寝ないとどうなる?“睡眠”の大切さを見直そう
【忙しい人ほど実は寝ている?】睡眠のエキスパートに教わる“いい睡眠”とは
2024.06.13
アクティブで忙しい人ほど、実は寝ています
“睡眠最優先”な人になる!
夜更かしして残った家事をしたり、自分時間を過ごしたりというLEE読者も多いはず。でも、さまざまな取材を通じて、LEEまわりのアクティブな人ほどちゃんと睡眠を取っていて、だからこそパワーがみなぎっていることが判明! あらためて“睡眠”の大切さを見直してみましょう。
LEE100人隊は睡眠不足に悩んでます……
- 早朝にトイレに行きたくなり目が覚める。それから二度寝できなくてモヤモヤ……。
TB なっちんさん
- 9歳の息子とセミダブルで添い寝なので、狭すぎる! 年齢的に一度離れたけれど、息子の希望でまた一緒に……。さらにネコも毎晩添い寝のため、夜中におふとん入れて~と必ず起こされます。
TB mieさん
- 8時間は睡眠を取りたいけれど、6時前に起きようと思うと21時台には寝なければならず、仕事と子育てに追われていると難しい。日々少しずつ睡眠不足が積み重なっています。
TB humさん
- 睡眠時間は取っているつもりでも、朝起きて体がだるかったり、肩や背中が凝っていたりすることがあります。
No.018 キッキさん
教えてくれたのは
柳沢正史さん
Masashi Yanagisawa
筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 機構長
睡眠の仕組みを解き明かす研究に長年携わる。1998年に睡眠・覚醒を制御するオレキシンを発見。テキサス大学の教授などを経て、2012年に筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構を設立。株式会社S’UIMIN代表。
睡眠のエキスパートが解説
「いい睡眠」とは? 寝ないとどうなる?
ショートスリーパーは極めてまれ。まずは睡眠時間をしっかり確保しましょう
睡眠研究の第一人者で、情報発信も行う柳沢さん。そもそも“いい睡眠”とはどんな状態を指すのでしょうか?
「“ノンレム睡眠”の中でも最も深い“深睡眠”が安定して取れていて、一方で夢を見る睡眠である“レム睡眠”も安定して周期的に取れていること。ノンレムやレムなどの睡眠のステージが頻繁に変化せず、安定しているのがいい睡眠だと言えます。よく寝入ってから数時間のノンレム睡眠が大事だと言われますが、それと同じぐらい、夜の後半で増えるレム睡眠も必要で、健康や脳のパフォーマンスにかかわりが。どちらもバランスよく取るには、睡眠時間の確保がマストです。私の感覚では、大半の人には7〜8時間の睡眠が必要で、いわゆる“ショートスリーパー”は極めてまれ。自称ショートスリーパーは、睡眠負債を抱えながら、本来のポテンシャルを生かせない状態で無理に活動していることになります」(柳沢正史さん)
睡眠が足りていないとこんな影響が。
「メンタル面での影響が大きく、うつ病になりやすいというデータがあります。また1日の摂取カロリーが増えて肥満や生活習慣病につながることも。年齢が上がると認知症のリスクもアップします。その影響ははかりしれないので、ぜひ“しっかり睡眠時間を取る”ことを実践してほしいです」(柳沢正史さん)
睡眠の質をアップさせるTips
部屋はできるだけ暗く
寝るときは部屋を暗くして。外が明るい、街灯が近くにあるような場合は遮光カーテンなどで調整を。寝室以外のリビングなども、100ルクス未満にして薄暗く。
朝まで適温を保つ
夏は涼しく、冬は温かく、できればエアコンをつけっぱなしで適温をキープ。睡眠への影響を考えると、寝入るときだけでなく“朝まで”を保つのがポイントです。
マンションなどでは換気も
機密性の高いマンションなどでは、閉め切った部屋で寝ると二酸化炭素濃度が上がり、睡眠の質が下がることも。換気口を使い、寝室のドアも開けて寝るのがおすすめ。
睡眠を可視化してみる
睡眠を可視化することで質もアップ。頭に紙のシールを貼り、デバイスに接続するだけで可視化できる睡眠測定サービスも。「InSomnograf」(www.suimin.co.jp/)
Staff Credit
イラストレーション/とつかみさこ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2024年LEE7月号(6/7発売)「“睡眠最優先”な人になる!」に掲載の記事です。
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