40代50代女性の骨折急増中、骨密度は女性ホルモン値と連動して低下。今からできる対策は？【宋美玄さんの聴く婦人科診察室＃93】

宋美玄

2023.04.10

音声

産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト番組「聴く婦人科診察室」。宋さんとLEEweb編集長・畑江が婦人科系疾患、生理、セックスレス、更年期、女性を取り巻く社会問題などなど、女性の心身の健康について時に赤裸々に、時に為になるトークを繰り広げます。毎週月曜日18時更新です。今週は、更年期トークでも何度か話題に上がっていた「骨密度」について。つい先日移転新装オープンした宋さんのクリニックでは、骨密度測定マシーンが新規導入されましたが、その狙いは？　そして骨密度と女性ホルモンの因果関係とは？

宋美玄さんの「聴く婦人科診察室」#93
今週のよりぬき

「宋さんクリニック移転新装オープンおめでとうございます！骨密度測定マシーンが導入されるそうですが、どんな機械なんですか？　骨密度と言うと、整形外科のイメージですよね。働き盛りには通院するのにハードルが高い……婦人科で計測できるのありがたいです」と畑江
「超音波式で、かかとで骨密度が測れます。他にも、骨吸収マーカーを測定する血液検査も可能です。何の症状もないのに骨密度測定だけのために整形外科に行くのは確かにハードルが高いと思うので、婦人科を受診したついでに骨密度も測れると良いかなと思い導入しました。何しろ女性ホルモンと骨密度の間には切っても切れない因果関係があるので」と宋さん
「そういえば……周囲の働き盛りの40代・50代女性で、ちょっとしたことで骨折する人は増えたんですよね。この番組でも更年期がテーマになるたびに骨密度や骨粗鬆症が話題に出るので、今回改めて骨密度と女性ホルモンの関連性について教えてください」と畑江
個人差はあるが、若い頃から骨密度が低い人もいる。今のうちに測定しと自分の数値を知っておくべし
骨粗鬆症はホルモン療法やカルシウム剤などで治療する。治療開始は早ければ早いほど良い
「昔の人は閉経後割とすぐ亡くなる方が多かったので骨粗鬆症もそこまで問題にならなかったんですけど、今は長寿になって閉経後も40〜50年生き続けるようになり、その間に骨が弱って骨粗鬆症になるケースが増加したんです」と宋さん
「エストロゲンの分泌量と骨密度の関連表みたら、どちらもアラフィフのタイミングであり得ないレベルで減るんですね……！」と畑江
骨密度は女性の場合、18歳くらいでピーク。40歳代半ばまではほぼ一定を維持し、50歳前後から低下。エストロゲンの分泌が減ると、骨密度も連動して減る
骨密度アップに一番大事なのは運動、体にある程度過重をかけること。思春期にダイエット等で体重が軽いと骨密度が低下しやすい
「骨折すると骨がくっつく間に筋力が低下し、お年寄りの場合筋力低下から寝たきりになるケースが多いです。筋力がないと転びやすくなるので、筋力をつけることが大事です。あと日光に当たるのも大事、カルシウムの吸収を助けるビタミンDは日光を浴びることで体内で生成されるので」と宋さん
「骨粗鬆症はホルモン補充療法や注射等で治療可能ではありますが、それ以上に事前に予防が一番！　早めに骨密度測定して対策しましょう！」と宋さん