本格的な冬の前に節電力を鍛えましょう!
高くなりがちな冬の電気代!覚えておきたい【節電】のポイントとは?節約のプロがアドバイス!
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LEE編集部
2023.11.02
今年も高騰!? 寒くなる前に備えたい
冬こそ電気代下げられます!
世界情勢や物価の値上がりにともない、今年の冬も引き続き電気代は家計に大きな影響を及ぼす懸念が……。一方で節電の効果を実感しやすいのも実は冬。節電・節約のプロのアドバイスで、今から節電力を鍛えましょう!
LEE100人隊のにが〜い思い出…
昨シーズンの冬の電気代、高かった~!
激動の世界情勢も影響して物価が高騰した昨シーズンの冬。いつもどおりに過ごしただけで青ざめる電気代の請求がきたあの冬が、今年もやってきます…
- 2LDK、家族3人で¥17000(No.008 すずさんさん)
- 4LDK、家族4人で¥27362(No.018 キッキさん)
- 4LDK、家族4人で¥18000(No.020 やまやんさん)
- 3LDK、家族3人で¥13696(No.038 さとささん)
- 3LDK、家族4人+猫2匹で¥17378(TB tokoaさん)
※2023年1月分の電気代
●冬の家庭における家電製品の、1日での電力消費割合
冬の電力消費の使用割合は、上位2つの「エアコン」「冷蔵庫」で半分近い割合を占める結果に。割合の多い部分を見直すことが、効率のよい節電のカギに!
※「経済産業省・資源エネルギー庁」のグラフを元に編集部で作成
※小数点第二位を四捨五入しているため、合計値が異なります
高止まりしそうだから、ポイントを押さえたい!
冬の電気代は暖房が3割以上! 上手に暖をとることが節電のカギ
昨年に引き続き、今年の冬も電気代が家計を圧迫する可能性大。なんとか抑える方法はあるのでしょうか。
「今は政府によって電気代の一部が補助されていますが、いずれは終了する予定。この先も電気代が値下がりすることは考えにくい状況です。ただ、暖房費が占める割合が大きい冬こそ暖め方の工夫次第で電気代を抑えられるので、実はチャンスの時期でもあります」と丸山さん。
ポイントは温度、そして湿度にもあると言います。
「夏と違って、靴下や腹巻き、上着など、服装で調節しやすいのが冬の特徴です。湿度を上げると体感温度が上がるので、洗濯物を室内干しにしたり、鍋料理をしたり、普段の生活で湿度を上げることもできます」(丸山さん)
そして、窓から暖気を逃がさないことも重要だそう。
「日中は太陽の光を取り込んで、夜は厚地のカーテンなどで断熱をすること。エアコンの省エネや自動モードを使っていない人も意外と多いので、あらためて機能を見直すのもいいですね。やればやるほど効果が現れるのが、冬の電気代です。実験感覚でトライしてみてください!」(丸山さん)
よかれと思ってやっているけれど…
この節電・節約術、合ってる? 間違ってる?
巷にあふれる節電ネタ、なんとなく取り入れていたこと、本当に効果ある? 正しい節電テクをおさらいしましょう。
エアコンの温度をこまめに変えています。節電になってる?
室温20℃をキープするのがベスト。オートモードもおすすめ
エアコンの設定温度を2℃下げると、9時間の使用で41円の差が出るとされています。「体感温度を頼りにするのではなく、室温計を置くなどして、室内を20℃に保つように設定温度を調節しましょう。それでも寒く感じるときは服装で調節を。室温を一定に保つオートモードを利用するのも節電効果ありです」(丸山さん)
エアコンはつけっぱなしがいいと聞き、外出時もオンのままです
30分程度の外出はつけっぱなしで。2時間以上空くなら消して
時間帯 | つけっぱなし | 外出時に「切」 | ||
---|---|---|---|---|
消費電力量 | 電気代換算 | 消費電力量 | 電気代換算 | |
日中 6:00〜18:00 30分程度の外出を5回 |
5.7kWh | 177円 | 8.9kWh | 276円 |
夜間 18:00〜23:00 2時間の外出を1回 |
3.4kWh | 105円 | 2.4kWh | 74円 |
空調メーカーが『24時間つけっぱなしにした場合』と『日中に30分程度の外出を5回、夜間に2時間の外出を1回、外出時に運転を切った場合』の電気代を検証した結果が上記。「30分程度の外出のたびに入切を繰り返したほうが、電気代がかかる結果に。一方、夜間の外出時は、運転を切ったことで電気代が抑えられています。2時間以上空くなら、エアコンを切るのがよさそうです」(丸山さん)
※電気料金は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電気料金目安単位」から1kWhあたり31円として計算
※小数点第二位を四捨五入しているため各合計値が異なります
※ダイキンのデータをもとに編集部で作成
食材はまとめ買いが増えました。でも冷蔵庫パンパンってどうなのでしょうか?
冷蔵庫は半分が目安。冷凍庫は詰まっているほうが◎
●冷蔵庫に詰め込まず半分にした場合
年間で電気43.84kWhの省エネ、
原油換算11.05L、
CO₂削減量21.4kg、
約1360円の節約
食材のまとめ買いをするのは賢い節約術ですが、冷蔵庫に物をぎゅうぎゅう詰め込むだけで、年間約1360円も電気代がムダに消費されている結果に。「反対に冷凍庫は物が詰まっているほうが電力消費を抑えられるので、下ゆでや小分けなど、冷凍保存を積極的に!」(丸山さん)
※1kWhあたり31円として計算
出典:経済産業省・資源エネルギー庁
炊飯器の保温は電気代がかかるので使わないように。でも、冷凍ごはんをレンジで温め直すのも、電気代かかってる?
温め直しのほうが節電になっています
●炊飯器で保温の場合
3合炊いて1.5合食べる→残りを4時間保温→4時間後1.5合食べる
消費エネルギー 224Wh 電気代 約6.94円
●保温はせず、電子レンジで温め直す場合
3合炊いて1.5合食べる→1.5合を電子レンジで加熱して食べる
消費エネルギー 193Wh 電気代 約5.93円
電気代の面からは、炊飯器の保温は、長くても4時間までに。それ以上になると、電子レンジで温め直すほうが電気代を抑えることができます。「8時間の保温は、新たに1回炊くのと同じ電力がかかると言われています。わが家では一度に10合炊いて、小分け冷凍しておき、数日間に分けて食べています」(丸山さん)
※1kWhあたり31円として計算
出典:経済産業省・資源エネルギー庁
照明をこまめに消すのが面倒で人感センサーに。でも、人が通るたびに点灯するので、これって節約?
消し忘れが減るのは〇。照明をLEDに替えるのが一番節約!
- 白熱電球を1年間使用した場合の電気代
4888.08円 - 電球型蛍光灯を1年間使用した場合の電気代
995.72円 - LED電球を1年間使用した場合の電気代
706.06円
「照明の消し忘れが多い家庭にとって人感センサーは向いています。余計な点灯が増えるのも確かですが、実は、大事なのは電球の種類。LED電球に替えることで圧倒的に電気代の節約になります。それならセンサーで人が通るたびに点灯しても電気代にはあまり影響ありません」(丸山さん)
※白熱電球の消費電力を54W、電球型蛍光灯の消費電力を11W、LED電球の消費電力を7.8Wとして計算。1日8時間使用したとして、電気料金は、1kWhあたり31円として計算
出典:エネチェンジ
断熱のために西側の窓に、赤外線フィルムを貼りました
昼間に取り込みたい暖かさも遮断してしまっているかも。カーテンで調節するのがおすすめ
「赤外線フィルムは太陽光に含まれる赤外線をカットして室内の温度上昇を抑えるもの。夏場の暑さ対策に効果的ですが、冬も太陽光を遮ってしまうのでもったいないです。カーテンやロールスクリーンなどで、開けて日中は光を取り込み、夜は閉めて暖気を逃さないほうが、節電効果は高くなります」(丸山さん)
床暖房は節電に効果的と聞いたので、導入を計画中です
電気代と初期費用、合わせて検討を
「床暖房には主に電気式と温水式の2つがあり、種類や使用方法によって差があるので、一概に節電効果があるとは言い切れません。温水式はエアコンよりも電気代は抑えられますが、初期費用が高いのが特徴。電気式は初期費用は少し抑えられますが、電気代はエアコンとほぼ同等。取り入れる面積なども影響するので、よく検討を」(丸山さん)
ライターTが丸山さんに切実に聞きたい!
うちの電気代が高いの、どこがダメですか?
取材を進めるうち、節電意識が不足していると気がついたライターT。節約アドバイザーの丸山晴美さんにズバリ、ダメ出しをいただきました!
ここに電気代がかかっています!
ひと晩じゅうつけっぱなしの、オイルヒーターとスチーム式加湿器
寝入る前だけなど、ポイントを絞った使い方を
子どもの風邪予防にと、冬の寝室は就寝時から朝までオイルヒーターで温め、スチーム式加湿器も併用しているのですが……。
「消費電力の多い2つの家電は、寝る前だけなど、メリハリのある使い方を工夫して。寒さ対策をするなら、ネックウォーマーもおすすめですよ」(丸山さん)
つけっぱなしの給湯パネル
給湯器は待機電力だけで、年間約2172円かかる!
24時間365日、給湯パネルを「入」のままにしていいたT。
「一般的な給湯器の待機時消費電力は入の状態で約7〜8W。待機電力のみで年間約2172円もの電気代がかかっていることになります」(丸山さん)
ほぼ毎日使う浴室乾燥
ドライヤーの「強」を使っているようなもの…
浴室乾燥は、浴室全体にドライヤーの強の熱風を送り続けている状態で、エアコンか、それ以上の電力消費をしています。
「晴れた日は外干しをしたり、真冬は室内干しをして室内の湿度を上げたり、洗濯物の干し方を少し見直すことで、電気代は確実に節約できますよ!」(丸山さん)
1年中オンになっている温水便座
便座や洗浄水を、温め続ける電力は必要?
1年を通して、つけっぱなしになっていたトイレのパネル。
「トイレを使う時間はごくわずかなのに、温水洗浄便座は1日中水を温め続けています。また、ふたが開けっぱなしだと年間でおよそ1080円かかっていることに。わが家は電源をオフにし、便座シートを貼っていますが、十分快適です」(丸山さん)
北側の窓に取り付けているウッドブラインド
北側は断熱性の高い、カーテンやスクリーンを
「ウッドブラインドはインテリア性が高い反面、どうしても断熱性は低くなります。特に北側の窓には、断熱性を重視した遮光カーテンや、空気の層で保温性を高めるハニカム構造のロールスクリーンを」と丸山さん。
「ウッドブラインドを生かすなら、将来的に窓やサッシを断熱性の高いものにリノベするのも一案です」(丸山さん)
ここはこのままでもOK!
家電のコンセントを差したまま
抜く手間をかけるほど、節電効果はなし!
使わないプラグは抜いたほうがいいはず……と思いつつ、面倒でやっていなかったライターT。
「最近の家電は性能が高いので、待機電力はほんのわずか。抜き差しする手間の割に節電効率は低いので、差しっぱなしでOK。それよりも暖房費削減に力を注ぐほうが効率がいいです」(丸山さん)
※電気料金は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電気料金目安単位」から1kWhあたり31円として計算
SNSで人気のあの人の
リアルな節電ライフに学びたい!
あまりに電気代が高くつき、その悔しさから始めたという節約実録が人気のインスタグラマーが、実践して効果テキメンだった節電法とは?
教えてくれたのは
あかり貯金生活さん
インスタグラムのフォロワー15.5万人!
2017年、自身の記録のためにと始めた節約中心の投稿が人気に。夫、小学生の娘さん2人と4人家族。著書に『赤字家計から一転、年間200万円貯金できた! 貯まる家計簿』(講談社)。
冬の電気代は工夫次第。節約のブルーオーシャン!
6年前、夫の転勤の都合で、雪の降る寒い地域へ引っ越したあかり貯金生活さん。
「私は仕事を一旦セーブすることに。社宅で家賃も安いので、私は節約担当としてお金を貯めるぞと気合い満々だったんです」(あかり貯金生活さん)
ところが、住んだ家は隙間風が多く、土地柄もあってかなりの寒さ。都市部にいた頃と同じ感覚で暖房を活用し、初めて迎えた冬の電気代は、なんと4万円超え……。
「悔しくて、腹が立ってきて(笑)。その勢いで節約アカウントを作ってインスタを始めました。電気代について徹底的に調べ倒して、暖房費を抑えるのが効率がよさそう!という考えにたどり着いたんです」(あかり貯金生活さん)
服を着込んで、リビングにはこたつを導入。寝室の暖房をやめて、湯たんぽを使うことに。その結果、翌月は1万円以下に!
「3万円を稼ぐのは大変なこと。でも暖房費を見直すことで3万円も浮くと実感できて、すっかり節約生活にハマりました」(あかり貯金生活さん)
Before
寒い地域で暖房をフル稼働!
2017年1月 42920円
日中はリビングのエアコン、夜間は寝室のオイルヒーターと、ほぼ24時間暖房をオン。「電気を無意識に使っていて、何にいくらかかるか、考えたこともありませんでした」
始めたこと
- 洗濯物の外干し
- こたつ生活
- 厚着をする
- ふとんに充電式湯たんぽ
やめたこと
- 浴室乾燥機を使う
- オイルヒーターを使う
- エアコンを使う
- 電気代が高い時間帯の洗濯
- 炊飯器の保温機能
After
“節電”の知識と意識を習得!
2018年1月 9536円
使用した電気の量を表す単位「kWh」って何?というところから調べ、家電製品すべてのW数をチェック。部屋を温める=お金がかかる、という基本に気づきました!
オール電化の家に引っ越し後も節電を継続!
2022年1月 17896円
2022年1月は使用電力が668kWhで17896円。しかし2023年1月は642kWhと前年より使用電力が少ないものの、電気代が31120円に……。さらなる節電の工夫をし、最近はIHからカセットコンロ生活に!
電気代が上がったことを機に、IHコンロを使わずにカセットコンロを使う節約を開始。「あらためて節電意識を高めるのに効果的でした」
Staff Credit
イラストレーション/とつかみさこ 取材・原文/田中理恵
こちらは2023年LEE11月号(10/6発売)「冬こそ電気代下げられます!」に掲載の記事です。
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おしゃれも暮らしも自分らしく!
1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
仕事や子育て、家事に慌ただしい日々でも、LEEを手に取れば“好き”と“共感”が詰まっていて、一日の終わりにホッとできる。
そんな存在でありたいと思っています。
ファッション、ビューティ、インテリア、料理、そして読者の本音や時代を切り取る読み物……。
今読者が求めている情報に寄り添い、LEE、LEEweb、通販のLEEマルシェが一体となって、毎日をポジティブな気分で過ごせる企画をお届けします!
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