かけがえのない存在である実母。だからこその遠慮のなさや近すぎる距離感に戸惑うことも…。母親とよりよい関係を築くためにできることを、あらためて考えてみませんか?
今回は、タレント平野ノラさんに母親との距離についてお話を伺いました。
お話を伺ったのは?
タレント 平野ノラさん
1978年10月20日、東京都生まれ。31歳でデビュー後、バブルネタでブレイク。2021年女児を出産。新刊『部屋を片づけたら人生のミラーボールが輝きだした。1日15分のノラ式実践法』(KADOKAWA)が好評発売中。
●Instagram:noranoranora1988
●Twitter:hiranonora
31歳で志した芸人の道。周りが「その年じゃ無理」と否定するなか母は、全力で応援してくれました
とにかくパワフルで元気な母!お互いに遠慮がない関係
昨年、第1子となる女児を出産した平野ノラさん。産後すぐに仕事復帰して、現在は夫、実母と3人でのチーム体制で子育てをしているそう。“スーミー”の愛称で平野さんのSNSにもたびたび登場するお母さんは「とにかく元気でパワフルな人!」だといいます。
「昨晩も、実家から約1時間半かけて食材と、庭で咲いていた花まで持ってわが家に来てくれて。いつも夜逃げのような大荷物で現れるんです(笑)。20歳前後で兄と私を出産してからずっと夫婦共働きで、昔からエネルギッシュでしたね。朝から夕方まで働き詰めで、私たちは延長保育で預けられ、お迎えはいつも園児の中で一番最後。寂しく思うことも少しはあったけど、一緒にバレーボールやバドミントンをしたりと全力で遊んでくれてもいました。
ただ、あまりの忙しさに爆発することも。私が小学生の頃から強豪チームでバレーボールをやっていたのですが、母の洗濯が追いつかなくて着られる練習着がなくなっていたので文句を言うと『なら自分で洗いなさい!!』とめちゃくちゃ怒られて。私は私で、思春期は反抗的で、怒られてもにらみ返したりして(笑)。
母とは基本的に仲はいいけれど、お互い言いたいことは言う関係。歴代の彼氏のことも毎回話して紹介していたので、あるときは『前の彼のほうがよかったな』なんて言われたこともありましたね」(平野さん)
母娘ならではの遠慮のなさはありつつも、常に一番近くで見守ってくれていたお母さん。人生の大事な局面では、心に残る言葉も。
「小中高とバレーボールに打ち込んでいたのですが、練習がきつくてしんどい時期があったんです。でも、簡単にはやめられない雰囲気があったので、口に出せずにいたのを見かねた母が『やめてもいいんだよ』と言ってくれて。母は私の気持ちをわかって、味方でいてくれると感じてすごく救われました。
また、就職したりフリーターになったりと自分探しをしていた20代を経て、31歳で芸人になろうとしたとき。周りからはさんざん『その年でヤバい』と言われたのですが、母は『あなたのやりたいことだし、いいと思うよ』と。私のことをよく理解してくれていたので、人前に出て何かやる仕事は向いていると思ったみたいなんです。
最初から応援してくれて、洋服を作る仕事をしていたこともあり、舞台衣装を手作りしてもらって! バブルネタの初期の衣装はもちろん、その前にやっていた、忍者や卑弥呼のネタなど、本当にいろいろな衣装を作ってもらいました(笑)。親の意見やエゴを押しつけることなく、私の気持ちを尊重して全力で応援してくれたことは、今でも感謝しかないです」(平野さん)
良好なお母さんとの関係ですが、こんな長年の課題もあるそう。
「母と話すときに、つい強い口調になってしまうんです。母も年齢を重ねているから仕方ないんですけど、わかってもらえないとイラッとして。何度もいらないと伝えているのに、ライブに大量の差し入れを持ってきたりすると『もういいかげんにして! 日本語わかる!?』と言ってしまったり(笑)。
いつも言いすぎたな、大人になりきれず今も反抗期と同じだな、と反省しきりで。思えば、これまでは自分の人生や芸人としての仕事に余裕がなくて、母親にギスギスと当たってしまっていたんですよね。次こそやさしく話そう、と思ってもなかなかできなくて、自分の中の大きなテーマでした。
でも、出産してからは娘が可愛くて仕方なくて、私の心も穏やかになって。自分が親になることで、母のしてくれたことのすごさも実感するようになったし、母への接し方や関係性がまた少しずつ変わっていくのを感じています」(平野さん)
母の世代とは育児の常識も違う。必要ないことはきちんと伝えて
現在は、週4日間ほど泊まり込みで、お母さんが育児のサポートをしてくれているそう。育児をするうえで、意見がぶつかることはないですか?
「母親世代と今の育児の常識は異なる部分も多いので、妊娠中から私がリサーチして知ったことを母に話して『私たちなりの今の育児を学んでいるからね』と伝えていました。母は私の性格をよく知っているので、あまり口出しはしないですね。知らないうちにテーブルの角がダンボールでカバーされていたり、『食べにくそうだったから、新しいスプーンに替えておいたよ』なんてことはあるけれど…。
母が気になることは、こそっとやってくれています。今は、私、夫、母でLINEのグループを作っていて『7時にミルクをお願いします』とか『動くようになってベランダに出たら危ないので、窓の鍵は必ず閉めて』とか、まめに連絡しています。
遠慮しすぎず、助けてもらえることはお願いして、必要のないことはきちんと伝える。そうすることで、母とストレスのない、いい関係を築けていると思います」(平野さん)
私、夫、母のチームで育児。サポートしてもらいつつ、母のひとり時間も大切に
お互いが心地よい距離感を保つために、こんな心がけも。
「母はアクティブで多趣味な人で、習字やダンスを習ったり、よく友達と食事に出かけたりするんですね。“孫育て”をしていても、母がひとりの女性として、やりたいことを楽しむ時間は大事にしてほしいと思っていて。そういう予定が入っていたら先に伝えてもらうようにしているし、母が『お稽古休もうかな』と言っても『大丈夫だから、自分の予定を優先して』と話すことも。
助けてもらっているお礼に、母が好きなビールやワインを買いだめしておいたり、娘が寝たらタブレットで海外ドラマやアニメを見て自由な時間を過ごしてもらったり。
私は20歳で家を出たので、大人になってから、今が一番母と長い時間一緒にいますが、お互いが自分の時間を大切に、自立していてこそいい関係性が築けるのではないかなと思っています。
今後は、娘が成長して、母もまだまだ元気なタイミングで、イタリアなどに“3世代旅”をしてみたいですね」(平野さん)
平野さん 母と娘の距離の取り方 Our Rule
●母にきつく言いすぎず、穏やかな気持ちで接する
●してほしいこと・してほしくないことは具体的に伝える
●育児を手伝ってもらっても母の趣味の時間は確保!
母娘Photo
お母さんも一緒にバブリー衣装に身を包み、バラエティ番組に出演。初期のバブルネタの衣装は、器用なお母さんの手作りだったそう!
品数豊富なお母さんお手製の〝スーミー飯〞。妊娠中から栄養に気を配って作ってくれるように。
「ひなまつりで娘が着たピンクの被布は、私の小学校の入学式で母が着たピンクの着物を、母自身がリメイクしたもの」
他にも「『母と私』の心地よい距離感」を公開中!
「『母と私』の心地よい距離感」詳しい内容は2022年LEE6月号(5/7発売)に掲載中です。
撮影/イマキイレカオリ ヘア&メイク/佐々木シエラ スタイリスト/NIMU(まきうらオフィス) 取材・文/野々山 幸(TAPE)
※商品価格は消費税込みの総額表示(2022年5/7発売LEE6月号現在)です。
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