シンプルで素朴ながら素材の風味をしっかり感じられるスイーツに定評がある、京都の大人気カフェ『歩粉（ほこ）』。“優（やさ）しい”味わいを、おうちでも再現できる“易（やさ）しい”レシピで、店主・磯谷仁美さんに提案していただきます！

#5「緑茶のマフィン」

5月は新緑の季節。たっぷりの光を浴びて若葉がキラキラ輝くこの時期は、新茶も出始めます。

歩粉では5月のメニューはいつも、静岡県で無肥料・無農薬でお茶を栽培されている「杉本園」さんの緑茶をたっぷり使ったお菓子がお決まりです。

しっかりとお茶の味、香りも感じられるこのマフィン。溶かしバターで作るので、失敗がなくとっても簡単なんです。短時間で焼けるので、気軽に作っていただけると思います。

マフィンってお持たせとしても重宝するので、ぜひ作ってみてくださいね。

材料 （口径約7cmのマフィン型カップ6個分）

• 卵……約1.5個分（80g）
• きび砂糖……70g
• 塩……小さじ 1/4弱（1.5g）
• プレーンヨーグルト……30g
• A）
  • 薄力粉……100g
  • アーモンドパウダー……20g
  • 緑茶パウダー（抹茶パウダーでも代用可）……12g
  • ベーキングパウダー……小さじ3/4（3.8g）
• バター（食塩不使用）……80g

トッピング用の具材（好みでいずれかでも）

• ホワイトチョコ……適量
• あんこ（ゆであずき、粒あん）……適量
• ポップシュガー（あられ糖、ワッフルシュガー）……適量
• いちごジャム（もしくは、お好みのジャム）……適量

下準備

• 卵は室温に戻す。
• バターは湯せんにかけて（ラップをして電子レンジで30秒加熱でも可）、溶かす。
• マフィン型に紙カップを入れる。
• オーブンを170℃に予熱しておく。

作り方

1. ボウルに卵を入れ、泡立て器でほぐし、きび糖、塩を加え、すり混ぜるようにしっかり混ぜる。ヨーグルトを加え、さらに混ぜる。
2. 温かい状態の溶かしバターを2回に分けて加え、そのつど泡だて器でよく混ぜる。
3. Aをふるい入れ、ゴムべらで粉気がなくなるまでさっくり混ぜる。
   
4. カップに生地を6等分して入れる。お好みでトッピングをのせる。
   あんこは、1個に対して約20gずつスプーンで押し込むようにのせて表面を平らにする。ジャムも同様に。
   ホワイトチョコやあられ糖はお好みの量をのせて、押し付けるようにする。
   
5. 170℃のオーブンで約20分、様子を見ながら焼く。生地の中央に竹串を刺し、何もついて来なければ焼き上がり。
   
   型から取り出し、ケーキクーラーにのせて冷ます。
   

お茶味のお菓子だと、抹茶が真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、私は良質な「杉本園」さんの緑茶に出会ってから、緑茶のお菓子一辺倒で……。
今は大きなスーパーならどこでも有機緑茶パウダーも置いていますし、味も香りもしっかりと感じられ、緑茶特有の渋味のようなものも私は旨味と感じています。

トッピングで、やはりなんと言っても合うのが、あんこ。市販のものを使う時に、ちょっと気になるのが水分量。メーカーによって違いがあるので、ちょっとゆるめなものは、鍋に入れて、火にかけ絶えずゴムベラでかき混ぜて、水分を飛ばすようにして少しポテっとなるくらいにすると、マフィンの生地にのせた時になじみやすいと思います。（写真参照）

ホワイトチョコも、オススメのトッピング。
あと、スウェーデンで買ってきたこともあるポップシュガー（あられ糖、ワッフルシュガーとも言います）。現地ではシナモンロールにたっぷりかかっていて、合うんですよね～。緑茶のマフィンにも合う！　今はネットで何でも簡単に手に入れることができるので、ポップシュガーもしかり。ザラメ糖でも良さそうです。

もうひとつ、ジャムをトッピングするのも良い感じの“味変”になりますよ。
いちごジャムは、甘みと酸味がプラスされて、特におすすめです。
おうちにあるお好みのジャムで試してみてくださいね。

余談ですが、マフィン型はシリコン製のカップが100円均一ショップでも売っていて、2~3年前に購入したのですが、「この価格で何度も使えて、なんて素晴らしいんだろう…」と思っています。シリコンカップの場合、マフィン紙をしかなくてもスルンと焼き上がりに取り出せて、ホントにすぐれものです。お近くの100均にチェックに行ってみてはいかがでしょうか？（100均のまわし者ちゃいますよ、ただ私が重宝しているので……)

お伝えしたいことがいろいろ出てきてしまって、長い説明になってしまいましたが、新しい味、新しい便利グッズ、日常がちょっとした出会いで、ちょっとウキウキしてきたり……ってありますよね！
お楽しみいただけますように～。

歩粉・磯谷仁美さんの他のレシピもCheck！

『「歩粉」磯谷仁美さんの、おうちで作れるやさしいお菓子』は、毎月１回更新。
次回は6月1日に更新予定。お楽しみに！

製作・撮影／磯谷仁美　バナー写真撮影／津久井珠美