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初心者も自分でできる!「墓掃除」の仕方と道具【洗剤は不要/熱中症にも注意】

  • 藤原千秋

2024.07.25

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お墓 墓掃除 掃除 掃除法 お盆

もうすぐお盆。墓掃除をしなきゃなぁと思っている方も少なくないのではないでしょうか。
慣れている人には当たり前でも、大人になってから初めてするという人も少なくない「お墓のお掃除」。

やり方を家族などから伝授されないまま当事者になると、わりあい途方に暮れます。
実は私自身も50歳近くまで掃除法を知らず、レギュラー出演しているラジオ番組で取り上げるため墓石の会社に取材、学ばせていただいた次第。

もちろん地域性や宗派によってなど掃除の流儀に違いはあると思いますが、近年100円ショップにもお墓コーナーができるなどニーズの高まりを感じるテーマ。
この機会にぜひ基本を押さえておいてください。

お墓掃除の流れ・持ち物

立地や規模などによって差異はありますが、ざっくりとした墓掃除の「流れ」は以下のようなものになります。

STEP1)草むしり、落ち葉やゴミ拾い
STEP2)墓石(竿石)や台座の水拭き(水洗い)
STEP3)花立、香炉の水洗い

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「持ち物」としては、以下のようなものがあると便利です。

・45Lゴミ袋
・バケツ
・柄杓
・水
・薄手のタオル
・スポンジ
・長い柄のついたコップ、ボトル洗い
・ポリウレタンコーティングされたグローブ
・軍手
・小さな鎌、熊手
・剪定ばさみ
・小さい箒、ちりとり
・カッターの刃

お墓の大きさや構造に応じて、やるべき内容、必要な時間等は異なります。
バケツや熊手など墓地などで貸し出しされているものもあります。
できるだけ前もって条件等を調べておき、無理のないお墓掃除の計画を立てましょう。

STEP 01

草むしり、落ち葉やゴミ拾い

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草ぼうぼうになっているお墓。身内としては、ややショックですよね。
草むしりはできればしておきたい作業です。

ただし無理のないように、できるだけ短時間に済ませるには、軍手よりもポリウレタンコーティングされているグローブの使用がマストです。掴んだ草が滑らず効率が良い上、泥が爪に入るのも防止できますし、虫刺され予防にもなります。

小さな鎌や熊手があると根の張った雑草抜きが省力化。ただしくれぐれも隣の区画に入り込んだり、石に登ったり倒したりしないように注意しましょう。余談ですが草の多いところに行く際、身につける衣類にはフローラルなどの香料をまとわないようにしましょう。虫が寄ってきやすくなります

落ち葉や大きなゴミなどは拾い、広域ならほうきで掃きます。植木が隣の敷地などに入り込んでしまった場合は適宜、剪定ばさみで刈り込んでおきます。
草や木の枝はゴミ袋に入れて必ず持ち帰りましょう。

STEP 02

墓石(竿石)や台座の水拭き(水洗い)

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バケツに水を汲んで薄手のタオル等の布を浸して絞り、墓石などを水拭きしていきます。石の変色等の恐れがあるため洗剤は使わないように。基本的に、石は水のみの使用で掃除を行います。

広い部分は柄杓で水を汲み、水を流しながらスポンジの柔らかい部分で擦り、タオルで拭きます。細かな部分は、軍手をはめた手を濡らして指先などを使って拭き洗います。

黒い石に固着した白い水垢がどうしても気になる場合には、寝かせたカッターの刃で水垢だけ削り、すすぎ流します。濡れた墓石は乾拭きをします。



STEP 03

花立、香炉の水洗い

雨水などが溜まりがちな花立は、奥の方まで汚れていることが多いので、100円ショップなどで売られている長い柄のついたコップ・ボトル洗いを使い、しっかり水洗いしましょう。
香炉も取り外しが可能な場合は水洗いを。

お墓掃除で注意すべきこと

・熱中症対策は万全に

久しぶりのお墓掃除に訪れるお盆の季節は、夏の真っ最中。たとえ早朝でも陽が出ればあっという間に気温が上がり、かがんだり下を向いて集中しがちなお墓掃除は、熱中症リスクの高い行為
特に雑草の生えにくいコンクリート打ちや砂利敷きの墓地の場合、夏場は蓄熱しやすく、危険です。

帽子の着用、首の保冷、適切な水分摂取と休養、複数人での作業にするなど、熱中症対策はくれぐれも万全に。体調に不安がある場合は、秋のお彼岸くらいまでお墓掃除を先送ることも検討しましょう。

・石の性質はいろいろ

庵治石(あじいし)、本小松石、真壁石、みかげ石など、石の種類や産地、磨き方や置かれてからの年数、置かれたお供えやお花の影響等によって墓石、墓地の汚れ方には違いが生じます。どんなに掃除を頑張ってもピカピカにはできないこともあります。
普段の暮らしではこのような石にはあまりなじみがないものですが、お墓に使われている石の種類は把握しておき、その性質を知っていた方が、掃除をしすぎて傷めたりせずに済むかと思います。

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最後に個人的なお話を。
近年立て続けに両親ともを喪主として見送った私は昨年末、小さなお墓を買いました。

両親と妹の入るお墓は、長考とご縁の結果、自宅から10分程度で訪れられるお寺の樹木葬(墓石はごく小さなもの)になりましたので、実は上記のようなちゃんとしたお掃除の必要はなくなりました。
こちらは約50年後に合同墓地に改葬される契約なので、私の子どもたちに管理を引き継ぐこともありません。
正解かどうかはわかりませんが、私にできる最適解はこのような形になりました。

いろいろなことに敷衍(ふえん)できることですが、物事に手をかけることは尊い一方で、私たちが物理的にできることには限りがあります。どこかで折り合いをつけなければいけないことができた時、自分は何を大事にして生きていくのか、はっきりさせなければいけない時も訪れることでしょう

散骨などの選択肢も、当たり前にある時代になりました。
どうか真夏のお墓参り、お墓掃除中の熱中症で倒れるようなことのないよう、くれぐれも気をつけて行ってください。


LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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