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映画ライター折田千鶴子のカルチャーナビアネックス

祝カンヌ受賞!『PLAN 75』で早川千絵監督が描きたかったこと【75歳で自ら生死を選択する近未来】

  • 折田千鶴子

2022.06.17

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カメラドール スペシャルメンション(特別表彰)に輝く!

早川千絵監督、おめでとうございます! インタビューをさせていただいたのは、監督がカンヌに旅立つ1週間くらい前のこと。直接、お祝いを申し上げること&カンヌの感想をお聞き出来ないのが残念ですが、まさに快挙! 素晴らしく嬉しいニュースに、大喜びした映画ファンは本当に多いと思います。最近の日本映画界、暗い問題ばかりが噴出している(色んな問題をちゃんと表沙汰にして、解決していくのが最も大切ですが……)ので、このニュースは本当に久々に映画界を明るく照らしてくれました。

早川 千絵(監督・脚本)
NYの美術大学 School of Visual Arts で写真を専攻、独学で映像作品を制作するように。短編『ナイアガラ』(14)がカンヌ映画祭シネフォンダシオン部門入選、ぴあフィルムフェスティバルグランプリ、ソウル国際女性映画祭グランプリ、ウラジオストク国際映画祭国際批評家連盟賞など、数々の賞を受賞。是枝裕和監督総合監修のオムニバス映画『十年 Ten Years Japan 』(18)の中の一篇、『PLAN 75』を監督。 その短編を再構築した本作で長編映画デビュー。

カンヌに出品されること自体、簡単でないことはご存知の通りですが、本作が選出された「ある視点」部門は、新しい視点や新しいスタイル、斬新さやユニークさが特に重視される部門。言い換えれば、新たな作家性が色濃く見出される作品、唯一無二の世界観を持つ監督が選ばれる部門です。さらに、新人監督賞にあたるカメラドールの特別表彰に輝いた、早川千絵監督。これは、その未来が大いに期待されているという非常に嬉しい賞なんです。

その『PLAN 75』は、75歳から自分の生死を選択できる制度が導入された近未来の日本が舞台です。

──初長編映画を完成させたわけですが、これまでの短編とは大きく何か変わりましたか。

「短編の『PLAN 75』を撮ったときに、初めてプロのスタッフの方々とお仕事をしたので、“映画制作ってこういう風に進めていくのか!”ということを初めて知ったんです。それまでは自主映画しか撮ったことがなかったので、こんなプロの方々が色々とやってくれるなんて、なんて楽なのか、と(笑)。撮影期間はたった3日でしたが、美術、照明、ヘアメイクの方までいる、という環境が初めてで。ロケ場所のリサーチや撮影の許可どりも制作の方がやってくれるなんてと感激しました。こういうプロのスタッフがいるのなら、自分でも長編映画が撮れるのではないかと思えるようになりました」

──多数の賞を受賞した短編『ナイアガラ』にしても、完全な自主制作だったのですね。

「はい。お弁当の発注から、みんなのスケジュール組みから、ロケハンに行って自分で交渉して。機材の手配から、とにかく関わることすべてを自分でやっていたんです。それも楽しかったですが、すごく大変でした」

『PLAN 75』ってこんな映画

6月17日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
©2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee

少子高齢化がさらに進んだ近未来の日本。75歳以上の人々は、申請すれば国の支援によって安らかな最期を迎えられる制度<プラン75>が施行され始める。夫と死別したミチ(倍賞千恵子)は、78歳の今もホテルの客室清掃の仕事をしているが、仕事中に仲間が倒れたのを機に、退職を余儀なくされる。再就職先も見つからず、生活の見通しが立たず――。一方、<プラン75>の申請窓口で働くヒロム(磯村勇斗)は、申請にやってきた長年疎遠の叔父と再会する。娘の手術費用を稼ぐためフィリピンから来日し、介護職で働くマリア(ステファニー・アリアン)は、より高給の仕事を紹介され、<プラン75>関連施設の遺品処理係として働き始める―—。

──まず、本作の座組みが面白い。製作陣や編集その他のスタッフに海外の方が複数、参加していますよね。その経緯を教えてください。

「元々、短編版『PLAN 75』は『十年 Ten Years Japan』のプロデューサーの一人、水野詠子さんに声を掛けていただいて撮ることになったのですが、その後、長編も一緒にやりましょう、という話になりました。国際共同制作にしようということは初めから水野さんと決めていたので、海外の映画祭や企画マーケットをまわって、本作のプレゼンをしたんです。そこで最初に手を挙げて下さったのが、フランスの会社で。その後、フィリピン、カタールのパートナーが見つかって、日・仏・フィリピン・カタールの4国合作で製作することになりました」

──元々、短編『PLAN 75』を撮る前に長編として構想していたそうですが、基本的に、その時に既にあった脚本で本作を撮ったのですか?

「元々の長編は、5人の登場人物を中心とした群像劇を考えていました。そんな時、『十年Ten Years Japan』の話をいただいて、十年後の日本社会を描くというコンセプトが本作に合っていると思ったのでまずは短編を作ってみようと。5人の登場人物の1人を選んで18分の短編に仕上げました」

──本作は主に3つの物語から成っています。元々の5人の中から3人を選んだのですか?

「いえ、ミチ(倍賞千恵子)とマリア(ステファニー・アリアン)は元々の構想に入っていましたが、ヒロム(磯村勇斗)は今回、新たに作り出した人物です。その他の人物については、ちょっと詰め込み過ぎになる気がしたので削りました。脚本作りには4年をかけて色々と試行錯誤した結果、現在の形になりました」

──短編『PLAN 75』を経て、改めて同じ題材で長編に向き合ったとき、どのように短編を意識しましたか?

「短編は尺が短いので、問題提起をすることに主眼を置きました。不安を煽ったところで終わる、という。でも長編にするなら、それだけでは成り立たないと思っていました。さらに、脚本開発をしている間にコロナ禍となり、現実自体が非常にシビアになってしまった。多くの方が亡くなられ、世界中が不穏な空気に包まれる中で、さらに人々の不安を煽るような映画を作るべきなのか迷いました。ただ不安を煽るだけで終わらせてはいけない。何らかの希望や自分の願いのようなものを映画に込める必要があると思い、脚本を直していきました」

一見した優しさが、柔らかな圧力になっていく

──実は私、自由に選べるのなら“プラン75”って、いい制度ではないのかと思ってしまいました。野垂れ死にしたくない人にとっては、ありがたい制度だな、と。

「そうなんですよ。実際に、こういう制度があった方がいいという人は、とても多いんです。それも予想していた通りでした。私ですら、あった方がちょっと安心だな、と思ったりもするところがありますから。だからこそ“本当にそれでいいのか!?”と立ち止まって考えたかったんです」

──映画を観て初めて、一見すると優しく見えることが、次第に“柔らかな圧力になっていく”ということに気づかされました。

「そういう感想が聞けると嬉しいです (笑)」

──短編の『PLAN 75』では主人公が義理の母のことで悩む、本作におけるヒロムは、疎遠にしていた叔父さんのことで悩む。実の親ではないところが絶妙ですよね。

「自分の親だったら、みんな“どうしよう!? ”と考えると思うんです。そうすると、どういうドラマになるのか想像がついてしまうし、家族の葛藤のドラマになってしまう。でも私は、家族の葛藤を描くヒューマンドラマを作りたかったわけではないので、敢えてちょっと関係をズラしました。実の家族と他人の間のような存在にした方が、より考えが膨み、想像力を刺激するのではないか、と。容易に一括りにできない感情の物語が生まれると思いました」

──冒頭、いきなり障害者施設殺傷事件を彷彿とさせるシーンが、非常に印象的な強さでガツンと入れられています。ここだけ、クラシックの美しい旋律が非常に印象的に鳴り響いて。

「相模原の事件にはかなり衝撃を受け、この作品を作るトリガーになった一つでもあるんです。“プラン75”というシステムは、冒頭の事件とは全く様相が異なっていて、一見とても優しくて親切なシステムに思えます。関わっている人もみんなとても優しく、ニコニコと対応していますし、申請する側もみんな穏やかに受け入れているように見える。でもこのシステムの根底にある思想は、冒頭の事件となんら変わらない、とても暴力的で残酷で非人間的なことであるということを表現したかったんです。そういった意味でも冒頭のシーンはとても重要でした」

──それ以降は、極力いろんなものを削ぎ落とした表現、観客が思わず想像して補っていく作りになっています。セリフも少ない。脚本には、どこまでを書き込んでいたのでしょう? 例えば、何かを言った後の表情や間、後ろ姿に“何か”をたくさん存在させています。

「そういうことも含めて、ちょっとした表情や感情の揺れの表現については、ほぼすべて脚本に書き込んでいたと思います。確か、“わ~っ”と喋った次の瞬間に密かに溜息をつくとか、表情が固まるとか、そういうことなども」



倍賞千恵子さんは常に安定、常に完璧!

──キャストについて教えてください。まずはミチを演じた倍賞千恵子さん。さすがの味わいでした。

「脚本を書き上げ、どなたにお願いしようか考えていた時、真っ先に浮かんだのが倍賞さんでした。どんどん追い詰められていくミチという女性を、あまりミジメだとか同情を買うような人にしたくなかったんです。そういう状況に置かれても、凛としていて人間的な美しさみたいなものがある方がいいな、と思いました。加えて仕事をしている女性という役でもあるので、その年代でそれをリアルに演じられる方がいいな、と。倍賞さんの出演作を観て来た中で、特に働いている女性の役が強く印象に残っていて、その働く姿が板についていて美しいなあと思ったので、倍賞さんにもそれをお伝えしてお願いしました」

──倍賞さんからは、ミチについて何か質問されましたか?

「最初のホン読みのときに、ミチはどこで生まれ、どういう人生を送って来たのか、と。その時にミチの人生を一から説明しましたが、それくらいでした。あとは倍賞さんの脚本に対する理解が本当に深くて、私よりも分かっていらっしゃるんじゃないかな、と思うくらいでした」

──ミチさんの暮らしぶり、例えば爪を切るシーンなどの日常を、割に長くカメラが捉えています。

「ただ寂しいだけの一人暮らしではなく、私たちと変わらずに普通に生活を送っているという姿を、ちゃんと見せたいと思いました。私の母が一人で暮らしているのですが、その姿がイメージにあり、一人でテレビを見ながらご飯を食べている姿とか、日常の風景をちゃんと見せたいな、と」

──何気ない言動や仕草や表情が本当に素晴らしいのですが、倍賞さんは自らどんどん演技を広げていかれるのか、それとも脚本に書いていあることを忠実にキチッと押さえられるのか、どういうタイプでしたか?

「脚本に書かれたことを、完璧にされる方でした。それに加えて、食べるときに手を合わせたり、ロッカーをハンカチで拭いたり、ミチならきっとこうするだろうという動きや仕草を、私が何も言わずとも自然にされていました。セリフが完璧に(頭に)入っていらっしゃるし、難しいシーンでも、ビシッ、ビシッと完璧な芝居をしてくださる方でした。だからテイク数も断然に少ないです。限られた撮影日数で時間がない中、出ずっぱりだった倍賞さんがワンテイクでばっちりきめてくださるので、何とか撮り切れたという感じです(笑)」

──例えば、ミチが電話を切るシーン。話が終わって受話器を置くまでに、なにか逡巡しているように受話器を胸に抱え、少ししてからチンと電話を置く。その姿に、もう目が釘付けになり、心が揺れます。そういう何気ないシーンは、なにか監督の演出が入っているのですか?

「いえ、あのシーンでは私は細かい演出はしておらず、倍賞さんが自ら生み出したお芝居です。脚本には“受話器を置く”と書いてある程度なんです。ミチがそこで生きて自然に動いている、すべてがそういう感じでした。倍賞さんの芝居にはいつも釘付けになっていました。

磯村勇斗さんと河合優実さん

──今をときめく磯村勇斗さんも、やっぱりいいですね。作品ごとに顔も変わるし、なんかすんなりこの世界に馴染んでいて。

「セリフも多くない役だけに難しいかと思いましたが、本当に理解が速く勘のいい方でした。微妙なニュアンスの違いを、私の言葉でうまく伝えられるだろうかと心配しながら説明しても、ちゃんと私の意図をくみ取って演じ分けられる方でした。わざとらしくなく、表情だけのお芝居を本当に上手くやっていただけたと思いました」

──この人気の高さ、分かるぞ、と!?

「ですね(笑)。磯村さん自体に、色気があると思いました。役についてたくさん話したわけではないのですが、すごく悩んで演じられていたり、苦しんで絞り出している感じでもなく、非常に軽やかに演じていた感じです。ほんの時々、例えば、“このセリフを言うためには、感情的に少し時間が必要ですが、すぐに言わないとダメですか!?”という質問をされたりしました。だから、好きなだけ“間”を取ってください、私は“間”が大好きなので、と(笑)。感情が乗るまでに必要な時間を、ちゃんと自分で考えてらっしゃるんだな、と思いました。撮影を楽しんでくださったようで、現場がとても楽しかったと言ってくださったのが、すごく嬉しかったです」

──一方で、色んな作品を観るたびに、河合優実さんの上手さにも唸らされます。彼女もまた、作品ごとに本当にガラリと変身しますよね。顔も変わる。

「もう、素晴らしいの一言です。実は以前、事務所のホームページに載っていた写真を見て、出演作を観る前から一目惚れしてしまったんです。新しい方が入られたのか、この人いいな、とずっと思っていて。実は彼女が演じた瑶子という役は、最初は30代くらいの年齢で考えていたんです。でも、もし河合さんだったらと思ったら、どんどんキャラクターが転がり出して、本当にステキなシーンになっていきました」

──ミチと(彼女の申請を担当する)瑶子の年齢差が大きくなった分、そこもまた物語が膨らんだと思います。ところで劇中、瑶子が一瞬カメラを直視します。ドキリとさせる、あれは?

「脚本にそう書いていました。ただ、書いたはいいけれど、シーンとしてうまく成立するだろうかと少し心配していました。でも河合さんが完璧にやってくださって、スゴイ…と(笑)。大事なシーンなのでテイクを重ねましたが、結局使ったのは最初のテイク。私が何も言わずに河合さんが好きなように演じたテイクです。あのシーンに関しては、観る方によっていろんな受け取り方があると思います。」

カメラマンの一言にハッと気づかされる

──どこまでを見せ、どこからは想像させるか。そこが本作の特徴や味でもあると思いますが、カメラマンとはどのように呼吸を合わせました?

「絵コンテは一切描いていません。そのかわり撮影に入る前に、ものすごく密にコミュニケーションをとりました。カメラマンの浦田秀穂さんはシンガポール在住なので、コロナ禍でなかなか日本に来られませんでしたが、どういう映画が好きか、本作の脚本についてなど、撮影前にたくさん話をしました。お互いが好きなものが分かって来て、しかもそれがとても似ていたので、撮影に入ってからは本当にもう、全面的にお任せしていました。ちょっと違うなと思ったときは言いますが、そういうこともほとんどなく、私が想像している以上の画をいつも撮ってくださるので、浦田さんが今日はどんな画をみせてくれるだろうと毎日楽しみでした」

──このシーンはどう撮るかなど、事前に話し合って現場に臨んだ?

「いえ、それもほぼしていないです。というのも現場で役者さんが入って動かないことには、どうやって撮るか細かく決められないし、事前にそれを決めてしまうのは面白くないと思ったので。準備期間中は浦田さんと色んな話をしましたが、浦田さんから、“撮影期間中は監督の仕事は役者さんと向き合うこと。演出するのが監督の仕事です” と言われたときにハッとしたんです。それまで私は、どんな場所でどうやって撮るかなど、“画”のことばかり考えがちでした。でも、浦田さんの言葉に“そうだ!”と納得して。丁度その頃にホン読みや衣装合わせが始まり、役者さんたちに対峙するフェーズに入ったので、そこからは役者さんをどう演出するかに完全に集中しました」

──それで自分が望んだ画が撮れていた、というのは素晴らしいですね。

「浦田さんだけでなく、プロデューサーや照明技師、編集者など、主要スタッフと作りたい映画の方向性が一致していたことは幸運でした。観客を信じて大丈夫だ、という感覚の人たちだったので、その辺は思い切り出来たというか(笑)。」

──スタッフ選びも本当に重要ですよね。

「なかなか言及されることが少ないのですが、編集も非常に重要な要素だと思っています。今回、アン・クロッツという女性に編集をお願いしました。フランスのステファヌ・ブリゼ監督とずっと組んで来た編集者で、彼女の編集がとても好きだったんです。それでお願いできないかとフランスのプロデューサーに連絡をとってもらったら快諾していただいて。彼女の編集が本当に素晴らしかったんです。編集によっては、全く違う映画になってしまう可能性もありましたから」

──ステファヌ・ブリゼ監督の『母の身終い』もそうですが、『愛、アムール』『ブラックバード』『君がくれたグッドライフ』など、尊厳死をテーマにした秀作が多く作られています。“死を自分の意志で選ぶ”という尊厳死については、私は支持派・肯定派なのですが、監督はどのように考えていますか?

「一見、本作と似ているように捉えられてしまうかもしれませんが、まず本作は、尊厳死や安楽死の是非を問う映画ではありません。なので、今はその点についての意見は控えたいと思います。ただ、ブリゼ監督の『母の身終い』は、テーマということではなく、静かな情景描写に関して、参考に何度も見直しました。テーマは違いますが、生と死を扱っているという点は通底します。また、自分の感情を直接伝えられないという部分も。その“言えない感じ”であるとか……。主人公のお母さんの凛とした感じなども、すごく印象に残っていました」

苦しいのは高齢者だけではない

──最後に監督と同世代でもあるLEE世代の観客に向けて、どんなことを感じて欲しいか、お願いします。

「今は、ちょっと間違えたり失敗したら、バッシングされ、責められ、論破されるような他人に厳しい風潮がありますよね。この殺伐とした感じは何なんだろう、と。そういう社会になってしまった今、生きづらいのは何も高齢の方たちばかりではないと思うんです。若い人や30~40代の人も同じだろうと。困ったときに“助けて”と言いづらい社会だと、きっとみんなも感じていると思うんです。そして、多くの人が“生きづらいのは自分のせいだ”と思ってしまっているような気がして……。そんな風に思わなくてすむ社会になっていって欲しいと私は思っています」

今回、ポストプロダクションーー編集、音楽、サウンド、カラーの仕上げは、すべてフランスでやったという本作。監督曰く「よく言われるように“映画言語”という共通の言葉があるので、全く支障はありませんでしたよ」の通り、今後ますます国際的な枠組みでいろんなことを考えていく可能性を示してくれた意味でも、本当に未来を明るく照らしてくれる重要な一作だと思います。

決して重たい映画ではないので、この先私たちが、これから超高齢化社会に入っていく日本をどうしたいのか、どうすべきなのかを考えさせてくれる本作を、“ほんの軽い気持ち”で観に行って欲しいです。

誰もが“大切にされたい、尊重されたい”と思っている今の日本の未来を、こんな角度から照射してくれた本作、絶対に見逃さないでください!

映画『PLAN 75』

6月17日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開

配給:ハピネットファントム・スタジオ

©2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee

日本/112分/配給:ハピネットファントム・スタジオ

監督・脚本:早川千絵

出演:倍賞千恵子、磯村勇斗、たかお鷹、河合優実、ステファニー・アリアン、大方斐紗子、串田和美ほか

『PLAN 75』公式サイト

 


 

撮影:細谷悠美

折田千鶴子 Chizuko Orita

映画ライター/映画評論家

LEE本誌でCULTURE NAVIの映画コーナー、人物インタビューを担当。Webでは「カルチャーナビアネックス」としてディープな映画人へのインタビューや対談、おススメ偏愛映画を発信中。他に雑誌、週刊誌、新聞、映画パンフレット、映画サイトなどで、作品レビューやインタビュー記事も執筆。夫、能天気な双子の息子たち(’08年生まれ)、2匹の黒猫(兄妹)と暮らす。

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