LIFE

堀井美香さんの「聴きポジ」があなたの人生をラクにする

相手の話を聴くことの難しさを痛感しました

堀井美香さんが「聴く達人」になるまで…TBSアナウンサー時代の失敗、ママ友付き合いでも学びがありました

2023.11.20

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話すプロが聴く達人になるまでには、
紆余曲折がありました

「聴きポジ」マスター誕生ヒストリー

アナウンサーとしてキャリアを重ねる中で培われた“聴きポジ”のスキルですが、その過程ではさまざまな壁が。堀井さんのこれまでを聞きました。

堀井美香さん

お話を伺ったのは

堀井美香さん

アナウンサー

1972年生まれ。’95年TBSに入社し、アナウンサーとして活躍。2022年に退社、フリーアナウンサーに。

聴きポジのススメ 会話のプロが教える聴く技術

著書に『聴きポジのススメ 会話のプロが教える聴く技術』(徳間書店)『一旦、退社。~50歳からの独立日記』(大和書房)。

Podcast『OVER THE SUN』に30代・40代が大共感!

Podcast『OVER THE SUN』

堀井さんとジェーン・スーさんによるPodcast番組。’20年10月に配信開始し、月間リスナー数は約80万人とも。お2人の痛快な本音トークが魅力で、LEE読者にもファンが多数! 毎週金曜日夕方5時配信。

堀井さんの「聴きポジ」マスターへの道

入社したばかりの20代は失敗も多く、まだまだレベルは低め。20代後半からのママ友付き合いで新たな壁にぶつかり、40代以降は管理職としての“聴きポジ”の難しさも。

グラフ:聴く達人に! 「聴きポジ」レベル 22歳(20代前半) アナウンサーになり、聴くスキルを徹底的に学ぶ 20代半ば 大勢のチームでの仕事で、意見の聴き出し方を習得 24歳 結婚 25歳 第1子出産 20代後半 永六輔さんのラジオで相づちをしすぎて失敗も 28歳 第2子出産 20代後半〜30代 ママ友へのストレスにならない聴き方を試行錯誤 42歳 ジェーン・スーさんの否定しない聴き方に影響を受ける 44歳 管理職になり、部下に成長を促す聴き方の難しさを知る 50歳 フリーアナウンサーとして独立 51歳 遂に『聴きポジのススメ』を刊行

22歳(20代前半)

アナウンサーになり、聴くスキルを徹底的に学ぶ

20代半ば

大勢のチームでの仕事で、意見の聴き出し方を習得

24歳

結婚

25歳

第1子出産

20代後半

永六輔さんのラジオで相づちをしすぎて失敗も

28歳

第2子出産

20代後半〜30代

ママ友へのストレスにならない聴き方を試行錯誤

42歳

ジェーン・スーさんの否定しない聴き方に影響を受ける

44歳

管理職になり、部下に成長を促す聴き方の難しさを知る

50歳

フリーアナウンサーとして独立

51歳

遂に『聴きポジのススメ』を刊行


TBSのアナウンサーとして仕事をする堀井さんの様子

TBSのアナウンサーとして仕事をする堀井さんの様子。バラエティ番組、ラジオのMCアシスタント、ナレーションなど幅広く活躍。

入社して聴くスキルを習得、ママ友付き合いでも学びが

堀井美香さん カーディガン¥19580/シップス インフォメーションセンター(シップス エニィ × オールドダービーニットウェア) カットソー¥7150/ビームス 二子玉川(ビームス ボーイ) パンツ¥24200/ドレステリア 渋谷スクランブルスクエア店(ドレステリア) イヤリング¥71500/マリハ
カーディガン¥19580/シップス インフォメーションセンター(シップス エニィ × オールドダービーニットウェア) カットソー¥7150/ビームス 二子玉川(ビームス ボーイ) パンツ¥24200/ドレステリア 渋谷スクランブルスクエア店(ドレステリア) イヤリング¥71500/マリハ

実は学生時代は、あまり会話が得意ではなかったという堀井さん。TBSに入社して話すこと、聴くことのスキルを徹底的に学びます。

「学生時代はグループの中でも3〜4番手のポジションという感じで、話の中心にいるタイプではありませんでした。入社すると話すことはもちろんですが、『あなたたちは番組のホストですよ』と言われ、“聴くこと”もしっかり叩き込まれるんですね。インタビューの研修があり、相手が話したことからどの部分を引っ張り出して次につなげるかや、質問の仕方を検証したり。多くの人は会話の“間”を怖がると思うのですが『沈黙を恐れずに、その後にしぼり出される言葉を待つ』ということも習いました。社員なので、制作や営業など立場の違う方たちと大勢のチームで仕事をすることがあり、チームでの話の聴き方や雰囲気作りなども、実戦で学びましたね」

20代の頃は、こんな失敗も。

「永六輔さんのラジオでアシスタントを務めていたのですが、当時は“打てば響く”を目指し、永さんが話すすべての言葉に相づちを打っていました。ところがあるとき、リスナーの方から『お願いだから、堀井さんは黙ってください。私たちは、永さんの言葉を聴きたいんです』というお手紙をいただき、ショックで……。ただ永さんの番組なので、考えるとそれは当然のこと。自分の話の聴き方や相づちを見直すいい機会になりました」

ほかにも、仕事で出会った聴き上手な人たちから、多くの気づきが。

「『OVER THE SUN』で共演しているジェーン・スーさんは話すと元気になれる人。『それいいじゃん!』『あんたいいこと言う』などと全肯定してくれるので、気分が上がって話したくなる。聴き手として素晴らしいと思います。

20代後半で仕事と育児の両立に悩んでいた頃は、身近な上司に相談。上司は私の今の状況や思いを吐き出させて、そのうえでいくつもの選択肢を提示してくれて。しっかり話を聴ききって、受け止めてもらえたのがありがたかったですね。40代からは私自身も管理職になり、部下の話を聴くことや、コーチングの難しさを痛感しました」

一方で、プライベートのママ友付き合いでは、さらに“聴くこと”のスキルがアップしたそう!

「ママ友にはいろいろな人がいて、住んでいるところ以外、仕事や趣味などの個人的なことを明かしたがらないケースも。会話のここはあまり触れちゃいけないみたいな、暗黙のルールがけっこうあるんですよね。ママ友との会話は、中身というよりも、その場にいる人が円滑に交流することが大事なんだなと。みんながストレスなく、雰囲気がよくなるような聴き方、質問の仕方を試行錯誤しました。

さまざまな過程を経て50歳で独立。私の聴くスキルを評価してもらえて、著書『聴きポジのススメ』を出すことに。ずっと大事にしてきた“聴くこと”の大切さを伝えられるのはうれしいですね」



Staff Credit

撮影/田上浩一(人物) 佐藤健太(書影) スタイリスト/高橋美帆 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2023年LEE12月号(11/7発売)「堀井美香さんの「聴きポジ」があなたの人生をラクにする」に掲載の記事です。

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