駐妻ライター佐々木はる菜の 海外で見つけた「暮らしのヒント」Vol.17
アルゼンチン駐妻が現地若者に声をかけられるほど!知られざる「日本ブーム」と人気の理由
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佐々木はる菜
2024.01.21
アルゼンチン駐在でびっくり!街なかに溢れる日本カルチャー
皆さんは今、アルゼンチンで日本が大人気だということをご存知でしょうか?
私はブエノスアイレスで暮らすようになるまで全く知らず、もはや一過性のブームに留まらない日本文化の浸透ぶりは、こちらに来て大変驚いたことの一つです。
地球の反対側の街なかに溢れる日本カルチャーや、日本好きの大学生との交流など、今回は私が現地で日々実感している日本人気ぶりについてお届けします!
「日本カルチャー=おしゃれ」というイメージ
まず最初に驚いたのが、街で日本の漫画や関連グッズが本当にたくさん売られていること!
漫画については現地書店チェーンにも「MANGA」コーナーがあるなど、「毎日何かしら日本のものを見かける」と言っても過言ではありません。
おしゃれな雑貨屋さんに入ったら、日本の切手や食べ物をモチーフにした雑貨が並んでいたり、インテリアショップの壁一面に着物の美人画のような絵がディスプレイされていたり…
ふと見かけたアパレル広告の写真が「SHIMOKITAZAWA」で撮影され、背景に「串カツ田中」の文字があった時は、ひとりで大興奮!
「寿司」「ラーメン」などをメニューに掲げる店も多く(日本のものとは違うと感じるものも少なくないですが…笑)日本食も大人気。 直接的に日本と関係なくても店名や看板などに日本語が使われてることも多く、ついつい写真を撮ってしまいます。
クレジットカードのサインのために名前を書いたら「漢字が素敵」と褒められ、紙に日本語を書いてくれと頼まれるなど、日本語や日本的なデザインはおしゃれだと捉えられているのかも?と感じることがよくあります。
親日の現地大学生と、我が家で「折り紙パーティー」!
そして先日は、日本に興味があるというアルゼンチン人の大学生たちが我が家に遊びに来てくれました!
この中の一人は、同じマンションに住んでいる大学生の女の子。
以前から私と話してみたかった、もともと日本が好きで今度大学のプレゼンテーションで日本について発表したいと考えている、と声をかけてもらったことが知り合ったきっかけです。
私にとってもうれしい出来事で、話すうちにプレゼンのお手伝いをすることに。
そこでプレゼングループの皆さんをお招きし、子どもたちと一緒に折り紙を教えることになりました。
せっかくの機会なので、近所のお友達ご家族や、こちらで寿司店を経営する友人にもお力を借り、お寿司や羊羹、日本茶など簡単な食べ物も用意しました。
地球の反対側に住む若者が自分の国に興味を持ってくれていることは当然ながらとても嬉しく、また我が子たちにとっても大変貴重な機会になりました。
大学生ということはおそらく私の半分くらいの年齢で、もはや自分の子どもたちに近い存在。微力ながら海外で若い世代の役に立てたことも嬉しく感じました。
日本人気を生み出す「アニメ」の力、やっぱりすごい!
今や世界中で人気の日本の漫画やアニメは、ここアルゼンチンでも日本ブームの大きな立役者であることは間違いありません。
「アニメや漫画、そしてSNSなどを通して日本に興味を持つ人が増え、今や日本文化はカルチャーとして広く浸透しています」
そう話してくれたのは、日本に詳しい20代の友人です。
「私が日本のアニメなどを好きな理由は、ストーリーが奥深く、単純な戦いや簡単な勧善懲悪に留まらないところ。色々な人物やエピソードが繋がるなど、物語として素晴らしいと感じます。
実際、日本のアニメは子どもだけでなく幅広い世代の支持を集めています。例えばアルゼンチンで人気のTV番組司会者の定番スタイルは『アニメTシャツにジャケットを重ねる』というファッションで、『エレガントカジュアルスタイル』と呼ばれブームに。アニメの服やグッズを身に着けている子どもたちは多いですが、この組み合わせを真似る大人もたくさん見かけました」
アニメや日本文化への興味をきっかけに日本語を勉強したという彼女。外国語として学ぶのは難しいとされる日本語で、問題なく日常会話ができるレベルに達しています。
それだけ学びを重ねるほど「日本を好き」だと言ってくれる彼女の言葉や興味は純粋に嬉しく、日本語・英語・そしてほんのちょっとのスペイン語で一緒におしゃべりをするのは、私にとっても非常に楽しみな時間です。
一過性ブームではない!日本カルチャーの浸透ぶり
この日本人気はいつからあるのか気になった私。
そこで同世代の現地の友人に聞いたところ、そもそもアルゼンチンには日系人も多く、 有名な日本庭園があったり、毎年恒例の日本関連のイベントがあったりと、昔から日本へのイメージは悪くはなかったといいます。
今の30~40代が子どもの頃も、 例えば「姿勢や行儀を学ぶためにも良い」と空手や柔道の習い事に通う子がいたり、「キャプテン翼」や「ドラゴンボール」が放映され人気を集めたりしていたのだとか。
そして15~20年前、モデルや女優などの発信がきっかけで寿司などの和食がヘルシーだと注目されたこと、さらに2002年の日韓ワールドカップ開催時にアルゼンチン国内での日本についての報道がぐっと増えたことで、さらに日本への興味関心が盛り上がりました。
メディアを通し、日本の街の清潔さ便利さ、食べ物のおいしさ、親切な国民性などが伝わり、「これまでは遠い国というイメージしかなかったけれど行ってみたい!」と考える人が増加。さらにこの10年ほどのアニメ人気が加わり、日本人気は年々高まっていると話していました。
若い世代は「今のリアルな日本」へ興味関心
「アニメや映画を始め色々な日本のコンテンツを観る中で心惹かれたのが、今の日本の街並みや日常生活の描写です。食べてみたいものもたくさんあるし、建物や交通や色々なものが整然としていて便利そう。昔ながらの日本文化や歴史も気になるけれど、スカイツリーのような高いビルディングなども是非見てみたい!」
今回知り合った大学生のひとりはそんな風に話していました。
その一方で私は、街には築100年近い建造物も数多く残り、歴史ある建物を今でも大切に使い、そしてヨーロッパのような優雅な街並みの中、店先やカフェなどで人々が楽しそうに会話を弾ませているブエノスアイレスの独特の雰囲気も素敵だと感じます。
地球の反対側に生まれた、全く違う文化を持つ都市に住む同士が、相手の国に惹かれていることは面白いねと笑いあったことは、私にとって心に残るワンシーンとなっています。
私が高校生くらいまでは、例えば「サムライ・スシ・キモノ」といった昔ながらの日本のイメージを持っている海外の方が多かったと記憶しています。
でも、目の前の若い世代が興味を持っているのは、私たちにとっては当たり前の「今の日本の生活や毎日」。その大きなきっかけを作っているアニメや漫画というカルチャーの世界に広がるパワーを改めて実感すると共に、日本カルチャーを「いいね!」と思っている海外の方がこんなにいることを嬉しく感じています。
そして私が知らないだけで、もしかしたら他の色々な国でもこういうことが起こっているのかもしれないとも思いました。
日本から直行便はなく、飛行機で30時間以上かかる南米アルゼンチン・ブエノスアイレス。そこまで遠い場所だからこそ尚更、ここで目の当たりにした「日本人気」に、なんだか勝手にパワーをいただいています。
簡単に一時帰国することすらできず大変な時もあります。
でも貴重な機会に改めて感謝しながら、今ここに住んでいるからこそできることに、これからも積極的に挑戦していきたいと思います!
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佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。
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