こんにちは、アスリートフード研究家の池田清子です。
私はこの6月から7月にかけて、10万フィートの獲得標高を登るという企画「Leadville 100,000FT challenge」 に参加していました。
10万フィート=30,480m。この高さ分を、走って登る!というチャレンジです。
3万メートルも、なんだかピンとこないですね。
例えるならば、富士山(3,776m)であれば8回、エベレスト(8,848m)であれば3.4回を登るのに相当する高さになります。
今回は、取り憑かれたように!?坂を求めた43日間と、それを支えた植物性食材のみの食事、プラントベースについてレポートしたいと思います。
運動をしている方、疲れが中々抜けないという方、レースが中止になってしまって目標をどこに定めるべきか悩んでいる方、プラントベースと運動の相性は?などなど。一つでも何かのヒントになれば幸いです!
まずはこのチャレンジ企画について、ご紹介させてください。
このチャレンジは、実際に走るけれども、通常のレース等とは違ってオンライン上で企画されました。
北米はコロラド州のLeadville(レッドビル)という町で毎年開催されている、超人気レース(マウンテンバイクとトレイルランニング)が今年はコロナの影響で中止になったので、その代わりに、同主催者が世界中どこからでも参加できる素晴らしい企画を立ててくれたのです。
夫がネットで参加をポチる際、床でゴロ寝をしていた私を見かねたのでしょうか。
「一緒にやってみよう!新しい自分に出会ってみようよ!」と熱心に誘われました。
最初は「ムリムリムリ!」なんて笑って断っていましたが、最終的には渋々(!)参加することになりました。
参加費は100ドルで、申し込み直後にオンラインで名前入りのビブ(ゼッケン)が受け取れます。
走った距離や獲得標高、時間などを携帯やPCからサイト上にアップすると、総獲得標高距離や達成率などが表示される仕組みに。
半分達成した際には「いい感じだね!このまま頑張って!」というメールまで届きます。どれだけ標高を上がっているかは、機能性腕時計で計測することができます。
このレースに限らず軒並みレースが中止となってしまったので、目標を失った多くの選手にとって心の糧になったことは間違い無いと思いますし、何より「一人じゃない」感がモチベーションを高めてくれました。こんなかたちのイベントもあって良いな、と感じました。
イベントの期間は、6月13日から8月22日まで。
この間に自分のペースで10万フィート達成すれば、ミッションクリアーなのですが。オンライン上では、達成率順に全員の順位が表示されます。
するとどうでしょう。当初は期間内に終わらせることだけが目標だったはずが、ジワジワと「一つでも順位を上げたい」というスイッチが入り、最初は1日500mの獲得標高だったのが、800mになり、1000mになり。会ったこともないライバルを意識して日を追うごとに登る距離は延びていきましたが、同時に「今この瞬間も世界のどこかで一緒に頑張っている人がいる」とイメージすることも、歯を食いしばるほどの辛さを乗り越える原動力になりました。
外では登った分だけ降りなければならないので、激しい下りも登りと同じくらい足に負担がかかりました。
そこで心強い味方なのが・・・そう、プラントベースの食事です!
食事に関しては、日頃から植物性食材のみの食生活プラントベースを実行しています。
このチャレンジ中も、もちろんプラントベースのみ。動物性の食材は、一切口にしていません。
月&金は休み・残りの5日間は走る、と予めスケジュールを決めていて「とにかく翌日に疲れを持ち越さない!筋肉痛も最小限に!」ことが最大のテーマでした。
朝起きたら、足はもちろんの事。全身がフレッシュ!なのが理想。
色の濃い野菜や果物は、抗酸化作用物質と多種のビタミンが豊富に含まれていて、炎症を軽減する他、活性酸素を除去したり、細胞の新陳代謝を促したりします。これが 疲れの軽減=回復の速さに繋がってきます。
初夏から夏にかけておすすめなのが、ベリー系です。中でもブルーベリーのポリフェノールは抗酸化力が強く、紫外線を浴びた肌や目の回復にも最強の食材です。
今年はいつも以上に意識して、ブルーベリーを食べました。
ちなみにブルーベリーは冷凍でも抗酸化作用物質量が保たれるので、冷凍を利用するのも良いかと思います(解凍には火を使わずに!)。
また、たくさん汗をかいた時はスイカやメロン、キウイ、イチジクなど水分が多めの果物も積極的に食べました。
果物に含まれる水分は天然の電解質が含まれていて体液に近いため、真水よりも素早く腸で水分が吸収され、脱水を防いでくれます。
運動すると細胞が炎症するのですが、炎症を放っておくと疲労が抜け難かったり、関節炎、腰痛、ヘルニア、筋肉痛に繋がったりします。
果物や野菜はアルカリ性の性質があり、細胞の炎症を抑える働きがあります。
動物性の(特に)脂質は炎症を引き起こす酸性の性質があるので、上記の症状に悩んでいる方は
そして
ことをおすすめします。
プラントベースの食事では、常に炎症を抑える働きの食材を食べていることになります。
毎食&日々炎症を抑えていくこと=疲労を溜め込まない(素早い回復)・病気の予防、などに繋がります。
今回はこれまで数年間走ってきた中でも一番きついチャレンジでしたが、「疲れが残って走れない」ということは一度もありませんでした。
クタクタになるまで追い込んだ翌日、「今日こそダルくなっているかも」と思っても走り始めたら「体軽っ!」「足軽っ!」と走れてしまう感覚。学生の頃(万年補欠)より、今の方が確実に動けるという不思議。
その理由として、プラントベースの食事が関わっていることは間違いないと感じました。
終盤は、これまでなかった足の筋肉まで浮き出てきて、より強く・健康的になれたと感じました。「植物性食材だけなのに走れる」のではなく、「植物性食材だから走れる」と実感した日々でした。
プラントベースと運動の相性は、抜群です。ぜひ多くの方にも体感していただきたいです。
登ることだけを考えた日々が続き、一時は終わりが見えないようにも感じましたがついにその日はやってきました。
7月26日。参加者558人中(男女総合)、50番目にこのチャレンジを達成しました。
30,480mの獲得標高を得るために走った総距離は、227.8kmでした。
チャレンジを達成するまでの43日間、単純計算で1日708.8m上昇。
これは例えば、43日間休みなく54階建の六本木ヒルズ 森ビルを1階から屋上まで、1日3回駆け上がるのとほぼ同じ計算になります。
夫はさらに倍の獲得標高を走るマウンテンバイク10万、トレラン10万の合計20万フィートのチャレンジに挑み、7月28日に達成。
夫婦で設定期日よりも早い完走、達成です!
このイベントに参加していなければ、ここまで頑張れなかったと断言できます(だって辛すぎるもの笑)。
オンラインチャレンジは、これからますます広がっていくかもしれません。もちろん実際のレースも最高ですが、長期間に渡って挑戦できるのも良い点です。
開催してくれた Leadvilleチームには、心から感謝です。
そしてチャレンジ期間中に誕生日を迎えましたが、まだ新しい自分と出会えるのだということに、素直に感激しました。41歳、まだまだ頑張る!笑
8月も、友人が開催している新たなオンラインチャレンジ企画に参加しています。
目標は各自自由なので、今月は坂からは一旦離れて(もうお腹イッパイです)距離を走ることを目標にしました。
とはいえ、あまり無理をせずに安全第一で。太陽の日差しを思い切り浴びて、楽しむことを忘れずにいたいです。
まだ少ないかもしれませんが様々なオンラインチャレンジが開催されているので、モチベーションを保ちたいという方はぜひトライしてみられることをお勧めします。
本当に、想像以上に楽しいです!チャレンジが終わったら見知らぬ参加者の方と一緒にオンライン飲み会でもしたいくらい、不思議な仲間意識も生まれています。
走る以外はまだ引き続き自粛気味な日々を過ごしていますが、コロナを言い訳にせず、プラントベース×運動で、強くて健康的な体を作っていけたらと思っています。
この記事を読んでくださっているあなたもご一緒に、いかがですか。
See ya all!!!
池田清子 Sayako IKEDA
アスリートフード研究家
ビオトープ株式会社代表。夫は7年連続日本代表マウンテンバイクプロライダー、池田祐樹。菜食・プラントベースを主とした「細胞から健康的に強く美しくなる」食事の研究と発信を行う。2014年より自身もサイクリング・ランニング・筋トレを中心とした運動をスタートし、国内外での大会出場経験も多数。著書に『EAT GOOD for LIFE』至上最高の私をつくる「食」×「ながらトレーニング」』『野菜のおいしい食べ方』https://biotope-inc.co.jp https://biotope-inc.co.jp