材料はごく少なくて、拍子抜けするくらいに簡単。なのに、ごはんにのせると心ときめく一品に。これが“のっけごはんマジック”。子どもが、いや大人も大好きな、2つのレシピをご紹介！

2つの素材をさっと料理してごはんにのせて。栄養ばっちり、ボリュームだって大満足。昼はこれだけで、夜も汁ものを足せば完璧！

焦げ目にタレを色よくからめて
「鶏もも＋長ねぎ」の焼き鳥風のっけ

「“照り焼き”でなく“焼き鳥”にするには、焦げ目がポイント。肉は酒で蒸し焼きにすると、パサつかず、やわらかに火が通ります」

材料・2人分

鶏もも肉……300g
長ねぎ……1本
温かいごはん……茶碗2杯分
粉山椒（好みで）……適量
しょうゆ……大さじ1 1/2
酒、みりん……各大さじ1
しょうがのすりおろし……1/2かけ分
サラダ油……小さじ2

作り方

1. 鶏肉は2㎝角に切る。長ねぎは1.5㎝長さに切る。
2. フライパンにサラダ油小さじ1を強めの中火で熱し、①の長ねぎを焼く。焼き色がついたら取り出す。
3. ②のフライパンにサラダ油小さじ1を足して熱し、強めの中火で鶏肉を焼く。肉に焼き色がついたら酒を加え、汁気が半量になるまで炒める。
4. ②のねぎを戻し入れて、しょうゆを加えてひと混ぜし、みりんを加えて汁気が半量になるまで煮からめる。しょうがを加えてひと混ぜし、好みで粉山椒を振る。器に盛ったごはんにのせる。

もう一品
ワカメともち麦のスープ

ワカメスープには、もち麦を加えて食感の楽しさを。「しょうがは最後に加え、風味を残しましょう」

材料・2人分

カットワカメ（乾燥）……2ｇ
ゆでもち麦（ドライパック）……30ｇ
しょうがのすりおろし……1/2かけ分
鶏ガラスープの素……小さじ１
水……2カップ

A）
酒……大さじ１
しょうゆ、ごま油……各小さじ１

作り方

鍋に水を入れ、中火にかける。沸いたら弱火にし、鶏ガラスープの素を入れて溶かす。ワカメ、もち麦、Aを入れ、3分ほど煮て、仕上げにしょうがを加える。

※乾燥したもち麦を使う場合は、たっぷりの湯を沸かし、もち麦を入れて中火で15～20分ほどゆでる。ザルに上げてぬめりを洗い流し、水気をきる。

「のっけごはんにしようかなと思うのは、きっと急いでいるときですよね。今回は火を通さなくて済むものを使ったり、小さく切って火入れ時間を短くしたりの工夫をしています」

「はじめに肉を酒で蒸らすように炒める。意識して焼き目をつける。そんな小さなテクニックで、簡単でおいしいのっけごはんになりますよ」

角田真秀さん

料理店を営む両親のもとで育つ。「普通の料理。だからこそ、心に届く料理」をモットーに、身近な材料で手軽に作れるレシピを発表。著書に『うまくいく台所』（文化出版局）など。

とろみをつけて満足感アップ
「豚肉＋アスパラガス」のオイスター炒めのっけ

「肉は片栗粉をまぶして焼き、とろみをつけてボリュームアップ。調味料のからみもよくなるので、大盛りごはんもペロリです」

材料・2人分

豚肩ロース薄切り肉……200ｇ
アスパラガス……4本
温かいごはん……茶碗2杯分
片栗粉……大さじ1
塩、こしょう……各少々
ごま油……小さじ2

A）
にんにくのすりおろし……1/2かけ分
オイスターソース、酒……各大さじ1
しょうゆ……小さじ1
砂糖……小さじ1/2

作り方

1. 豚肉は塩、こしょう、片栗粉をもみ込む。アスパラガスは根元から5㎝ほど皮をむき、斜め5等分に切る。
2. フライパンにごま油を中火で熱し、①の豚肉を2～3分炒める。色が変わったら、アスパラガスを加えてさらに2分ほど炒める。Aを回し入れ、手早く炒め合わせて器に盛ったごはんにのせる。

もう一品
じゃがいもとカニかまのスープ

じゃがいもは細切りにして、火の通りを早く！「食感を楽しみたいから、ほどよく歯ざわりを残して」

材料・2人分

じゃがいも……2個
カニ風味かまぼこ……4本

A）
水……2カップ
酒……大さじ１
鶏ガラスープの素……小さじ１1/2
しょうゆ、ごま油……各小さじ１

作り方

1. じゃがいもは5㎝長さ、幅5㎜程度に切る。カニ風味かまぼこはほぐす。
2. 鍋にAと①を入れて中火にかける。沸いたら5分ほど煮る。

「肉か魚でタンパク質を、野菜でビタミンを。そこに炭水化物のごはんが入るから、“のっけ”は手抜きごはんではなく、完璧ごはんです！」

さらに、気づいたのは、“のっけ”だからこそ味わえるおいしさ。

「トマトとシラスの和え物なんて、おかずにしたら副菜扱い。でも、ごはんにのせれば、満足できるひと皿に。のっけごはん、本当に偉大です」

今井 亮さん

京都の老舗中華料理店で修行の後、上京。料理家のアシスタントなどを経て独立。自宅にて料理教室「亮飯店」を主宰する。著書に『美酒佳肴 中華つまみ』（成美堂出版）など。

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詳しい内容は2020年LEE11月号（10/7発売）に掲載中です。
撮影／豊田朋子　スタイリスト／朴 玲愛　取材・原文／福山雅美