マスク生活で、久しぶりにできた〝ひょっこりニキビ〞や、マスク内でず〜っと治らない〝居座りニキビ〞に手を焼いていませんか? マスク生活でニキビが育ちやすいうえに、若い頃とは少々事情が違う大人ならではのニキビは、ただ皮脂を抑えるだけじゃない新しい戦い方が必要!
まずは、敵を倒すには敵を知ることから。マスク内に出現し、育つニキビの正体に接近! 美容家・エステティシャンの瀬戸口めぐみさんと、内科・皮膚科医の友利 新先生が大人ニキビQ&Aにお答えします。
お話を伺ったのは
美容家・エステティシャン 瀬戸口めぐみさん
「女優のかけ込み寺」と称されるエステサロンで25年以上施術を行い、ゴッドハンドと評判。20代後半にストレスニキビが多発し克服。
内科・皮膚科医 友利 新先生
医師の視点から役立つ美容情報や肌知識、コスメの魅力を発信。若い頃に、ニキビに悩まされた経験を生かしアドバイス。著書多数。
Q1
そもそも〝マスクネ〞って何?
A マスクの中で育つニキビのことです
〝マスクネ〞とは、「マスク」と「アクネ菌」を合わせた造語。コロナ禍によるマスク生活の中で、マスクによってできたニキビを〝マスクネ〞と呼ぶように。
「そもそもアクネ菌というのはニキビの原因となる皮膚の常在菌。ニキビのない人でも存在する菌なのですがマスク内の雑菌や高温などにより増殖! それにより、今までニキビに悩まなかった人もできるようになったり、悪化して治らなくなるなど、ニキビに悩む人を急増させています」(友利先生)
Q2
〝マスクネ〞の原因は?
A マスクによる高温多湿環境や擦れによる角質肥厚で菌が増殖
ニキビができる最たる要因は、皮脂分泌が盛んになること。
「乾燥肌の人でも、マスク内は体温が上がるため、アクネ菌のエサとなる皮脂の量が増加します。マスクの中は吐く息で菌が繁殖しやすい環境ですから、ここに過剰な皮脂が混ざると炎症を起こし、ニキビに」(友利先生)、「マスクを外したときに肌が急激に乾燥することで、水分不足を補おうとして皮脂分泌が過剰になるのも大きいですね」(瀬戸口さん)。
[気温による皮脂分泌量の違い]
[皮脂量とコメド数の関係]
また、思春期ニキビと決定的に違うのが、マスクの摩擦で起こるバリア機能の低下による要因。「バリア機能が壊れると肌のターンオーバーが乱れて、外部刺激から肌を守ろうと毛穴まわりの角質が肥厚。そうすると塞がった毛穴から皮脂が出られなくなり、アクネ菌が繁殖しやすくなります」と友利先生。
[摩擦刺激による角層のはがれ]
擦る前の肌表面の角層
拡大写真
形が乱れていない角層
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ティッシュ(摩擦の高い状態)で
10回擦った後の肌表面の角層
形が乱れている。たくさんの角層が付着している
拡大写真
摩擦刺激により角層がはがれ落ちることで、肌本来のバリア機能と保湿力が大きく低下してしまう。資料提供/資生堂
マスクはニキビを作る要因がいっぱい
Q3
ニキビがあるときのDon’tな習慣て?
A 炎症を悪化させる習慣は今すぐSTOP!
とにかく〝触らぬニキビに祟りなし!〞と肝に銘じ、気になるからといって無闇に触れたり、潰したりするのは控えて!
「クリニックなどで行うプロの治療とは違い、自分で潰すとニキビの炎症伝達物質が広がりやすく、クレーターなど痕に残ってしまうケースも多いのでやめましょう」と友利先生。「ゴシゴシと強いタッチでのお手入れ、ニキビに触れる、雑菌がいっぱいのもので肌に触れるなどの行為は炎症を悪化させるモト」と瀬戸口さん。
また、「ベタついてニキビによくないからと日焼け止めを塗らない人も多いですが、紫外線は皮脂の酸化や活性酸素による炎症を招くので、毎日の日焼け止めは必須です」(友利先生)。
ニキビが気になり、触ったり潰したりする
強いタッチでニキビをゴシゴシ擦る
ベタつくからと日焼け止めを塗らない
雑菌の温床となる汚れたパフやタオルの使用
Q4
ニキビはほうっておくと成長する?
A お手入れが効きにくい!手強い存在へと成長します
最初に出現するのが、ザラつきや皮膚の中に硬い芯ができる白ニキビ。「私は赤ちゃんニキビと呼んでます(笑)。見た目にはあまりわかりませんが、 塞がった毛穴の中に皮脂がたまると皮膚が盛り上がってきます」と瀬戸口さん。
そのまま放置すると、アクネ菌が増殖して炎症を起こし赤ニキビとなり、化膿して膿を持つと黄ニキビへ。「成長するごとに治りにくく、痕に残りやすく。即対処することが大事です」(友利先生)
ニキビの成長プロセス
目立たないけど触るとザラザラ
白ニキビ
アクネ菌が増殖し炎症状態
赤ニキビ
化膿して膿を持って黄色く!
黄ニキビ
Q5
〝マスクネ〞と〝サヨナラするケアは?
A ニキビの炎症を抑えつつ、肌環境を整えることが大切
「〝ニキビケア=殺菌〞だと思っている人も多いと思いますが、LEE世代は殺菌ケアだけだと、より乾燥やバリア機能を低下させることになり負のスパイラルに。マスク内は雑菌の温床なのでもちろん洗顔は大事ですが、ただ菌を根絶すればいいというわけではありません」と話す友利先生。大切なのは、マスク生活の中でいかにニキビができにくい肌環境を育むかということ。
√ まず炎症を抑える
√ バリア力を強化する
√ 角質ケアをする
「ニキビができた肌は炎症状態なので、まず肌内部の炎症を鎮めるケアが先決。そのうえで肌のバリア機能の強化や、水分と油分のバランスのよい保湿、ニキビができやすい箇所の角質ケアなど、日々のケアで代謝がよいなめらかな肌に整えて」(友利先生)
次回は、マスク内にポツンとできたニキビを抑えるケアをプロに聞きました!
撮影/浜村菜月(LOVABLE)(人物) KEVIN CHAN(物) ヘア&メイク/鈴木 翠 スタイリスト/亀甲有希(人物) 山本瑶奈(物) モデル/金月絵里(LEEキャラクター) イラストレーション/香川尚子 取材・原文/中島 彩
※商品価格は消費税込みの総額表示(2022年5/7発売LEE6月号現在)です。
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