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上紙夏花

子供の歯並び・歯科医が解説「きれいな歯並びのための食事と姿勢」

  • 上紙夏花

2021.04.08

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食事の内容や姿勢も歯並びに影響が!

 

以前、歯科医の西川岳儀先生に取材して「口呼吸する子どもが急増!治し方伝授」という記事を書きました。睡眠時のお口テープには予想を超える反響が!先日、赤ちゃん歯科西川先生による『おうちごはんでからだがかわる』というオンライン講座を受講し、先生に許可をいただいたので、学んだことを一部みなさんにシェアしたいと思います。

 

歯並びを気にするならば、赤ちゃんから?

 

いま急増してるのは、写真右下の〝下の歯が見えない〟状態の子ども。気道が狭くなってしまうため、将来的にお口ポカンやいびき、睡眠時無呼吸症候群になってしまう可能性もあるといわれているそうです。

 

「どうやら歯並びがよくないようだから、歯列矯正を考えようか?」という時期って、歯がはえ変わり始める小学生くらいではないでしょうか?そもそも歯並びの凸凹はいつから始まっているのでしょうか?西川先生によると、お母さんのお腹の中にいる胎児のときから、歯茎の中に歯があり、その時点で凸凹しているのだそうです。それを考えると、これまで歯並びはすべて遺伝なのかと思っていましたが、決してすべてがそうではなく、歯並びというのは、0歳~1歳までの姿勢の発達と生活習慣が大きく影響しているというのです。

 

はじめから歯並びがきれいな人はいなくて、〝生まれてから、顎がしっかりと成長することによって、歯がきれいに並ぶ〟ということがわかりました。すなわち、歯が重なってしまうのは、顎の成長不足ということなんです。特に上顎が成長する時期というのが、なんと10歳ごろまで!それまでに成人の95%くらいまで上顎の成長が終わってしまうのだとか。だからこそ、誕生から幼児食になるまでの時期に気をつけておく必要があるんですね。下顎については身長が伸びる12歳前後に成長するため、受け口(下の歯が上の歯よりも出ている状態)の子はさらに進行してしまうことになります。

 

サザエさんの食卓が理想だった!

 

顎の発達のしくみがわかったところで、普段の食事でどのようなことについて気をつければいいのかを学びます。そこで西川先生が教えてくれたのが「理想はサザエさんの食卓!」ということでした。「え?どういうこと?」と参加者全員が前のめりに(笑)。

 

ちゃぶ台を囲むサザエさん一家。まず、ひとつめポイントはテーブルの高さでした。肘よりも高いテーブルだと脇がしめられないため、子どもにとっては姿勢が崩れて食べづらい姿勢に。ほかにも、家族全員がお茶碗をもって食べるなど、安定した姿勢で食べるためのアドバイス(詳しく知りたい方は西川先生の講座やInstagramへ)がありました。

 

ふたつ目は、お茶がテーブルの上に乗っていないこと。サザエさん一家は、食事が終わったあとの団らんの時間に、ちゃぶ台の上に湯飲みだけが乗せられているシーンが登場します。これがいいんですって!食事中にお味噌汁以外の水分を口にしないんです。歯列矯正が必要になる子どものほとんどが、お茶やお水で流し込むように食事をしていることが多いそうです。このことからも、顎の発達のためには、脇をしめて頭を安定させた姿勢で、しっかり咀嚼することが重要だということがよくわかります。

 

そして、最後のポイントは、TVが消されていること。誰もがわかっている基本的なことかもしれませんが、意外とできていない家庭は多いようです。食事に集中して、家族みんなで楽しく食べることを大人も心がけましょう。

 

ほかにも、興味深い内容がたくさんありました!西川先生は関西にあるトップクラスの国立大学で年に一度、講義をしています。その際、学生たちに「朝食は何を食べて育った?」というアンケートを取っているそうです。毎年、学生の回答は、決まってパンと答える人は毎年0人!全員がごはんなのだそうです。この結果には西川先生も驚いたのだとか。幼少期は大きく口を開ける必要があるおにぎりがおすすめとのこと。食感の違うものがあるとよく噛むので、混ぜご飯だと尚よし!子どもの歯並びが気になる人は、ぜひ毎朝のおにぎりとお味噌汁から始めてみてくださいね。

 

医療法人 西川歯科 理事長 西川岳儀(たかよし)先生⇒Instagram

 

 

 

 

上紙夏花 Natsuka Uegami

ライター/ビューティープランナー

1977年、大阪府生まれ。吉本新喜劇の女優を経て、ライターに。現在は化粧品の商品開発やPRを手掛けるほか、ベビーマッサージ講師としても活動している。夫・息子9歳、3歳

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