シンプルで素朴ながら素材の風味をしっかり感じられるスイーツに定評がある、京都の大人気カフェ『歩粉（ほこ）』。“優（やさ）しい”味わいを、おうちでも再現できる“易（やさ）しい”レシピで、店主・磯谷仁美さんに提案していただきます！

#12「ラムフルーツクリスマスケーキ」

たっぷりのラム酒漬けにしたドライフルーツとスパイスを効かせた、とてもぜいたくなクリスマスケーキ。
歩粉では、クリスマスといえばこの大人っぽいケーキを作り続けています。
お酒が効いていて日持ちするので、クリスマスから年末にかけて、大人の楽しみとしてゆっくり毎日少しずつ食べ進めるのも楽しみになります。
パーティーの数日前に作っておくこともできますし、贈りものにもぴったりだと思いますよ。

材料  (直径12cm もしくは 直径15cm 丸型 1台分）

• バター（食塩不使用） 80g
• きび糖 65g
• 塩 0.8g
• 卵 120g（約2.5個分）
• A（スパイスミックスのパウダーを使う場合は、※の代わりに6g）
  • 薄力粉 80g
  • アーモンドプードル 25g
  • ベーキングパウダー 2g
  • シナモンパウダー（※） 3g
  • ナツメグパウダー（※） 1g
  • クローブパウダー（※） 1g
  • カルダモンパウダー（※） 1g

• ＜ラムフルーツ＞ （作りやすい分量／市販のラムフルーツでも代用可）
  • レーズン 100g
  • ドライイチジク 60g （レーズンくらいのサイズにカットする）
  • ドライプルーン 30g （レーズンくらいにサイズにカットする）
  • ラム酒　ドライフルーツが浸かるくらい（約200ml）

• 上記のラムフルーツ　100g使用（汁気を切って・市販のものでもOK）
• くるみ 30g
• ラムフルーツのラム酒 15g （なければ市販のラム酒）

•  ＜シロップ＞
  • ラムフルーツのラム酒 10g （なければ市販のラム酒）
  • ガムシロップ 10g
  • 水 10g

下準備

• ラムフルーツの材料すべてを清潔な容器に入れ、ひと晩以上漬けておく。（1年くらい常温で保存可能）

• ロースト済みでないくるみは150℃のオーブンで15分から焼きし、約4等分に切る。
• 型にクッキングシートを敷く。
• バター、卵は室温に戻しておく。
• オーブンを170℃に予熱する。

作り方

1. 1.ボウルにバターを入れ、泡立て器で空気を含ませるようにクリーム状になるまで練り混ぜる。きび糖と塩を加え、ざらつきがなくなるまですり混ぜる。
   
2. 卵を溶きほぐして3～4回に分けて加え、泡立て器でそのつど混ぜる。
3. Aの粉類をふるい入れ、ゴムべらでさっくり混ぜる。
4. 3に汁気を切ったラムフルーツとくるみを加えてさっくり混ぜ、さらにラムフルーツ浸けのラム酒を加えて、汁気が全体になじむまで混ぜる。
   
5. 型に生地を流し入れ、平らにならす。170℃に予熱したオーブンで、直径12cm型の場合は50分くらい、直径15cm型の場合は35分くらい焼く。途中で天板の前後を返す。真ん中に竹串を刺し、何も付いてこなければ焼き上がり。
   途中で、生地の表面の焼き色が濃くなって焦げそうに感じたらアルミホイルで表面を覆って、生地の中心が生焼けにならないように注意して焼く。
6. 型から取り出し、シロップをハケでケーキの上面にたっぷり塗り、周りにも少し塗る。ラップで全体を包んで冷ます。
   

歩粉のお店では、卵白と卵黄を別立てで作っているのですが、今回は共立てで初心者でも作りやすくアレンジしてみました。

私はイチジクが大好きなので、ラムフルーツを作る時にたっぷり使用しますが、ドライフルーツの割合はお好みで調整してくださいね。レーズンだけでも大丈夫ですし、クランベリーやオレンジピールなど入れても。

自分で漬けるのは手間に思えるかもしれませんが、ラム酒を注ぐだけなので実は簡単！

そして日持ちするので、残ったぶんは、たとえばマフィンやパウンドケーキの具として活用したりもできますよ。

でも、手作りするのは面倒…という場合は、市販のものを使うのも便利です。（富澤商店では「ミックスフルーツ（うめはら）」という名称で販売しています）

スパイスも、4種類を揃えるのは大変かもしれませんので、種類を減らしも大丈夫ですし、ミックスされたスパイスを使ってみても。（富澤商店で「ペストリースパイスミックス」という名称で販売しています）

このラムフルーツケーキは、2~3日経ったくらいが、バター、スパイス、ラム酒漬けのドライフルーツがしっとりとなじんで、より風味よく感じます。

そして、粉糖（分量外）をかけるとまるで雪山のよう。クリスマスにぴったりな雰囲気になりますよ。

さらにバニラアイスクリームを添えて食べると、より味わい深くなっておすすめ。冬の温かい部屋で、バニラアイスクリームと一緒に食べるのは至福の時間です。

１年の集大成とも言える、クリスマスケーキをお届けいたしました。

今年１月に始まった「『歩粉』磯谷仁美の、おうちで作れるやさしいお菓子」の連載も、あっという間に12カ月経ちました。

シンプルでおいしいお菓子がそばにあると、一人でも誰かと一緒でも、心安らぐ時間となりますよね。何か手作りしてみたい！という気持ちになった時にご活用いただけたら嬉しいです。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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『「歩粉」磯谷仁美さんの、おうちで作れるやさしいお菓子』は、毎月１回更新。
次回は1月1日に更新予定。お楽しみに！

製作・撮影／磯谷仁美　バナー写真撮影／津久井珠美