今週も産婦人科医の宋美玄さんのポッドキャスト連載「宋美玄さんの聴く婦人科診察室」の時間がやってきました! 女性ならではの心や体のお悩みを解決したり、性にまつわる最新事情を解説したりと、充実の内容でお届けします。今回は取り上げる度に大反響、「下の毛」の話題です。
デリケートゾーンのかゆみ=カンジダ、とは限らない
読者から届いた「デリケートゾーンがかゆいです。私カンジダになってしまったのでしょうか?」というSOSのお便り。そもそもカンジダとは真菌(カビ)の一種で、膣の中に生息する常在菌。普段は膣の中に生息している乳酸菌がカンジダの勢いを抑えているのですが、妊娠するなどして身体の抵抗力が落ちたり、抗生物質を服用したりすると、乳酸菌が死んでしまいカンジダが活発化してしまいます。宋さんによると、膣の内側にカビがビッシリ生え、それを洗浄すると炎症を起こして真っ赤になった膣壁が現れるとか……。
宋さんのクリニックにも夏場に暑くなると同様の患者さんがたくさんいらっしゃるそうですが「デリケートゾーンのかゆみ=カンジダとは限りません」とのこと。カンジダの場合、かゆくなるのはデリケートゾーンの内側、膣の内側です。デリケートゾーンの表面がかゆい場合は、単に「蒸れ」が原因の場合が多いそう。
デリケートゾーンの蒸れを解消する方法
蒸れによるデリケートゾーンのかゆみの原因として考えられるのが、おりものシートやナプキンなどの生理用品、ストッキング、そしてアンダーヘア。生理用品はナプキンよりも月経カップ、ストッキングをどうしても履かなければならない場合はガータータイプのものを選ぶ、そしてアンダーヘアは脱毛するなど、通気性を良くすることにより蒸れを解消できます。
アンダーヘアの脱毛=VIO脱毛は、LEE本誌やLEEwebで取り上げる度に反響の多いテーマです。本誌2021年2月号でVIO脱毛最新ケアについて特集を組み455名の読者にアンケートを取った際、40%が既にエステや医療機関で脱毛済み、30%が自己処理、残りの30%が特に何もしていない、という結果になりました。
LEE世代をVIO脱毛に駆り立てる「焦り」の正体
最近ではVIO脱毛の低年齢化が進み、娘の大学入学祝いや成人祝い代わりにVIO脱毛や全身脱毛の費用を親が負担する、なんてこともあるようです。しかしLEE読者の世代でVIO脱毛が注目を浴びるのは「将来、介護を受ける際に迷惑をかけたくない」「アンダーヘアが白髪になると脱毛できなくなるから、今のうちに……」といった「焦り」から。
「それは……年老いて他人に迷惑かけちゃいけないとか、どんだけ生きづらいねん、って感じがするんですよね。恵方巻きを流行らせた寿司屋みたいに、VIO脱毛を流行らせたい脱毛サロンの思うツボなのでは。一方で、産婦人科の年配の医師からは『アンダーヘアは“大事な所”を守るために生えてるから、脱毛なんて……』という声もあります。が、令和の世に生きる私たちは常に下着を着用し、それで“大事な所”は充分守られていますから、アンダーヘアは無くても大丈夫。自分の好きなように脱毛なりトリミングなりカラーリングなり、何でもしたらいいと思います」(宋さん)
自分のデリケートゾーンを定期的にチェック
最終的には「身体の決定権」の話になってしまいましたが、こちらについても本連載で追ってきちんと取り上げたいと思います。そして読者の皆さんへ声を大にして訴えたいのは、ぜひまず自分で自分のデリケートゾーンを見ていただきたい、ということ。普段からデリケートゾーンを観察し、健康な状態のデリケートゾーンの状態を把握することにより、かゆみを起こしたときに「普段より赤くなってる!」など、異常を把握しやすくなりますので。
(次回は8月20日(金)18時配信です、お楽しみに!)
宋美玄さんへの質問を大募集!
宋さんへの質問や番組へのご感想は、専用メールアドレス(fujinka@lee.hpplus.jp)宛にお送りください。
イラスト/鹿又きょうこ
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宋 美玄 Song Mihyon
産婦人科医
セックスや女性の性などについて、女医の立場からの積極的な啓蒙活動を行う。メディア出演や著書多数。'17年、丸の内の森レディースクリニックを開業。https://www.moricli.jp/
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