれば幸いです。あくまでも個人の見解であることをご了承ください。
1.日常生活の支援は人にお任せして、家族にしかできないことをする。
6月の入院の際、叔父が救急搬送された病院では、入院セット(入院・入所生活に必要な衣類やタオルのレンタルと紙おむつや日常生活用品の提供を組み合わせたサービス)が利用できたので、1か月半の入院期間に4回通いましたが、家族としては、入院手続きをするためと、退院の際の付き添いで大丈夫でした。
叔父は、自分の意思がはっきり表明できたため、その後の治療方針については叔父が自分で決めて先生と話をしていました。認知症等で意思確認が難しい場合には、また違う対応を求められると思います。
ただ、自宅で倒れ、救急搬送後に、病名(急性骨髄性白血病)が判明した際、抗がん剤治療をするか、しないか、の最初の大きな決定は、私も一緒に先生の話を聞いて決める形をとりました。当初、「治療は一切しない!」というスタンスを取った叔父でしたが、「やり残したことがあるのでは?長年の児童養護の実践、教鞭を取ってきた内容を本にする時間が必要なのでは?」と問いかけ、話し合い、抗がん剤治療を受けることを決断しました。
自宅に届く郵便物や必要なものを届けるなど、支援してくれる人がいたこともあり、日常生活の支援は、支援してくださる方にお任せする形を取りました。
抗がん剤治療を1クールした後、少し動けるようになったこともあり、在宅に戻りたいという希望が強く出たので、要介護4の認定を受けた上で、7月中旬に家に戻りました。
介護サービスは、要介護認定を受けた高齢者や障害者など、介護を必要とする人が利用できるサービスです。介護保険に基づいたサービスを総称して、「介護サービス」といい、ケアマネジャーと呼ばれる利用者が使うサービスを調整する役割を持つ方が、その人に必要なサービスを組み合わせてくれます。
叔父の場合、最初は週2回の家事サービスと、配食サービスを利用し、週に1回、通院を行う生活を始めました。しかし、生活のすべてを賄うことはできないので、そこも支援してくれる方が補って下さることで、叔父は介護サービスを受けながら在宅生活が継続できました。
しかし、8月中旬から、体調が悪くなり、通院が難しくなったことで、在宅医療のサービスに切り替え、介護サービスの種類も量も、増やすことになりました。
2 介護・医療サービスの支援者と連携する。
正直なところ、支援者との連携については、反省を含みます。
8月中旬に、在宅医療に切り替えた後、私も、家族や仕事があり、訪問が難しかったのですが、メールや電話のやり取りでは、「なんとかやってます。皆さんがよくやってくれるので大丈夫」という言葉ばかりで、状態が悪くなっていたのが伝わらないままだったからです。私が忙しいのをわかっていたので、遠慮したのだと思います。
支援してくださる方と連絡は取っていましたが、叔父の意向どおりに動く方であったこともあり、私が知りたい情報は入ってきていませんでした。
ケアマネジャーさんから、状態がかなり悪くなっていると連絡が入ったのは、9月に入った頃でした。固形物は食べられなくなり、起き上がりも難しくなっていて、在宅生活の継続は難しいと支援者は思っているが、本人(叔父)は家での生活継続、家での看取りを望んでいました。
その後、支援者の方と連絡を取りながら、叔父がもし望めば、施設にすぐには入れるように手配し、亡くなる前に、家族で会いに行くこともできました。結果的には、関東から夜の見守りに来てくれた叔父の従弟が来てくれた夜、叔母の月命日の日に亡くなったので、叔父が望んだとおり、家族に看取られて、家で亡くなりました。
介護、在宅医療のサービスとを組み合わせながら、在宅での生活ができたのは、近くで毎日見に来てくれ、支援してくれる人がいたからだと思います。やはり介護や在宅医療のサービスだけでは、在宅での看取りは、難しいんだなということを感じました。
3 家族の協力に感謝すること。
叔父の死後、遺言執行人である私は、叔父が働いていた児童養護施設(社会福祉法人)の方々と一緒に、叔父の遺言に沿って、火葬と散骨式を行いました。
(1)葬儀はしない。骨は、叔母が眠る、児童養護施設(社会福祉法人)の桜の木の下に散骨すること。
(2)残った遺産(不動産であるマンション含め)は、全て、自分が働いてきた児童養護施設(社会福祉法人)に遺贈する。
葬儀をしないとはいえ、火葬の前には、叔父を父親のように慕ってくれた児童養護施設の卒業生たちや、児童養護施設を共に支えてきた元職員さんたちなど、たくさんの方に弔問に来ていただき、火葬の一月後に行った散骨式(社会福祉法人が執り行っていただきました)の際にも、会場の椅子が足りなくなるくらい大勢の方に来ていただきました。
叔父に会いに来てくださった方から、皆、口をそろえて「本当にお世話になったんです」と言われました。率直で、温かく、社会的に弱い立場の人に常に心を向けてきた叔父。私にとっても、第二の親のような存在で、本当にお世話になりました。
叔父は、闘病していた4か月の間に、長年の児童養護の実践内容を本にすることができ、散骨式の時には、来てくださった皆様にお渡しすることができました。周りの方々の協力があったからこそできたことです。
私は、遺言執行人として、役所や金融機関、弁護士の先生、社会福祉法人等とやりとりをして、叔父の財産の遺贈の手続きをしています。
介護中も死後の手続きも、自分や家族の生活は続いていくので、家族の協力がなくてはできません。
家族は、叔父のことで動く私を、快く送り出してくれました。夫は、駅まで送迎してくれ、長男は、ごはんを作って待っていてくれたりしました。それぞれ仕事や学校があり、一緒に動くことはあまりありませんでしたが、私が介護や手続きのため、大阪に行くのを見守ってくれました。大阪に住む弟家族も、叔父の見舞いや退院等、何度も車を出してくれました。
何かもっとできたのではないか?どうすればよかったのか?正直わかりませんが、介護に正解はなく、家族で話しながら、その時その時の最適を取るしか道はないのだと、改めて感じています。
2014年に叔母の乳がんが発覚してから、ずっと気がかりで、叔母が亡くなってからも、叔父のことがずっと気がかりだったので、今は二人で天国で「お疲れ様」、と笑っているといいね、と家族で話しています。
今回は、岡山と大阪で離れて暮らす中での介護と看取り、その後の手続き等の体験を記しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ミワコ
48歳 / 岡山県 事務職
家族は、夫、思春期の息子2人(18歳、16歳)。茶道、お菓子とパン作りが趣味です。今年は、体幹を作りたくてピラティスを始めました。家族と、日々の小さな楽しみを共有して過ごせるよう、暮らしまわりのこと、体や心を整えることが目標です。
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