#56/長谷園
家電と使える伊賀焼「エッグベーカー」「陶珍おひつ碗」

三重県伊賀市にある伊賀焼の窯元「長谷園(ながたにえん)」の炊飯土鍋「かまどさん」をご存じですか? 京都や銀座の高級料亭などでも使われていて、本当においしいごはんが炊けると評判。5年ほど前には家電メーカーのシロカとタッグを組んで「かまどさん電気」という炊飯器も生まれ、今も愛されるロングセラー家電になっています。
そんな長谷園のパイロット店舗「東京店 igamono」が恵比寿にあるのを偶然見つけて立ち寄ってみたところ、電子レンジでも使える夢のようなアイテムがいっぱい! 今回は自宅とアトリエで絶賛愛用中の伊賀焼のエッグベーカーとおひつをご紹介したいと思います。
目次
伊賀焼との出合いは「かまどさん電気」の取材から

2018年の春にシロカから「かまどさん電気」という炊飯器が発売されました。ごはんにこだわる人にはその名を知られ、おいしいごはんを食べさせてくれる料亭などでもこぞって愛用されている炊飯土鍋「かまどさん」を、ガスコンロがない家でも使えるようにと生まれたものです。
そもそも伊賀焼の土鍋とはどんなものなのか…それを探求すべく三重県伊賀市にある伊賀焼の窯元「長谷園」さんに取材をしたのでした。伊賀焼の陶土は、微生物の化石がたくさん含まれる400万年前の「古琵琶湖層」の粘土を使うことで土鍋に穴が生まれ、呼吸する土鍋が出来上がります。

「かまどさん」は吹きこぼれを防ぐ二重のふたの構造になっていて、圧力釜のような機能も果たしています。お米3合なら中強火で約13分、蒸らし20分で炊き上がり、火加減の調整も必要なし。じんわりとムラなく熱を伝え、炊飯後も必要に応じて呼吸することで土鍋内の水分を調節できるため、ごはんがべたつくこともないのです。

そんな「かまどさん」のおいしさと便利さを家電にしたのが「かまどさん電気」。高火力のシーズーヒーターを採用したり、土鍋の底面に小さな水温検知部をはめ込んだり、数々の試行錯誤があり、完成までに4年の歳月をかけたとのこと。炊き上がったごはんは、一粒一粒が艶やかで、口の中でほろりとほどける味わいは別格だからこそ、発売から5年を経ても愛されるロングセラーになっているのですね。

伊賀市にある「長谷園」さんでの取材時には、土鍋の型作りなど手仕事の様子などを見せていただいたり、燻製ができる土鍋や蒸し鍋、スープ土鍋など炊飯だけでなく多様な土鍋を見せていただいたり、お料理をいただいたりしたことが懐かしく思い出されます。
東京・恵比寿で偶然見つけた「東京店 igamono」

そんな「長谷園」との出会いがあったのですが、広尾のアトリエからほど近い恵比寿にあるパイロット店舗「東京店 igamono」を通りがかりに偶然見つけたのは今年に入ってすぐのこと。「長谷園」の看板にびっくりしてお店に入ってみると、まあなんとたくさんの土鍋や陶器があることでしょう。

5年前の取材時に伊賀にいらした方もお店にいらっしゃって、あらためていろいろと紹介していただいたのでした。お店には「かまどさん電気」もありましたが、私が心を引かれたのは電子レンジでも調理可能なエッグベーカーと、残りご飯がレンジでおいしく温められるという陶器のおひつ「陶珍」です。家電を生業としているのでやっぱり何かしらの家電と組み合わせて使えるものをご紹介したいですものね。
可愛らしいエッグベーカーは油不要、レンジで500W30~40秒!

まずは、手のひらサイズの可愛らしいエッグベーカーから。電子レンジで目玉焼きが簡単に作れる優れものです。自宅では卵2個までOKの大を、アトリエでは1個用の小を愛用しています。全部で6色あるのですが、一目惚れしたのはオレンジ。聞けば、一番人気がこのオレンジなんですって。

使い方はとても簡単。本体もふたもサッと水にくぐらせて土鍋に軽く水を含ませます。まわりを軽く拭いたら卵を割り入れて、卵の黄身と白身を楊枝で何か所かつついておきます。そうしないと卵が“爆発”してしまいますからね。

ふたをして500Wのレンジで30秒。様子を見て10秒追加するようにしましょう。私の好みは40秒。白身はしっかり、黄身は半熟のちょうどいい出来上がりです。しかも、油を使っていないのに、つるりと卵がはがれてくっつかないのが毎回すごいなあと思います。お手入れもラクというのはうれしいですよね。



ちなみに目玉焼き専用というわけではなくて、オーブンレンジやガスコンロを使ってアヒージョを作ったり、ソラマメの蒸し焼きをしたり、楽しみ方はいろいろ。付属のレシピ集を参考に「何を作ろう?」と考えるのもウキウキするひととき。お料理にも使いたい方は大きなサイズの方をおすすめします。
冷蔵ごはんも冷凍ごはんも炊きたてのようにふっくら温め直しができる「陶珍おひつ碗」
木のおひつのように呼吸する伊賀の陶土はごはんの保存にも最適です。ポイントは温めるときに「陶珍」に水を含ませること。おひつ碗にごはんを入れて冷蔵庫に入れておいた場合は、ふただけを、密閉容器に入れて冷蔵しておいた場合や冷凍ごはんの場合は、器とふたと両方を1分くらい水に浸しておきます。

ボウルに水を張ってそこに陶珍を入れると、小さな気泡が出てくるのが見えますし、耳を澄ませるとかすかな音も聞こえて“呼吸している”ということが実感できます。水から出したら軽く拭き(器にごはんを入れて)ふたをしたら、準備完了。冷凍ごはんの場合。500Wのレンジで約4分ほどでふっくらと温められます。

5500円とちょっと高価ではありますが、翌日に食べる1膳分のごはんなら冷凍せずに「陶珍おひつ碗」に入れて冷蔵庫に入れておけばいいし、温め直しが難しい冷凍ごはんも艶々、ふっくら温められるので便利だなあと実感しています。

ごはんの保存や温め直し以外にも、付属の陶製すのこを使って蒸し野菜や点心の調理をしたり、気化熱効果を利用して冷たい食材の保冷器としても。私が購入したのは丼のような形をした「おひつ碗」ですが、ふたが平らになったおひつそのままの形状の「陶珍」(大・小)や取っ手付きの形状のものもありますよ。
製品DATA
- ブランド:長谷園
- 商品名:「エッグベーカー」「陶珍おひつ碗」
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