今やテレビで見ない日はない!?と言えるほど、子どもから30〜40代女性まで幅広い層に大人気の松丸亮吾さん。今回はLEE読者のために、親子でできる「ナゾトキ」を出題! 松丸さんを形成したもの・コトから、この先の夢まで語ってくれたインタビューも必見!
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謎解きクリエイター。東大入学後、ナゾトキサークルの代表を務め、メディア等を通じて世の中にナゾトキブームを巻き起こす。著書は『東大松丸式 ナゾトキスクール』(小学館)ほか。
ナゾトキに没頭する時間を
尊重してくれた両親
謎解きクリエイターとして、日々独創的なナゾトキを生み出している松丸さん。
「一般的なクイズとナゾトキが大きく違う点は『知識がなくても発想力さえあれば誰でも解けるところ』。これが、ナゾトキが年代を問わずに多くの人に楽しんでもらえる理由だと思います」
松丸さんがナゾトキにはまったのは小学3年生の頃、当時人気だったテレビ番組の影響でした。
「ぼくは4人兄弟の末っ子で(長男はメンタリストDaiGo氏)、上から3歳ずつ年が離れているので長男のDaiGoとは9歳差。だからゲームでもケンカでも勝てるってことがなかったんです。
そんな中、家族で観ていたテレビ番組『IQサプリ』のナゾトキは、なぜかぼくが兄弟の中で一番解くのが早くて。『おまえ、スゴイな』と認めてもらえたときのジャイアントキリング(格上の相手に勝つ)の快感といったら……(笑)。
そこからナゾトキにハマり、図書館のナゾトキ本を片っ端から読みました。そこでもう解く本がない!となったときに『じゃ、自分で作ろう』と自作を始めたんです。問題が解けた喜びや問題を作る楽しさといった小さな成功体験の積み重ねが、勉強への興味や意欲へと自然につながっていった気がします。
母はとても教育熱心でしたが、ぼくがナゾトキを作っているのは止めずにやらせてくれて、時には関連本を買ってきてそっと置いておいてくれたりも。『好きなことに没頭しているときが一番伸びる』と考えてくれていたみたいです。
父も『自分の好きなことに時間を使うのが幸せ』という考えで趣味に打ち込む人なので、親から『勉強しなさい!』と強要されなかったのはありがたかったです」
そんなに『いい子』ならさぞ順風満帆な人生を歩んできたのだろうと思いきや……。
「いやいや、ぼくにも反抗期はありましたよ! 少し遅いですが高1〜高2にかけて、兄弟の中で一番ひどかった(笑)。塾をサボって遊びに行っているなんてしょっちゅう。
でも後で知ったんですが、親はそれを知っていても何も言いませんでした。『自分で失敗して気づかないとわからない』という考えだったみたいで。今にして思えば、失敗させるのが上手な親だったのかなと思います」
「反抗期だった高2の冬、ぼくの東大入学を願いながら母が亡くなりました。それまできちんと向き合ってこなかった母への態度を後悔し、こんなことしている場合じゃない、ちゃんと勉強して思いにこたえなきゃ!と気持ちを切り替えました」
東大入学早々に挫折体験!
強みを生かす方向にシフト
その後、努力の末に東大に入学した最初のテストでは周囲の優秀さに圧倒され、『勉強では彼らに勝てないな』と早々に挫折を経験。
「こんなに頭のいい人たちがたくさんいるんだから、自分は勉強で食べていくことはできないだろう、と。悩んだ末に、ならば自分が得意なこと=小学生のときから作り続けていたナゾトキで勝負しようと考えていたところ、東大にナゾトキサークルがあることを知って入会しました。
そしてそこは、自分の強みを生かして大いに活躍できる場だったのです」
松丸さんが率いる「リドラ」は、ナゾトキを考え、それをコンテンツとしてメディアや企業などに提供する会社。
「勉強は知識の蓄積であるのに対して、ナゾトキは思考力を鍛えて『問題解決力』を身につけるトレーニングになります。『問題解決力』って、自分で社会を生き抜く力のことで、これからの時代に特に必要だと思うんです。
実際に、ぼくたちの作るナゾトキを人材育成の研修に採用してくれている企業もあります。
社会を生き抜くのに直接役立つのがナゾトキの力ですが、勉強はできなくてもいいということでもないです。勉強が苦手だったとしても、勉強という苦行を乗り越えて学力が上がることは『忍耐強さがある』と社会で信用してもらえる要素の1つに。
でも、勉強ができるだけでもダメで、そこにオリジナリティや発想力などの+αが必要。その+αの部分を養うのに、ナゾトキって最適なコンテンツだと思います」
一人よりチームで!
ナゾトキをもっと広めたい
リドラのメンバーは、松丸さんを中心に東大ナゾトキサークル時代の先輩・後輩が中心。松丸さん自らスカウトした人も多い。
「チームで活動しているのは、ぼく一人よりも信頼できる仲間がいたほうが、よりおもしろいものができるから。ぼくらがナゾトキをもっと世の中に広めて、頭を使うことがエンタメになると子どもたちの考える力が上がる!(笑) そんな日が来るといいなと思います。
と、夢は果てしなく大きいですが、まずはペンと紙さえあれば気軽にできるナゾトキを、ぜひ親子で楽しんでみてくださいね!」
思考力とは、すなわち問題解決力。「SPECC」と呼ばれるその力の正体を、1つずつ分解&解説!
「思考力って漠然としてるようですが、解きほぐすと大きく5つの力に分けられます(下図参照)。『問題と向き合う3つの力』(多角的思考力、論理的思考力、発想力)と、『それをサポートする2つの力』(試行錯誤力、会話力)。いろいろなナゾトキに挑戦することでこの5つが鍛えられ、問題を自分で解決していく総合的な力が身につきます」
常識や思い込みなどの固定観念にとらわれずに、あらゆる視点からものごとを観察する力。1つのものの見方にこだわらず、視点を柔軟に切り替えることで、解決法が浮かび上がる。
与えられた状況に応じて、確かな事実を着実に積み上げながら筋道を立てて要点をつかむ力。矛盾なく論理を積み上げていくことで、誰もが納得できる答えを出せるように。
ものごとに対面したときに、たとえ間違えたり遠回りしても、諦めずに一歩ずつ目的に近づいていく力。ネバーギブアップ精神で取り組むエナジーはどんな才能にも勝る!
自分の考えを言葉で相手に伝えたり、相手の言葉の意図を汲み取るなどのコミュニケーション力。自分の頭の中だけで考えず、ほかの人と意見交換することでアイデアの質が向上。
問題や課題に対して正解をもたらすアイデアを生み出す力。いわゆる「ヒラメキ」。視野を広げて思い込みを取り払い、ものごとを結びつけて考えることで新たな発想が得られる。
LEE 2021年1月号に掲載されています。
詳しい内容は2021年LEE1月号(12/7発売)に掲載中です。
撮影/フルフォード 海 ヘア&メイク/大室 愛 スタイリスト/山田やすし 取材・原文/遊佐信子
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