鉄道運賃にもコロナ禍の影響が
2022年はまさに値上げ一色でしたが、2023年にも新たな値上げが控えています。
中でも気になるのがJRや私鉄の運賃値上げ。
JR東日本は山手線・中央線・京浜東北線などを3月から10円値上げし、同様に通勤定期券も値上げすることに(通学定期は対象外)。他にも、東京メトロや東急電鉄、西武鉄道などが運賃改定の予定です。
JR西日本も4月から99区間で値上げを発表、大阪・神戸間、神戸・尼崎間などが10円アップ。理由として、ホームドア設置などのバリアフリー化費用に充てるとしています。
この背景にあるのは、国土交通省が打ち出した「全国の鉄道駅バリアフリー化」で、その整備資金を鉄道利用者に広く負担してもらおうというわけです。
しかし、もっと根本の理由には、やはりコロナ禍があるでしょう。通勤・通学客の減少、外出控えなどで公共交通機関を利用する機会は減ったまま、まだコロナ以前には戻っていないのです。
勤務スタイルがリモートワークにシフトし、定期代ではなく実費で支払う会社も増加、このままでは運賃収入の先行きは厳しいでしょうから。この先も10円値上げで収まるのか、気になるところです。
改定前より10%安いオフピーク定期
値上げと並行して、JR東日本は3月18日より「オフピーク定期券」を発売します。
Suica、モバイルSuica方式があり、平日のピーク時間帯(駅によって異なり、東京・新橋・品川は7:30~9:00)は別途IC運賃がかかりますが、それ以外の時間帯は定期券として使え、値上げ前の運賃より10%値下げになるとか。
従来型の定期券のほうは値上げされ、改定率は1.4%増とのこと。通勤定期代を支給する会社としては、オフピークの方を推奨しそうですね。なお、休日はオフピークの時間帯に関係なく終日定期券として使えることになっています。
紙の回数券も廃止される方向にあり、鉄道を利用する私たちにとって交通費節約はなかなか難しくなりつつあります。
外出する日に予定はまとめることにして1日乗り放題きっぷを使うなど、安く済ませる知恵を絞ることも必要でしょう。
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。
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