京都は日本一のパン屋激戦区!胸アツなヴィーガン専門パン屋2軒をご紹介!
後編は、胸アツな【ヴィーガン専門のパン屋】をご紹介します。
京都は全国1位のパンの消費量を誇る都市であり、そのレベルが高いことでも有名。
これまでも、京都滞在中はパン屋巡りをすることもありました。
どのパン屋に行っても、間違いなく美味しい。
しかしながら、です。
今回ご紹介する2店舗は商品の全てがヴィーガンで、バターや乳製品・卵などを一切使用していないのですが、そういった背景を取っ払っても、前情報無しにでも、目を瞑って食べても、本当に美味しい。ということをまず特筆したいのです。
美味しいしか語彙力がないのが残念ですが、もうそれが全てなのです。
ですので、ヴィーガン・ノンヴィーガン問わず、ぜひ訪れていただきたいパン屋です。
どちらも超人気店なので、時間帯によっては商品数が少なくなっているので早めの来店がおすすめ。
京都に住んでいる方が羨ましい、と思うことの一つです。
いや……ある意味、近くに住んでいなくてよかったかもしれません。
だって、あまりに危険過ぎる美味しさなんですもの!
焼き上がった後も発酵を続ける生きているパン「’apelila(アペリラ)」
下鴨神社の近くに位置し、パンやお料理のイートインも可能なヴィーガン・ベーカリーカフェ。
前編に登場していただいた一ノ瀬メイさんから教えてもらってからというもの、すっかりアペリラさんの虜です。
オーナー・高橋さやかさんのこだわりの厳選素材で作られています。
その一つが、パンの要となる小麦粉。大切に育てられた京都産の全粒粉を、自家製粉で全ての商品に使用されています。
生産者さんの顔が見えることや地元愛、地産地消などさやさんの想いを感じますし、輸送にかかる環境負荷も少なくなるため、エシカルでもありますね。
発酵の旨味にこだわった焼き菓子やサンドイッチも
「発酵の旨味を感じてほしい」と19年間継ぎ足している酵母を使い、パンだけでなくお菓子やお料理も発酵させています。
年間を通じて気温差も激しいここ京都で、19年も酵母を生かすにはどれだけ大変なことか、想像してもし尽くせません。
焼き上がった後も発酵を続けて生きているという、まさに腸にも優しい品々です。
さらに、ベーキングパウダーを含む添加物は一切使用していません。
サンドイッチは、店内になくてもお声をかけると作ってくれます。
素敵な雰囲気の店内では色とりどりのデリもいただけますし、テイクアウトして目の前を流れる高野川沿いでピクニックという選択も最高です。
どれも美味しいのですが、私がこれまでに食べた中でも特に感動を覚えたパンの一つが、豆乳クリームパン。滑らかで濃厚なクリームに、うっとり。
そして、もう一つ。見た目は一見シンプルなジャガイモパンです。最初はパンにジャガイモ?炭水化物の組み合せ?と思ったのですが、発酵が成す技なのか、ジャガイモがチーズのような、何とも言えない旨味を感じる新しい感覚のパンでした。
焼き菓子も豊富で、普段ヴィーガンではない友人にお土産に渡したところ「バターもベーキングパウダーも使っていないなんて、信じられない!」と大変喜ばれました。
グルテンフリーと3種の古代小麦で作られる”奇跡のパン”「Boulangerie L‘oiseau blue(ブランジュリ ロワゾー・ブルー)」
美味しくて、体にいい。
医師から「奇跡のパン」と呼ばれるブランジュリ ロワゾー・ブルーさんは、世界遺産・上賀茂神社から少し西に行ったところに位置しています。
7年位前に京都に住む友人が「池田夫婦が好きそうだから」とお土産に渡してくれたのが(惚れてまう)、最初の出会いでした。
こちらもALLヴィーガン。古代小麦、または古代米(グルテンフリー)の専門店です。
古代小麦・古代米の他に、無農薬の雑穀、ナッツ類もオーガニック素材を中心に使用されています。イーストフードなどの保存料や添加物は、使いません。
さて、古代小麦とはどういったものでしょうか。
ロワゾー・ブルーさんに教えていただいたことによると
古代小麦とは、なんと9000年以上前に栽培されていた品種で
品種改良や遺伝子組み換えがされていない小麦の原種にあたる古代穀物のこと。
豊富なミネラル、高い抗酸化力を持ち、低G I値で消化吸収し易く、小麦アレルギーを発症しにくい特性がある、などの理由から近年注目されています。
「古い」ものが、今「新しい」。
人間が、色々なものを追い求め過ぎたのかもしれません。
製法は違えど太古に生きた人類と同じ小麦を食べていると思うと、何だか感慨深くてタイムスリップした気分。同時に現代まで原種を守り抜かれた方々に、感謝の気持ちまで湧いてきました。
ここで使われている古代小麦は、スペルト・アイコーン・カムートの3種類。
有機全粒粉100%のものを石臼で丁寧に挽き、ルヴァン種と呼ばれる天然酵母でじっくり発酵させているそうです。
古代小麦の全粒粉といっても、ボソボソした感じは全然ないのです。
お店の一押しは、スペルト古代小麦のフワリちゃん。全粒粉のイメージを覆す、フワフワな食感が人気なんだそう。
私のおすすめはチョコクリームパンと、限定ですがヴィーガンクリームパイ(ええそうです、筆者はクリーム系に目がありません)。
ヴィーガンパイで、こんなにもサクサク感が出るなんて!
一口食べる毎に何度も頷いてしまうほど、驚きと感動に包まれました。
いかがでしたでしょうか。
プラントベースやヴィーガンの食事は、動物性食材を使用した食事と比べると環境負荷が軽減されてエシカルに繋がります。
ですが、多くの人にとって欠かせない店になっている理由は
「とにかく単純に美味しいから」なのではないでしょうか。
プラントベースの食生活を送る方もそうでない方も、ぜひ機会がありましたら訪れていただきたいです。
みなさんそれぞれの新しい味の発見・新しいパンのカタチ・新しいプラントベースへの発見があるのでは、と勝手ながら思い描いています。
京都のパン屋は、ヴィーガンパン専門店も胸アツ!でした。
滞在中は、毎朝賀茂川沿いをランニングしていました。
走っている人、食べている人、憩っている人。
水の音、遊ぶ鳥、どこまでも広がっている空。
信号で止まることもなく(その分休めないけど)走りながら癒されていきました。
いつまでもこの景色が続きますようにー、ハラハラと美しく散る桜に願いました。
ブランジェリー ロワゾ・ブルー Instagram アぺリラ Instagram
池田清子 Sayako IKEDA
アスリートフード研究家
ビオトープ株式会社代表。夫は7年連続日本代表マウンテンバイクプロライダー、池田祐樹。菜食・プラントベースを主とした「細胞から健康的に強く美しくなる」食事の研究と発信を行う。2014年より自身もサイクリング・ランニング・筋トレを中心とした運動をスタートし、国内外での大会出場経験も多数。著書に『EAT GOOD for LIFE』至上最高の私をつくる「食」×「ながらトレーニング」』『野菜のおいしい食べ方』https://biotope-inc.co.jp https://biotope-inc.co.jp