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思わずこの2ショットに、自然と笑みがこぼれてしまう。愛されキャラの田中圭さんの素朴で温かな魅力が、並ぶと余計ににじみ出る。
犬のハウに感情移入して、すごく心動かされました
────田中 圭さん
![【田中 圭さんインタビュー】犬のハウに感情移入して、すごく心動かされました](https://lee.hpplus.jp/wp-content/uploads/2022/08/03/bc934f2e280873cd206f172feefa8232.jpg)
ジャケット¥396000・ニット¥83600・パンツ¥124300・ベルト¥58300/エトロ ジャパン(エトロ) その他/スタイリスト私物
「ちょっとヤンチャでお利口さんで可愛くて。犬はずっと身近な存在だったしとても好きなので、スムーズにコミュニケーションも取れました。ただ、天才犬だけど脚本を理解して演技するわけではないので、(掛け合いでなく)自分で芝居を作らなければならないのは、少し苦労しました。でも撮影を一緒に楽しめている、心が通じ合っていると感じる瞬間が何度もあって、すごく楽しかったです」
田中さん演じる民夫は、人生のどん底で落ち込み中。そんなとき、保護犬のハウを引き取ることになり、ハウによって次第に癒されていく。
「ハウが来てからの民夫の変化が、演じるうえでの要。その出会いがどれほど大事だったか、一緒に過ごした時間がどれほどかけがえのないものだったか、と。ところがハウが突然いなくなり、癒えることのない悲しみと後悔に民夫が苛まされて……」
偶然のアクシデントで横浜から青森に運ばれてしまったハウが、民夫の元に戻るため日本縦断の旅に。その道中、ハウといろんな人々との出会いや交流が、大きな見どころだ。
「ハウの冒険を見たら、気持ちがメチャクチャ伝わってきて、ハウに感情移入しちゃって(笑)、ものすごく心動かされました。動物好きな方は涙腺が刺激されまくりでしょうし、楽しいだけの映画ではないのに、心がほっこり多幸感に包まれました」
ハウが出会うのは、放射能汚染地域から避難しイジメに遭う女子中学生、夫のDVでシェルターへ逃げ込んだ女性、夫に先立たれ、ひとり傘屋を営む女性(宮本信子)など。
「誰のことも疑わず、何の計算もなく、ただ寄り添うハウによって人々の凍った気持ちが溶けていく──。どのエピソードも心に残っていますが、お婆ちゃんっ子の僕としては、特に傘屋さんの話がしみたかな。シャッター街など地方の現状や孤独など社会問題を背景に、ハウがただお婆ちゃんにぬくもりを与えて去るだけ。問題を解決しすぎないのが、逆に僕にはとても意味あるものに思えて」
果たしてハウと民夫の再会は叶うのか!? 切ないラストがまた秀逸だ。
「大切に思っているからこそ、それを受け入れる優しさ、というか。ハウは民夫をたくさん救ってくれたし、ステキなものをたくさんくれた。だからこそできた選択だと思います」
さて田中さんと言えば、年に何本もの主演作を抱える超人気俳優。その状態が近年ずっと続いているのは、誰もが知るところだろう。
「実は、今年は久しぶりに同時期に別作品が重なることなく、定期的にきちんと休みが取れている状況です。日中に子どもと出かけたり、奥さんと夜ドラマを見たり、家族と過ごす時間が増えました。自分の時間も持てて、以前より精神的に安定している気がします」
それは一作に向かい合う時間や思いが増幅されることにつながるのか。
「いや、僕にとって忙しいかどうかは、何も影響しないとわかりました(笑)。それぞれの作品に100%で向かうのは変わらないので。作品選びは、基本事務所任せ。というのも、自分がやりたいことだけやっていたら、逆につまらないと思うから。むしろ自分のやりたいことばかりやらないよう、気をつけているんです」
たなか・けい●1984年7月10日、東京都出身。ドラマ『WATER BOYS』(’03年)で注目され、以降、数々の作品に出演。『おっさんずラブ』(’18年)で大ブレイク。近年の出演作に『総理の夫』『そして、バトンは渡された』『あなたの番です 劇場版』(すべて’21年)、『女子高生に殺されたい』(’22年)など。9月17日よりHuluオリジナルドラマ『死神さん2』配信開始、11月に舞台『夏の砂の上』に出演。
公式サイト:https://tristone.co.jp/kei/
『ハウ』
![『ハウ』](https://lee.hpplus.jp/wp-content/uploads/2022/08/03/32e32796488707c157a52bcdef8dd4d7.jpg)
©️2022「ハウ」製作委員会 配給:東映
婚約者に突然フラれ、人生どん底の民夫(田中 圭)は、犬や猫の保護シェルターをやっている上司の妻に頼まれ、真っ白な大型犬を引き取ることに。人間の都合で手術され、「ハウッ」とかすれ声しか出ない犬を“ハウ”と名付けて一緒に暮らすうち、民夫は元気を取り戻していく。ところがある日、突然ハウが姿を消して……。監督は犬童一心。8月19日より全国ロードショー。
撮影/花村克彦 ヘア&メイク/SHIGE スタイリスト/柴田 圭(tsujimanagement) 取材・文/折田千鶴子
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