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対談連載 はまじの「ずっと好きでした」

【浜島直子さん×探究学舎学長 宝槻泰伸さん対談】「好き」を仕事にして、人生楽しく生きるには?

対談連載 はまじのずっと好きでした 宝槻泰伸さん Yasunobu Hotsuki/「探究学舎」塾長「好き」を仕事にして、人生楽しく生きるには?

子どもたちに驚きと感動の種をまき、探究心に火をつける——。そんなユニークな教育方針で話題の学習塾・探究学舎。その代表である宝槻泰伸さんが本日のゲストです。じつは探究学舎の大ファンで、息子さんも通わせているはまじ。子どもにとって大切なものは何かをじっくり語り合いました。

「やっちゃんは子どもの心をつかむのがうまくてびっくり!!」(はまじ)

「そこは父親譲りなんです。自分でも天職だと思います」(宝槻さん)

【はまじ×宝槻泰伸さん対談】「好き」を仕事にして、人生楽しく生きるには?
(宝槻さん)ジャケット¥121000・シャツ¥55000・パンツ¥77000(サイ)・靴¥81400(サイ マーカンタイル)/マスターピースショールーム (浜島さん)ワンピース¥39600/ビームス ハウス 丸の内(エッフェ ビームス) カチューシャ・靴下・靴/スタイリスト私物

Yasunobu Hotsuki

1981年、東京都生まれ。破天荒な父親から型破りな家庭教育を受けて育つ。高校中退後、大検を経て京都大学に入学。30歳のときに「探究学舎」を設立。『情熱大陸』『世界一受けたい授業』などのテレビ出演で話題に。『探究学舎のスゴイ授業』など著書多数。
Twitter:yasunov

Naoko Hamajima

1976年、北海道生まれ。18歳でモデルデビューし、『LEE』をはじめ雑誌・広告などで活躍中。『CURIOUS HAMAJI』(bayfm)のラジオパーソナリティを務めるほか、“あべはまじ”名義で絵本『ねぶしろ』シリーズなども上梓。初の随筆集『蝶の粉』も好評。
Instagram:hamaji_0912
公式サイト:http://hamaji.jp/

「こうでなければ」という、思い込みから解放されよう

はまじ やっちゃん(探究学舎での宝槻さんの愛称)、今日はお会いできて、とってもうれしいです!

宝槻 こちらこそ、今日は楽しみにしてきました。

子ども時代に戻ってUNOに挑戦! やっちゃん! しっかりして~ 負けた…? 宝槻泰伸さん 浜島直子さん

はまじ うちの息子は、探究学舎の授業をかれこれ10回は受けているんですけど、やっちゃんの授業はまだ受けたことがないんです。でも、クラスにやっちゃんが乱入してきたことがあって、めちゃくちゃ盛り上がりました。教室の温度が3℃くらい上がってた(笑)。

宝槻 息子さんはおいくつですか。

はまじ 今8歳です。うちの子はとにかくマイペースで、授業中もずっと漫画を描いていたり、給食もほとんど食べなかったりして、私も学校にしょっちゅう呼び出されていて……。それでどうしたものかと考えていたときに探究学舎に出会ったんです。

宝槻 そうでしたか。

はまじ 最初に受けた授業のテーマは「元素」でした(※ほかにも宇宙、生命科学、金融など、さまざまなテーマあり)。授業中は緊張して小さくなっていたのに、帰りの電車の中では「すっごくおもしろかった! おしっこを煮詰めたらリンができるんだってね」って饒舌(じょうぜつ)に語ってくれて(笑)。

宝槻 それはうれしいです。わが子が目をキランってさせて、「ねえ、聞いて!」って語り出す。「あ、この子、スイッチが入ったな」と感じる瞬間ですね。

はまじ 本当にそう。家に帰ったら、まるで先生が乗り移ったみたいに夫に報告していました。それはそれは、楽しそうで。学校のテストは赤点でも、こんなふうに物事に興味を持つことができるとわかって、すごく安心しました。

ホントにそれでOK~? えーっと… 宝槻泰伸さん 浜島直子さん

宝槻 僕たちはよく「適合」と「創造」という言葉を使うんですけれど、今の社会では、ある基準に照らし合わせて「こうでなければならない」とか、ある一定の適合的な振る舞いが求められますよね。そもそも近代化というのは、規律と適合を仕組み化するもので、その装置として軍隊と工場と学校が3点セットとしてありました。そういう認識や仕組みがまだ残っているから、適合的な子育てをやらなければならないという固定観念がみんなの中にあるんだと思います。

はまじ 確かに「こうあるべき」みたいなのがありますよね。

どうだ! キターッ! 宝槻泰伸さん 浜島直子さん

宝槻 一方で、創造的な子育てというのもあるよ、ということでそっちに振り切って、可能性を広げるのが探究学舎のやり方です。子どもがどんなパフォーマンスをしても、どんな発言をしても、その存在を認めてあげるんですね。

はまじ 変なことを言っても、「それ超おもしろいじゃん!」って、逆に先生に褒められたりして。

宝槻 見学している保護者も、「あれ? 先生、ここ叱らないの?」ってびっくりされることがあるみたいです。でも、だんだんと、「この教室は、そうやって子どもたちと向き合うことで、ひとりひとりの個性を輝かせようとしているんだな」と伝わって、親自身も「こうあるべき」という強迫観念から解放されていくんですよね。

宝槻泰伸さん 浜島直子さん

ライスワークから、驚きと感動があるライフワークへ

「息子に勉強は教えられないけど、“共感の英才教育”は、やっています」(はまじ)

「創造の子育てをしている浜島さんは、素晴らしいと思います」(宝槻さん)

宝槻泰伸さん 浜島直子さん

はまじ 子どもの個性を輝かせたいという教育方針は、どういう思いから生まれたんですか。

宝槻 その昔は、仕事って「苦役」と言われていて、“ライスワーク”でしかなかったと思うんですよ。

はまじ 食べるため、生きていくために働くってことですね。

宝槻 そう。でも、今は、お金を稼ぐためだけじゃなくて、好きなことを“ライフワーク”にしたいと多くの人が望んでいます。そのほうが人生楽しいし、人は自由になれるはずだと僕も考えています。

はまじ やっちゃんの本の中に、「努力する者は、楽しむ者に勝てない」という孔子の言葉がありましたね。努力することは素晴らしいけれど、楽しんでいる人が最強だって。そのとおりだと私も思う。では、どうしたら子どもはライフワークを見つけられるんでしょうか。

宝槻 いろんなアプローチがありますが、僕がひとつ思っているのは、驚きと感動です。好きな仕事をしている人って、それに出会って、わくわくしたとか、ときめきを感じたという、エモーショナルなストーリーがどこかにあるはずなんです。その反対がファンクショナルで、機能的とか役立つという意味です。それもとても大事ですが、例えばアップルという会社がなぜあれほど評価されたかと言うと、本来ファンクショナルでしかないパソコンに、エモーショナルな要素を取り入れたからです。

はまじ 感覚的な使いやすさとか、美しいデザイン性などですね。

宝槻 そうですね。人をときめかせるプロダクトや、人を感動させるサービスというのは、21世紀になって、ますます価値が高まっています。だから子どもたちには、そういう創造性を養ってもらいたいし、親も変わらないとダメですね。例えば子どもが「ユーチューバーになりたい」なんて突拍子もないことを言ったときも、とりあえず「やってみな」って飽きるまでやらせて、壁にぶつかるまで見守るしかないと思います。

はまじ 私だったら、「ユーチューバー、かっこいいね」「お母さん、知らなかった。教えて」って言うと思う。そうやって共感して、受け入れることで、子どもとの信頼関係が築けるんじゃないかと思うから。私は勉強も苦手だし、息子に教えてあげられることは何もないけれど、共感の英才教育だけは、しっかりしようと思ってるんです。

宝槻 浜島さんは、ご自身の中から生まれた、まさに創造の子育てをしていますね。共感の英才教育、素晴らしいです。

はまじ いい言葉でしょう? やっちゃんも使っていいからね(笑)。

宝槻家の子育ては、ヒットアンドアウェイ!?

「兄弟3人、京都大学って、すごいです。何を勉強していたんですか?」(はまじ)

「お酒の飲み方と女の子との付き合い方。でも失恋して1年、留年しました(笑)」(宝槻さん)

宝槻泰伸さん 浜島直子さん

はまじ やっちゃんは、お子さんは何人いるんですか?

宝槻 5人です。中1、小5、小3、小2、年長。犬もいます。

はまじ 賑やかでしょうね!!

宝槻 家はもう動物園のようなことになっています(笑)。

はまじ ご自身が子育てで大事にしていることはありますか? そもそもやっちゃんのお父さんは、とてもユニークな教育方針で、子どもたちに本や映画、マンガをいっぱい見せて学習させてたって本で読みました。やっちゃんはどんな子育てをしてるのか気になります。

宝槻 宝槻家は、ひと言で言うと、ヒットアンドウェイの子育てかな。子どもたちに「これやってみよう」とか、そういう提案、介入はする。これをヒットとするとアウェイというのは、その後、ほっとく。無介入。きっかけは作るけど、やるかどうかは本人次第。受験についても本人の意思に任せようと思っています。

はまじ 子どもがこれをやったら怒る、というルールはありますか。

宝槻 兄弟ゲンカしてて、「うるさいぞ! いい加減にしろ!」っていうのはあるけど、怒るのはそれくらいですね。子どもにもそれぞれ自分の世界があって、彼らなりに平和と秩序を持って暮らしているなという感覚があるので、勝手に踏み込まないようにしています。

はまじ 子どものことをすごく尊重しているんですね。

宝槻 怒ると言えば、うちのワンちゃん、おしっこするときトイレシートを微妙に外すんです。その片付けが大変で……。

はまじ それは大変ですね。うちの犬は、天才なの(笑)。保護犬で、生後3カ月くらいにうちに来たとき、私が排泄のたびに抱っこしてトイレに連れていって、「ワンツーワンツー」って言い続けてたら、今では「ワンツーワンツー」って言うだけで、パブロフの犬のようにトイレに行くようになりました。

宝槻 なるほど。

はまじ やっちゃん家のワンちゃんが失敗しても怒っちゃダメだからね。子どもと同じ。

宝槻 はい、勉強になります(笑)。うちもやってみます!

はまじの息子さんが描いた漫画本を持参

はまじの息子さんが描いた漫画本を持参

「やっちゃんに会うなら、これを渡して」とノートに描いた漫画を息子から渡されたはまじ。やっちゃんもしっかり目を通しました!!

対談連載 はまじの「ずっと好きでした」

撮影/芹澤信次 ヘア&メイク/ナライユミ(浜島さん) スタイリスト/福田麻琴 取材・原文/佐藤裕美
こちらは2023年LEE3月号(2/7発売)「はまじのずっと好きでした」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。

Writer Profile

Today's LEE

ファッション、ビューティ、ライフスタイル、料理、インテリア…すぐに役立つ人気コンテンツを、雑誌LEEの最新号から毎日お届けします。

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