6年にわたってNHK『おかあさんといっしょ』に出演していた小野あつこさん。今年4月に歌のお姉さんを卒業したときには、「あつこロス」に陥る人が続出で、番組ファンのはまじもそのひとり。素晴らしい歌とダンス&ほっこりキャラでみんなを魅了するあつこお姉さんの魅力に迫ります!
「コロナ禍を共有した『おかあさんといっしょ』の仲間はまさに戦友。特別な存在です」(あつこ)
「お互いにいい刺激を与え合ってるんですね。そういう仲間がいるって素晴らしいです」(はまじ)
Atsuko Ono
1991年、東京都生まれ。東京音楽大学声楽科で学び、大学院に進学。卒業後、2016年より、第21代目の歌のお姉さんとして、NHKの子ども向け番組『おかあさんといっしょ』に出演。2022年4月に番組を卒業。現在は、子ども向けコンサートを中心に活動中。
Instagram:onoatsuko12
Twitter:ono_atsuko12
公式サイト:https://atsuko-ono.com/
Naoko Hamajima
1976年、北海道生まれ。18歳でモデルデビューし、『LEE』をはじめ雑誌・広告などで活躍中。『Curious HAMAJI』(bayfm)のラジオパーソナリティを務めるなどメディアにも多数出演。“あべはまじ”名義で絵本『ねぶしろ』シリーズなどを上梓。初の随筆集『蝶の粉』も好評。
Instagram:hamaji_0912
公式サイト:http://hamaji.jp/
歌のお姉さんに決まったときは、うれしさよりも責任の重さが
はまじ きゃ~っ、本物のあつこお姉さんに会える日が来るなんて! うれしい~~!!
あつこ (興奮ぎみのはまじに照れながら)ありがとうございます。
はまじ 息子が今、小学校2年生で『おかあさんといっしょ』はずっと観ていました。以前、(横山)だいすけお兄さんに対談のゲストで来ていただいたときもお話ししたのですが、収録の抽選に当たって参加したこともあるんですよ。
あつこ すごい、そうだったんですね! 息子さんは緊張したりしませんでしたか。
はまじ 最初はあつこお姉さんと、(花田)ゆういちろうお兄さんに促されて、一番前に座っていたのに、『ブンバ・ボーン!』のときには、後ろでずっと壁を指でなぞりながら歩いていて。ある意味、一番目立ってました(笑)。いろいろなお子さんがいるから、収録はエネルギーを使うでしょうね。
あつこ はい。でも、その子どもたちから、すごくエネルギーをもらっていたんだなとコロナ禍であらためて感じました。収録の形態が変わって、スタジオに子どもたちがいない時期があったんです。
はまじ そうでした。あれを見て、私たちの日常が本当に変わったんだって、思い知らされました。
あつこ 最初は1~2カ月で元に戻ると思っていたんですけど、結局、1年以上、子どもたちが来られなくて。そんな中でお子さんがイラストを送ってくれたり、親御さんがお手紙をくださったおかげで、「ああ、番組が届いているんだな」とすごく励まされました。
はまじ コロナ禍で不安だった親子にとっても、番組がすごく支えになったと思います。そもそもどうして歌のお姉さんを目指そうと思ったんですか。
あつこ もともと子どもが大好きで、音大に通っていたとき、地域の児童館でずっとアルバイトをしていたんです。卒業後はピアノの先生になるつもりでした。そうしたら卒業の年、先生に「歌のお姉さんのオーディションを受けてみない?」って声をかけられたときも、私にとって歌のお姉さんは雲の上の存在だったし、本気で目指している人がたくさんいる中で「子どもが好き」っていうだけで、自分がお姉さんになっていいのかなと悩んだんですけれど、たくさんの子どもと触れ合うことができたら楽しいだろうなと思って、オーディションを受けました。
はまじ オーディションに受かって局に行ったら「歌のお姉さんになるということは、死ぬまで一生、『歌のお姉さん』でいることです。その覚悟がありますか?」と聞かれたというインタビュー記事を読んで、すごいなって。
あつこ 私もそのときは、うれしさより、責任の重さを感じて、身が引き締まる思いでした。
おいしいものがストレスを浄化してくれる!?
「最強のごはんの供は? 私は母の作るイクラの醤油漬け。イクラのお風呂に入りたいくらい(笑)」(はまじ)
「福岡の高菜こんこんです。高菜の炒め物で、エンドレスでごはんが何杯でも食べられます!」(あつこ)
はまじ あつこお姉さんが番組に出始めた頃、ロケで長い階段を上がった後「ハァハァ……大変でした」って、びっくりするくらい普通のリアクションだったんです(笑)。でも、その素朴さがすごくいいなと思って、「あら、頑張ってるじゃない?」って。誰目線、って感じですけれど(笑)、そんなあつこお姉さんが、どんどん成長して、歌もダンスも磨かれていくのを見て、私をはじめ、お母さんたちは、みんな「私が育てた」って思ってたと思います。だから応援の仕方が熱いんですよね。
あつこ ありがたいことですよね。
はまじ しかもあつこお姉さん、歌もダンスもキレッキレなのに、どこかおっとりマイペースで、もしかして天然?って(笑)。
あつこ 自分ではそのつもりはないんですけれど、どこかズレているところがあるのかもしれないです。歌のお姉さんになりたての頃、普段からお姉さんみたいな格好をしなきゃいけないのかなと思って、くまのセーターとかを着ていったら、だいすけお兄さんに「そういうのは違うから、やめたほうがいい」って言われました(笑)。
はまじ あははは! かわいい~。怒ったりすることもありますか?
あつこ 理不尽な出来事をニュースとかで見ると、もやもやしますけれど、そっちに気持ちが引っ張られたら時間がもったいないので切り替えるようにしています。
はまじ それはどうやって?
あつこ 深呼吸したり、空を見たり、おいしいものを食べたり。
はまじ 番組でもゆういちろうお兄さんに食いしん坊キャラを暴露されていましたよね(笑)。ストレスを解消したいときによく食べるものは何ですか。
あつこ ラーメンです! 歌のお姉さん時代も落ち込んだりしたときは、帰りにひとりでラーメン屋さんに行くのが心のデトックスでした。おいしいものを食べると心身ともに浄化されるんです(笑)。あと半年に1回くらいは、自分へのご褒美で、ひとり焼き肉にも行ってましたね。浜島さんは?
はまじ 例えば旦那に対して、「また靴下脱ぎっぱなしにして!」とかイラっとしたら、最近は、スーパーで1パック398円のタラコを買ってきます。それで炊きたてのごはんで、ひとりで食べる(笑)。普段3パック98円の納豆を買う自分にとっては、それってけっこうな贅沢なの。それで「ひっひっひ……」って、憂さを晴らしてます(笑)。それにしてもあつこお姉さんが、ひとりラーメンにひとり焼き肉なんて!? 意外だけど、超親近感!!!
ターシャ・テューダーのように暮らすのが憧れです
「たいへんなことがあっても、『あつこお姉さん』と子どもたちに呼ばれると苦労を忘れます」(あつこ)
「歌を歌うことは、天職ですね。全国を回って、子どもたちを笑顔にしてあげてください」(はまじ)
はまじ 歌のお姉さんを卒業してからは、どんな活動をしていますか。
あつこ やはり子どもたちに歌を届けるお仕事を続けています。それが一番の生きがいなんですよね。イベントやコンサートで、地方にもよく行くんですけれど、今まで以上に、お子さんや親御さんとの距離が近くなったように感じています。子どものときの体験って、すごく大事だと思うので、何かのきっかけづくりに、自分が参加できたらうれしいですね。
はまじ 昨年で30歳になりましたけれど、これからどんな女性になりたいと思っていますか?
あつこ 私、ターシャ・テューダーさんがすごく好きなんです。
はまじ アメリカ人の絵本作家さんのおばあさんですよね?
あつこ はい。92歳で亡くなったんですけれど、絵本を描いたり、お庭をつくったり、お人形を作ったり。人を愛して、植物を愛して、暮らしを愛して、自分の好きなものに囲まれて生きた人でした。私も歌のお姉さんを卒業して、より俯瞰で自分を見る機会が増えたことで、自分にとって、心地いいものがどんなものか、わかるようになってきました。
はまじ 夢中で走っていた20代には見えなかったことですね。
あつこ それで30歳になったとき、1回全部リセットしたくて、ずっと使っていないものをいったん整理したんです。ターシャさんのように心地いいと感じるものだけで空間を満たしたいなと思って。着なくなった洋服も全部リサイクルに出しました。でも、そしたら着る服がなくなっちゃって。
はまじ やっぱり天然ですね(笑)。あつこお姉さんの癒しパワーが半端ない、私、今足湯につかってるみたいです。
あつこ 浜島さんこそ、陽のオーラがすごい。見習いたいです!!
撮影/田形千紘 ヘア&メイク/後藤奈美(小野さん) ナライユミ(浜島さん) スタイリスト/三原千春(小野さん) 福田麻琴(浜島さん) 取材・原文/佐藤裕美
こちらは2022年LEE12月号(11/7発売)「はまじのずっと好きでした」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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