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手仕事を慈しむ。金継ぎと、フィールドオブクラフト倉敷2022のこと【LEE DAYS club ミワコ】

  • LEE DAYS リーデイズ

2022.06.20

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器、グラス、籠、木工、絵、家具……気に入ったものをひとつずつ購入していき、気がつくと、わが家には、作家さんの手仕事の作品が溢れています。

今回は、愛してやまない器を長く使うために始めた金継ぎと、私が手仕事の作品を好きになったきっかけでもあるクラフト展、フィールドオブクラフト倉敷2022についてレポートします。

2年前から金継ぎを習っています。

器に興味を持つようになったのは、結婚して自分で料理を作るようになってからです。イタリアンの料理教室に通っていたこともあり、アレッシィやジノリの洋食器を少しずつ買い足していました。

和食器に興味が移り始めたきっかけは、息子が通っていた保育園の隣にあったギャラリーの展示会で、陶工房ゆうらぼの千田稚子さんの器に出会ってから。

千田稚子さんの器は、洋食器の延長のような気軽さで、ほっこりしつつ、しゅっとしたところもあり、それまで抱いていた和食器のイメージ(絵柄入りの陶磁器か、分厚い陶器)を変えてくれました。子育てに奮闘していた頃でもあって、古民家ギャラリーの雰囲気にも癒され、食卓の風景が楽しくなりそう!と、新しい世界が開けたような気がしたのを覚えています。

千田稚子さんの器

千田稚子さんの器で、いちごタルトのおやつの日。白いケーキ皿は、どんなお菓子も受け止めてくれます。後ろのゴブレット、カップも千田稚子さんのもの。倉敷のリョクさん、岡山のゆくりさんで購入したものです。

それから、和食器のいろはを学びつつ(電子レンジ、食洗機はだめ、使う前にひと手間必要、6寸は何センチ?とか)、信楽焼などの作家さんの器を少しずつ集めるようになりました。

信楽焼

ATELIER DE LENTOさんのチーズタルトを乗せたお皿は、素敵なオーナーさんが営まれていたネットショップで購入した信楽焼のもの。どなたの作品か失念したのですが、15年以上、現役で使っています。カップは、千田稚子さんのもの。

わが家は、それまで、食器をあまり割ることはなかったのですが、買ったばかりの器を割ってしまったことをきっかけに、2年ほど前から、金継ぎを習い始めました。

雅姫さんの金継ぎ、憧れます。

雅姫さんと金継ぎ「人ともののかけがえのない関係を、つなぎ直す」【LEE DAYS】

金継ぎした器たち

習い始めて、金継ぎした器たちです。

金継ぎした器

欠けが多くできていた井山三希子さんの器を、錫で金継ぎしたら可愛くて、余計に愛着が湧いています。

トリプレート

イイホシユミコさんのトリプレートも、真鍮で金継ぎをしたものが可愛くて、よく使っています。

金継ぎした器

佐藤もも子さんの器(左下)は、かなり大きく割れてしまったのですが、継ぎ目も含めて愛おしいです。見えにくいですが、青もみじの上側が、割れを継いだところです。

金継ぎの風景

金継ぎは、大きな流れは、

1.割れている部分は接着、欠けは下地で埋めて

2.接着部や下地の上に漆を塗り、

3.その塗面の上に金や銀、錫、真鍮等の金属粉を蒔いて定着させて完成するものです。

今は、和田麻美子さんの花器を、金継ぎ中です(キャットウォークから、かけていた洗濯物が落ちて、下にあった花瓶に当たって取手が取れてしまいました)。この日、前回塗った漆を、カッターナイフで削り、表面を整えました。

金継ぎの風景

カッターナイフや、紙ヤスリで表面を整えます。

和田麻美子

取手の部分は小さくて難しい!

金継ぎの様子2

継いだところを綺麗にしたら、再度塗り重ねていきます。

この日は、前回真鍮を撒いて最後の仕上げをした器が完成していました。持ち帰って使うのが楽しみ!

最後の仕上げまで、塗っては削りを何度か繰り返します。月に一度通っていて、行けない月もあるので、完成までに半年くらいかかりますが、その分できたときの喜びもひとしおです。もう、全部継げたかなと思うと、器の欠けがあるのを見つけたり、割れてしまったり、作業が終わることがありません(笑)。

これからも楽しみながら、続けられたらいいな、と思うことです。



令和4年5月21日、22日、フィールドオブクラフト倉敷2022が開催されました。

フィールドオブクラフト倉敷

倉敷駅から徒歩15分。毎回、美観地区の南にある倉敷芸文館で開催されます。

和食器に興味が湧き始めたのと同時に、作家さんの木工製品やガラス製品など、クラフト作家さんの作品に惹かれるようになったのは、このクラフト展の影響も大きいです。

今回で15回目だったクラフト展。コロナ禍で延期があり、3年ぶりの開催でした!

全国のクラフト作家 59組による作品の展示と、8組のワークショップが開催され、会場内には、おしゃれな飲食ブースも並びました。

フィールドオブクラフト倉敷2022会場図

フィールドオブクラフト倉敷2022の会場図です。

展示部門は、陶磁、ガラス、革製品、布、木工等の様々なジャンルの展示があり、

展示の様子

展示の様子。新緑を背景に、器が並べられ、作家さんとやり取りしながら購入できるのは貴重な時間です。

ガラス展示

ガラスも外の光で綺麗です。

ワークショップも、子どもから大人まで楽しめる内容になっています。

小黒三郎さんの組み木のワークショップ

子どもたちが小さい頃に、小黒三郎さんの組み木のワークショップで作ったイルカは、今も棚に飾っています。

子どもたちが小さい頃は、午前中に家族で来て、ワークショップをし、子どものお昼寝時間に、一人で来て、クラフト作家さんの展示をゆっくり見る、といった感じで参加していました。

100人隊の活動を始めてからは、このクラフト展に合わせて、メンバーが集まる日となりました。

今年も、元100人隊倉敷メンバーと、名古屋、愛知、香川から、とメンバー6人と再会できて、嬉しかったです!

足元写真

4人の足元!みんな可愛かった!

 

照井壮さんの器

今年は、照井壮さんの器を2枚、購入しました。朝ごはんや取り皿として、ちょうどよいサイズ感です。みんなでワイワイ相談しながら購入したのも、よい思い出となりました。

今回、ボランティアスタッフ経験をさせていただきました。

イベント2日目は、大好きなクラフト展で、何かお手伝いしたい!と実行委員の方にお願いして、ボランティアスタッフとして、参加させていただきました。

午前中は、ワークショップの受付係をしました。目をキラキラさせて作品を作る子どもたちが見えて、とても嬉しかったです。

午後は、15回開催記念の冊子、「変わるもの、変わらないもの」のブースで、来場者の方に記念誌をお渡ししました。

ブースには、冊子に掲載している作品を含む十数点を実際に見ていただけるよう、展示コーナーを設けていて、作り手さんから、使い手さんへ渡されたバトンが引き継がれ、暮らしに根付いている様子が手にとって確認いただけるブースになっていました。

展示ブースの様子

冊子もとても素敵です!

記念冊子の中身

フィールドオブクラフト倉敷で購入した品々が大切に暮らしの中で、使われていることがわかります。

ご家族と、友達と、お一人で、いろんな世代の方が、いろんな楽しみ方をしているのを、冊子をお渡ししなが見られて、嬉しい時間になりました。

何より、実行委員の皆さんが真剣に楽しみながら運営されているのを身近に感じることができて、感謝です。

6月は、自分の誕生月です。

6月初めに誕生日を迎え、46歳になりました。週末に、パエリアとフォカッチャを作ってお祝いしました。パターン化しているお祝いごはんですが、家族からの「パン美味しいっ」が、何よりの嬉しい言葉になりました。

誕生日ごはん

パエリア、フォカッチャ、生ハムサラダ、アスパラのグリル。フィールドオブクラフト倉敷2022で購入した照井壮さんの器(右手前)は、パンとサラダの取り皿に。

誕生日ごはん

当日は、家族や友人たちからもメッセージをもらい、101歳の祖母(要介護認定、認知症なし!)からのメッセージと祝いを、父が届けてくれました。

父親が祝事好きなので、昔から祝ってもらうのが当たり前と思っているところがありましたが、少しずつ、大切な人が亡くなっていく中で、祝ってくれる人がいることは、ありがたいことだと、今年は特に感じました。

仕事の場でも、今まで積み重ねてきたことを、次の世代に伝えていくことが、私の役目になっているのだと感じる場面が多くなっています。社会に還元する歳にしていきたいと思います。

アナベル

元100人隊のりょうちゃんが、お庭のアナベルを持ってきてくれました。奥平朋子さん✕スタイリスト石井佳苗さんのフラワーベースにもなるピッチャー(LEEマルシェ)に入れて。

石井佳苗さん✕奥平明子さんフラワーベースにもなるピッチャー 【LEE DAYS club】連載記事一覧はこちら!

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LEEとともに歩んできて、子育てが一段落。自分に目を向ける余裕の出てきたLEEの姉世代の方に、日々の“ほんとうに好きなものと心ときめく時間”をお届けします。

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