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LIFE

「行き渋り」「不登校」その後の選択

何に悩んで、どの居場所を選んだ?を継続取材

【不登校・行き渋り】今 じんこさんに聞く “行き渋り”のその後、どうですか?

2024.09.07

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何に悩んで、どの居場所を選んだ?を継続取材

「行き渋り」「不登校」その後の選択

子どもの学校への“行き渋り”と“不登校”は増加傾向に。特に夏休み明けは、悩む親子が多いといわれています。大反響だった昨年10月号に引き続き、今回は行き渋りや不登校になってからの親のサポート、学校以外の居場所探しなどを中心に取材。経験者の葛藤やリアルな選択は、いざというときに参考になるはず。

「行き渋り」とは?

病気や経済的な理由以外で、年間30日以上欠席すると「不登校」と認定。欠席日数が30日には満たないものの、頻繁に学校に行きたくないと言ったり、登校はしても教室に入れず保健室や別室で過ごすケースなどが「行き渋り」に。「登校渋り」「不登校傾向」とも言う。

’23年LEE10月号の「行き渋り」特集が \読者に大反響!/

’23年10月号の「行き渋り」特集が読者に大反響!
LEE2023年10月号「突然子どもの“行き渋り”がやってきた!」

LEE2023年10月号「突然子どもの“行き渋り”がやってきた!」

  • 子どもの不登校で悩んでいるママ友が多いので、そんなママさんたちにぜひLEEを紹介したいと思いました

LEEメンバー まこちんさん

  • 学校に子どもを嫌々行かせたくはないけれど、そのままでいいのかというジレンマを抱えたお母さんたちの心配に寄り添ってくれるテーマ!

LEEメンバー スズさん

  • 学校がすべてではないとわかっているのに、子どもが学校に行かないと焦る気持ちは何なんだろうなと考えるきっかけに

LEEメンバー みゆさん

  • 「不登校になった後の相談先リスト」が載っていたのがよかった。昔より相談窓口が増えた分、知らない人も多いのでは。重要な情報だと思うので、同じ悩みを持つ多くの方に知ってほしい

LEEメンバー みなみさん

行き渋りの“その後”を知りたいという声にこたえます!

前回取材した、行き渋り中のお子さん&ママその後は?

前回取材した、行き渋り中の3名のお子さん&ママその後は?

不登校ジャーナリスト 石井しこうさんの「不登校中学生の約85%は高校進学」という解説が励みになったとの声も

前回紹介した不登校生の高校進学率には驚きの声が。正しい情報を知るだけで、安心や励みになることもあります。

行き渋りの“その後”を知りたいという声にこたえます!

昨年インタビューした今 じんこさんに聞きました

“行き渋り”のその後、どうですか?

昨年、子どもの行き渋りで悩んでいた今 じんこさんに再度取材。学校以外の居場所を柔軟に活用したり、また登校するようになったりと、それぞれの展開が。

Afterwards
わが子の年齢や興味に応じて家庭学習と居場所をハイブリッドで

今 じんこさん

『学校に行かない君が教えてくれたこと』著者

今 じんこさん
(長男 現在小学6年生)

小6と小3の兄弟の母。著書『学校に行かない君が教えてくれたこと』(オーバーラップ)では長男が行き渋りから、学校に行かない選択をするまでを描く。

『学校に行かない君が教えてくれたこと』
LEE2023年10月号より

LEE2023年10月号より。入学直後に始まった息子さんの行き渋りと、学校に行きたくないわが子を受け入れられない今さん。親子の葛藤が伝わりました。

家庭教師、ICT教材、フリースクールに塾も活用

家庭教師、ICT教材、フリースクールに塾も活用

今さんの長男は小1から行き渋りが続き、小2の夏休み明けから完全に不登校に。無理をして学校に通った息子さんは疲弊し、付き添い登校などを続けた今さん自身も体調をくずしたことから、まずは休むことを優先したと言います。

「しばらくは新たな居場所も探せなかったのですが、行き渋りを始めた頃から家庭教師に来てもらっていたんです。当時から息子と学校がマッチしていないのはわかっていたので、ほかにも学ぶ場所や信頼できる大人とのつながりができればと思って。リサーチすると子どもと先生の相性がすべてだとわかり、5社ほどに来てもらい、息子がピンとくる先生を探しました。完全に不登校になってから新たなつながりを作るのはしんどいので、この選択はよかったなと思います」

その後は、さまざまな方法や居場所を活用することに。

「4年生からはICT教材(タブレットやPCを活用した教材)での学習にはまりました。学校に登校しなくても、ICT教材等を利用した家庭学習で出席扱いになる制度が文科省によって定められています。わが家もこの出席認定を利用し、息子の自己肯定感がアップしました。出席認定を得るためにと親が前のめりになるのはよくないかと思いますが、子ども本人の希望での制度利用はとてもよいと思います。
6年生の現在は、複数のサードプレイスや、自分のペースで学べる個別指導塾にフィットして楽しく通っています。“ハイブリッドスクーリング”という言い方もあるように、一つに決め込まず、家庭学習をしながら、その時期に合った居場所をあれこれ活用していい。息子にはこのかたちが合っているみたいです」

タイミングを見て、わが子に合った選択肢を提示していく

ちなみに、学校とは連絡をとっているのでしょうか?

「最初の1年間は体調不良もあったので最小限でしたが、今は息子が興味のある校外学習には参加したり、放課後に学校へ行って先生とお話ししたり。図書室で本を借りることもあります。息子には学校の仕組みや学習方法は合わないけれど、人や学びは好きだし、参加したい行事もある。傷が深い場合は距離をとることも大事ですが、学校と柔軟につながることで助けになる面も多いです」

あらためて、“その後”の選択の際に今さんが気をつけたこととは。

「親は学校に行かないなら代わりを、と焦ってしまうのですが、休息期間は絶対に必要なので、何もできない時期は無理しないこと。徐々に元気になってきたら、学校以外の学びや、居場所の選択肢を伝えました。合わない場所や方法もたくさんありましたが、トライアンドエラーを繰り返して進んできました。1年前の息子には刺さらなかった居場所が、今の彼にはぴったり、みたいな変化もたくさんあって。本当に難しいことなのですが、子どもの様子を見てよく話して、押しつけるのではなく、そのときのわが子に合った選択肢を提示できたら理想的かなと。今は小6なので、今後の進路について現実的な話をしたり、一緒に学校見学などにも行っています」



まとめ

  1. 不登校初期は休息も必要。居場所探しを急がない
  2. 学校との関係も断絶せずゆるくつながっておくのも○
  3. 子どもに合うタイミングで選択肢を伝えていく

Staff Credit

イラストレーション/pum、今 じんこ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2024年LEE10月号(9/6発売)「「行き渋り」「不登校」その後の選択」に掲載の記事です。

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