ストウブ×ミナ ペルホネンがコラボレートした「フォレストココット」が誕生! デザイナー・皆川明さんの想いをお届けします
この春、ストウブとミナ ペルホネンのコラボレーションによる特別なココット「Forest cocotte (フォレストココット)」が誕生しました! ドーム型の蓋には、森に集い、果実を啄み、くつろぐ鳥たちが描かれ、毎日の食卓を優しく彩ってくれます。
先日行われた発表会では、ミナ ペルホネンのデザイナー・皆川明さんが登場。今回のコラボレーションが実現に至ったきっかけやココットへの想い、活用のアイデアなどを語ってくださいました。
もともとオーバルの2種類を愛用
――ストウブの鍋を長年愛用してきた皆川さん。その出会いや、お気に入りの理由とは?
料理が好きなので、ストウブの鍋は日常的に愛用しています。もともとパリの蚤の市で見かける古いストウブの鍋や鉄鍋が好きで。重いのによく買い求めては日本まで持って帰っていました。
愛用しているのはオーバルのココット。会社の保養所ではオーバルの大きいサイズ、27cmを。メインディッシュのお肉やお魚を調理してそのままテーブルに乗せています。自宅では今回発表されたサイズと同じ23cmのオーバルを使っています。
オーバルを使う1番の利点は、お魚がそのままきれいにおさまること。最初に蓋を開けたとき、感動を味わえるのがいいんです。お肉も、大きなヒレ肉をそのまま入れて、鍋の中で切り分けてサーブできます。お肉でもお魚でも使い勝手がいいんですね。
また、すごく具体的な話ですが、別口のコンロでいくつかの鍋を使って調理する時も、オーバルはおさまりがよくて気に入っています。
ストウブの鍋は保温力も重要なポイントですよね。タフなところも好きです。内側が繊細な素材だと気を使わなきゃいけないけれども、ストウブはコゲにも強い。ハードな使い方をしても耐えてくれる頼もしい存在です。
日常の中で記憶に残る柄を描きたかった
――オリジナルのココットを作ってみようというアイデアが浮かんだ背景は?
メインディッシュとしてテーブルに置く時に、もちろんいつものプレーンなタイプも素晴らしいのですが、そこに景色があると目にも楽しめる気がしました。コンロの上で取り分けてしまうのではなくて、食卓まで持っていく鍋。食卓の全体の景色として豊かになればいいなぁと。
個人的に道具を見ていて、デザインができたら楽しいだろうなぁと思っていたので、実現してうれしいです。
生活の道具を選ぶ時は思いつきではなくて、出会った感動があるか、暮らしの中に長く残るかを考えます。お皿を買う時もどんな料理に合うか、どんな場面で使えるかをシミュレーションします。ストウブさんの鍋は一生ものということが素材からも伝わりますよね。
提案した柄は、森と鳥が少し複雑に絡み合っている様子。鍋を使うのは日常のこと。鍋は使ううちにどんな柄かなんて気に留めなくなると思うんです。けれども、例えば、子どもたちがひとり暮らしを始めたり、新しい家族を持つようになった時に「あの時の鍋はどんな柄だったかな」と思い出す。そんな記憶に残る柄を描きたかったんです。やはり食卓をイメージさせる景色がいいなぁと、森の果実を鳥たちが啄みにきている柄にしました。
フランスの工場で感動した丁寧な仕事ぶり
――製造に至る過程では、皆川さん自らフランスのストウブ工場へ足を運び、打ち合わせをしたそうですね。工場の印象はいかがでしたか?
働いている人の空気は製品のクオリティにつながるところがあると思うのですが、ストウブの工場で作られている方はみなさんとても気さくだし、寡黙。自分のラインで一生懸命ものに向き合い、丁寧な仕事をしていらっしゃる。ただ量産しているプロダクト、インダストリアルというより、人が見て関わって作っている。だからこそ120年前からこのクオリティを保てているのだなと分かりました。実際に工場に足を運び、この印象を持てたことは一番の収穫でしたね。
工場の雰囲気はとてもあたたかかったです。塗装まで全工程を熟練の方がやってらっしゃるので手慣れた感じなのですが、焼き付けていく時の温度による色の変化はとても繊細なもの。同一のクオリティで作っていくのは大変なことなんだろうなぁと感じました。
――工場で柄を商品化してもらう際にこだわった部分とは?
柄の金型を作る時には、線の太さがとても重要だと思っています。また、鳥の表情のどちら側を凸にするかなど問題が残ったままだったので、より顔の愛らしさを残すにはどうしたらいいかを現地で話し合いました。
開発の方も、通常の方法よりデリケートなバランスの仕事を受けてくださったようです。現地で直接話せたことが今回のクオリティに繋がっているのでしょうね。
――すべての木や鳥がひとつひとつ異なるもので、また対称のデザインではないという点は、現地開発チームにとって新しい驚きだったとか。
些細なことかもしれませんが、すべての人に向かって木が生えているようにしたい、置き方で景色が変わるようにしたいと思い、お願いしました。
色によって表情に変化が生まれる
――色はバジルグリーンとグレーの2色。印象は?
バジルグリーンは透明感があって、凹凸に釉薬をかける時に有効だというお話を開発チームの方より伺いました。仕上がりを見て、この色にして本当によかったと思っています。マットに見せる釉薬もある中、こちらはガラス質のような濃淡の表情がでるのでぜひ、とおっしゃっていただきました。バジルグリーンは透明感があるので、釉薬が少し柄の下部分に溜まるんです。それで出っ張っているところが薄い色になるので、より陰影がきれいに出ますよね。グレーは普段自分自身も使っている色。その中で新しい表現をしてみようと選びました。
はじめは1色でとも思ったのですが、2色で対比を楽しむことにしました。どちらも木の質感に合うような色にこだわっています。
――バジルグリーンとグレー、色ごとにおすすめの食材は?
グリーンはオールマイティですよね。どんな食材にも合わせて楽しめる色だと思います。グレーは白っぽい野菜がメインのもの、柔らかい色目のものを扱うと、開けた時の景色が素敵なんじゃないかな。キンキのような赤いお魚も映えてきれいですよね。あとはキノコ類の白とブラウンも合いますし、カリフラワーもいいと思います。シックというと変ですけれど、白や赤色の食材がとても合いそうです。
――春の食材で作ってみたいお料理は?
今ふと思いついたのは、赤いお魚、キンキと菜の花と新じゃがを一緒に合わせて、ココットで蒸し焼きにしたもの。それにホタルイカの苦味を合わせてもおいしそうですね。
食材を“パズルのように”堪能できるレシピ
――今回のココットは、食卓を楽しむためのミナ ペルホネン監修レシピ付き(数量限定)。ミナ ペルホネンの食堂、「puukuu 食堂」でも実際にメニューを提供予定です。レシピのポイントやこだわった部分とは?
このココットは蓋の構造により味だけではなく香りも混ざることがポイントかなと思っています。「puukuu 食堂」のシェフにアイデアを出してもらいながらレシピを考えましたが、味覚のミックスだけでなく、蓋を開けた時に食材の香りがふっと混ざっていく感じも表現したいと考えました。また、焼く、蒸す、デザートにも使えるココットということで、3つを感じていただけるレシピになっています。
食材は主に野菜を多く使いました。この野菜からは水分、この野菜からは食感や香り、メインのお肉や魚からは旨味をもらう。食材の並べ方や入れていく順番によって、パズルを楽しむような感覚で楽しんでいただけると思います。ストウブを使った料理は、鍋の中で食材みんなが相談し合うように、味がまとまっていく印象があります。素材同士が味を引き出し合うのが面白くて新鮮です。
――ドーム型の蓋の裏についている「システラ」にも素材の味を引き出す効果がありそうですね。水分を満遍なく食材に降り注がせてくれます。
もともと愛用してきたオーソドックスなストウブの蓋裏にある「ピコ」はドット型だったのですが、今回採用されたうず巻き型の「システラ」は、湯気の対流でしずくを満遍なく落としてくれる気がします。全体の香りが湯気によって混ざり合うので、より効果的なのかなと思います。ストウブの蓋は、他のストウブと共有することも可能と聞きました。活用の幅が広がって、便利ですよね。
ココットに合わせたテキスタイル商品も
――ココットでの調理やテーブルへのサーブに役立つ、オリジナルテキスタイル商品も誕生しました。柄に“run run run”、“sora check”を選んだ理由とは?
ココットに描いたのは森の景色。ヨーロッパで森に住んでいる可愛い動物というとウサギをイメージするので“run run run”を。もうひとつは“sora check”。キッチン用品としてのチェックはフランスを代表する柄。自分たちのテキスタイルから使ってみようと思い、選びました。円錐上の鍋つかみは鍋の取手を掴むにもいいですし、蓋のつまみも持つときに重宝しますよ。
――今回の「フォレストココット」は伊勢丹新宿店でも販売されます。改めて、手に取る人に伝えたいこととは?
キッチン用品は頭の中で「あの道具をいつか迎えたい」と思いながらも、買い物の時に「荷物が重いから、次回に」と後回しにされる方もいらっしゃると思うんですが、今回私たちとのコラボレーションから生まれたこの柄が、みなさんの食卓の景色の記憶に残る柄になるといいなぁと願っています。
――最後に、ミナ ペルホネンLOVERが大勢いるLEE読者へ、メッセージをお願いします!
すごくうれしいです。ありがとうございます。30代、40代……きっと仕事にも少し慣れて、自分の暮らしでもだんだん好きなことができるようになるタイミングですよね。
家の中でくつろぐにしても食事するにしても、自分の人生でどういうモノと一緒にいるのかを考え始めたり、それが形になり始める年代だと思います。
いろんなモノを通ってきて、この年代から選ぶものとは“一生付き合えるもの”として、大事に向き合っていけるんじゃないかな。今回のココットも、その中に加えていただけるとうれしいですね。東京や地方の方、多くの方に届くことを願っています。
ものづくりへのこだわりを持ち、生活に長く寄り添う道具を生み出してきたストウブとミナ ペルホネン。共鳴し合う2つのブランドが出会い、生まれた特別なココットは、私たちの日々の暮らしや食卓をさらに豊かに、心はずむものにしてくれそうです。
ミナ ペルホネン×ストウブ「フォレストココット」
- 先行発売:2021年3月24日(水) 伊勢丹新宿店及び三越伊勢丹オンラインストア
- 一般販売 :2021年3月31日(水) 限定店舗のみ
- ストウブ×ミナ ペルホネン公式サイト
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