更年期世代、”骨密度低め”と診断されたら「硬水を飲む」「エレベーターは1階下で降り、階段で上がる」【宋美玄さんの聴く婦人科診察室#106】

宋美玄

2023.07.10

音声

産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト番組「聴く婦人科診察室」は、宋さんとLEEweb編集長・畑江が婦人科系疾患、生理、セックスレス、更年期、女性を取り巻く社会問題などなど、女性の心身の健康について時に赤裸々に、時に為になるトークを繰り広げます。毎週月曜日18時更新です。祝・100回突破記念として、リスナーの皆様から寄せられた婦人科系のお悩みに宋さんがお答えします！　今週は「更年期」についてのご質問やご意見を取り上げます。

宋美玄さんの「聴く婦人科診察室」#106
今週のよりぬき

①「現在46歳。40過ぎてたまに腰痛ありましたが、今年に入り腰、手首、肘、膝が次々と痛くなり、モグラ叩きのように1箇所治っても他の場所が痛むように。疲れ、のぼせや発汗、生理周期の乱れなどがあり「絶対これは更年期！」と婦人科を受診したところ、卵巣が小さくなってきており、女性ホルモン値も低下、更年期と診断されました。早速エストラーナテープによるホルモン補充療法を開始し1ヵ月経過したところです。関節痛や発汗が落ち着き補充療法が合っていたようです。ところが先日受診したら『体調が落ち着いたらテープを剥がしてもいいからね』とおじいちゃん産婦人科医。私としては貼り続けたいのですが、貼り続けると良くないことがあるのでしょうか？　貼るのを止めると体調が逆戻りしませんか？」と林檎さんよりお便り
「エストラーナテープはエストロゲンを皮膚から補充するパッチ。卵巣がら出なくなったエストロゲンを補充したから体調が良くなったんですね」と宋さん
「仰る通り、貼らなくなったら、体調は逆戻りになります！　ただ、アメリカでホルモン補充療法が危険というデータが出た時期があり、現在はは安全性も確認され再び拡充しているものの、年配の先生の中にはホルモン補充療法に消極的な方がまだいらっしゃいます」と宋さん
「女性ヘルスケアに詳しい先生なら年齢制限することなく、続けたい限りOK。何年も使っていて『そろそろいいかな』と自分で思ったら、ちょっとずつやめましょう、ソフトランディングで」と宋さん
「閉経の平均年齢は50歳で、林檎さんはまだ46歳でちょっと早めに更年期が来ているので、個人的には当面は補充療法を続けられることをオススメします」と宋さん
「ホルモンテープを一生貼り続ける選択肢はあるんですか？」と更年期世代ど真ん中の畑江
「80歳や90歳まで貼り続けた集団のデータは内ですが、見た目を美しくするお仕事の方は続けてらっしゃいます。骨も急に弱くなるし、貼り続けていいと思います」と宋さん
②「骨密度が大切！と聴き、早速病院で測定したらとても低く、日々骨折の恐怖に震えています。特に投薬等のアナウンスもなく、一体何をすれば？」#93「40代50代女性の骨折急増中、骨密度は女性ホルモン値と連動して低下。今からできる対策は？」Voicyに黒い猫のお菓子やさんから寄せられたコメント
「うちのクリニックにもかかとで骨密度を測れるマシンがあり、ありとあらゆる患者さんの骨密度を測りまくってるんですが、運動してるかた、体重しっかりしてる方は骨が強くなりやすい。ほっそりしてるかた、あまり達歩かない方は骨密度低め」と宋さん
「低めの方には更に仙骨や大腿骨の骨密度を測ってもらい、骨粗しょう症の方には治療を。婦人科でも治療できなくはないけど、整形外科の領域ですね」と宋さん
「エストロゲン補充も骨折の予防になりますが、それだけでは骨密度が上がらない場合、注射もあります。乳がんになった後骨粗しょう症になった友人も打っています。ただ、（値段が）お高いですが……」と宋さん
「骨粗しょう症解消のためには具体的に何をすればいいんですか？」と畑江
「まずはしっかりカルシウムを摂る。普段から硬水を飲むと簡単に摂取できます。牛乳だとカロリーオーバーになるので、硬水のほうがオススメです」と宋さん
「あと、ちゃんと太陽に当たる。UVケアが行き届きすぎる、例えば駅直結マンションとか住んでて勤務先まで全く日に当たらないと、ビタミンBが生成できなくなります」と宋さん
「そして運動が大事、年を取っても大事！　体重が軽い人には、重い荷物を背負ってトレッキングがオススメ！　日頃から職場等で1階下でエレベーター降りて1階分階段上がるなども良いですよ」と宋さん