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池田清子

プラントベース(植物)ダイエットとは? 基本【前編】 世界に広がる菜食アスリート

  • 池田清子

2020.06.29

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こんにちは! アスリートフード研究家の池田清子です。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
初回の記事では、 “動物性食材を基本的に摂らない、菜食中心の食事法”「プラントベースダイエット」を実践していることについて触れましたが、ここからは前編と後編にわたって、もう少し詳しくお伝えしたいと思います。

 

INDEX

■1:プラントベースダイエットとは?
=植物性食材中心の食事法

■2:いざ実践!押さえておきたい
基本【前編】

  ・「食材はなるべく丸ごと食べること」
  ・Column 植物性食材を丸ごと食べるためのヒント

■3:プラントベースダイエットの
疑問を解消!

  ・Q&A
  ・Column 夫婦で変化を実感!

知識や情報は今や容易に手に入れることができる時代なので、ここでは上記の内容に絞って実体験も含めたお話をしたいと思います。
それでは、スタート!

1:プラントベースダイエットとは?
=植物性食材中心の食事法

まずは基本的な言葉のご紹介から。

「プラントベースダイエット」

=植物性食材を中心とした食事法

 

“ダイエット”と名が付くと日本では“減量”というイメージが強いかと思いますが、ここでは英語本来の“食事法・食生活”という意味合いで使われています。

 

<食べるもの:植物性食材>
穀類・野菜・果物・豆類・種子類・キノコ類・海藻類

上記はみなさんにとっても、身近な食材だと思います。

 

<食べないもの:動物性食材>
肉・魚・乳製品・卵は基本的に食べません。

野菜がメインになるので、こだわって選んでいます。こちらはコロナ支援の一環で、京都の農家さんから取り寄せた野菜セット。お馴染みの野菜から、これまで自分では積極的に使ったことがない野菜まで。何か届くか分からない時も、幅が広がり楽しくなります。

2:いざ実践!
押さえておきたい基本【前編】

プラントベースを実践する上で、よりおすすめな食べ方があります。
ご紹介したい方法はたくさんありますが、今回は基本として大事なことをまず1つご紹介しますね。

「食材はなるべく丸ごと食べること」

消化に無理のない可食部分に限りますが、例えば野菜や果物の皮です。

野菜やフルーツの皮には、栄養素がたっぷり含まれています。捨ててしまっては、もったいない!

“皮や皮と実の間には栄養が多く含まれる”ということは皆さんも耳にされているかと思います。実際に、皮や皮と身の間に栄養が多いことはもちろん、その植物が一番バランスよく存在している姿形(全体)をそのまま食べることで、栄養の消化・吸収の面でも効率が良くなります。

例えば、ビタミンのサプリメントなど、抽出された栄養素だけを体に取り込んでも体内で吸収されにくかったり、過剰摂取してしまったり、実は効率も悪く、バランスを取るのがとても難しいのです。

それよりも野菜や果物を丸ごといただく方が、豊富に含まれる微量な栄養素がうまく働き合い、スムーズに吸収されると言われています。こういった微量の栄養素をきちんと摂ることが、体をつくる上であなどれない、とても大切な鍵となるのです。

では、具体的にはどんなものを皮ごと食べているかというと…
ほんの一例ですが、

<野菜>
・カボチャ  ・サツマイモ  ・人参
・蓮根    ・大根     ・茄子
<果物>
・りんご   ・ぶどう
<穀物>
・米=玄米  ・小麦=全粒粉

 

果物でいうと、オーガニックのキウイが手に入ったときも同様に丸ごといただいています(あのケバケバは結構強敵なので、ミキサーでジュースにして飲みます)。野菜や果物に関しては、すでに皮ごと食べている、という方も多いのではないでしょうか。

穀物については、精製されるとその段階でかなりの栄養素が省かれるだけでなく、血糖値も上がりやすくなり、体に蓄積されやすくなってしまいます。

えんどう豆をソースに丸ごと撹拌した全粒粉パスタ。全粒粉の麺も、ひと昔前に比べて随分美味しくなった気がします。

 

Column
植物性食材を丸ごと食べるためのヒント

・出来るだけ有機栽培されたものや無農薬、減農薬で育てられたものを選ぶ

・無農薬の食材が手に入らない時は、重曹やホタテの貝殻の粉末
(通販などで買えます)を溶かした水に浸けることで
農薬などの化学薬品を取り除く

植物性食材をできるだけ未加工で丸ごと食べるという食べ方は“プラントベース・ホールフード”と呼ばれていて、とても重要なポイントになります。大変な作業をされている農家さんを応援する意味でも、栄養価の面でも、有機栽培されたものや無農薬、減農薬で育てられたものを選ぶことは、多少高くても(といっても数十円か、時には変わらないことも!)そこにはそれ以上の価値が含まれていると思っています。

農薬は、ボウル一杯に対して大さじ1程度の重曹またはホタテの貝殻の粉末(通販などで購入可)を入れてよくかき混ぜた水に10分間程野菜やフルーツを浸けると除去できると言われています(使用している農薬の種類によって、除去できるかどうか変わるという実験結果もあります)。



■3:プラントベースダイエットの
疑問を解消!

Q&A

Q.植物性中心の食事で栄養が足りるの? どこからタンパク質を摂るの?

A.まず、植物には様々な種類の栄養がそれはもう豊富に含まれています。
そして、心配されるタンパク質ですが、こちらも問題ありません。タンパク質は分解するとアミノ酸になります。植物性食材には良質なアミノ酸が豊富に含まれているため、バランスよく食べていれば不足に陥ることはありません。生まれてから一度も肉を食べたことがない、筋肉隆々の菜食ボディービルダーもいます。

Q.美味しく料理できるの?

A.お肉や魚から出る旨味と同様、昆布や干した野菜やキノコ類などからも美味しい出汁を取ることができます。私も例に漏れず、料理の幅が狭まるどころか使う食材の種類も増えてレパートリーが広がっていきました。

夫も「昔は焼肉やラーメンが最高だと思って大好きだったけど(超肉食でした)今どちらが美味しいかと聞かれたら、植物性食材のみで作られた食事の方が美味しいと感じる! 味も風味も全く劣ってない。一生続けたい。」と言っています。

Q.菜食で体力が持つの?

A.普通の生活を送ることはもちろん、プロアスリートにとっても問題なし。
適切な食事が出来ていれば(今回はその一つを後術しますね)栄養面の問題はありませんし、体力面も大丈夫。普通の生活を送る上でも、運動する上でも問題ありません。

また、過度な運動によって体を錆びさせてしまう活性酸素が発生したり、免疫機能が低下したりしてしまうのですが活性酸素を除去する抗酸化作用物質や、免疫機能を上げるビタミンやミネラルが植物には多く含まれています。

そのため、日頃から過度なトレーニングで体に負担をかけているアスリートほどその違いを感じています。世界トップレベルの選手の多くが、瞬発力・スタミナ・回復速度・体内年齢の若返りなどを実感し、続々と植物性食材のみの食事を始めています。

ちなみにほんの一例ですが、5度も世界チャンピオンになったF1のルイス・ハミルトン選手、これまで何度も世界ランキング1位になっているテニスのノバク・ジョコビッチ選手、元陸上選手のカール・ルイス氏。他にも、イングランドのサッカーチーム「フォレストグリーン・ローバーズ」の食事が完全菜食であったり、激しい体と体のぶつかり合いをするナショナル・プロフットボールリーグのトップ選手数名など……輝かしい成績や記録を収めています。

また、植物性の食事を続けることで、近年患者数が増加の一途をたどる生活習慣病やガンなどの病気のリスクが20%以上減ることも多くの研究で報告されています。

 

ある日の食卓。タカキビのハンバーグとアボカドのディップ。雑穀にしても野菜にしても、調理する食材の種類が増え、同時に世界が広がりました。これまで以上にクリエイティブな思考で料理ができるようになった気がします。

Column 夫婦で変化を実感!

顔の違いにご注目!体の内側・外側の変化が顕著に表れました

長距離アスリートの夫も、最初に菜食を始めたのが2014年の4月。
厳格に実行した半年間でスタミナがつき、国内外で行われた数々のレースで優勝しました。
そして、体の中も変わりました。

人によって個人差もあるかと思いますが、夫の場合の実例としては……

・高血圧→正常値に
 (アスリートの割に高血圧で、医者に
「適度な運動を取り入れてください」と言われたことも!笑)

・喘息→完治
・花粉症→無症状
・風邪をひきやすい→殆ど引かなくなる
 (極端に激しい運動は免疫機能が低下し、感染症にかかるリスクが高まります)

などなど。

そして、見た目も菜食を初めて半年間で随分変わりました。
変化を写真で並べてみますね。どうでしょう!?

 

2014年4月に菜食をスタート。半年で、見た目がシュッとしました。でも体重の減りは2〜3kg程度。それまで決して太っていたわけではありませんが、むくみが随分減りました。その後実験として色々な食生活を試しましたが、やはり菜食がベストだとわかり、2018年に再び本格的に菜食を始め、現在に至ります。

 

毎日顔を合わせているとその変化に気がつきにくいのですが、こうして並べてみると別人のようです(笑)

私自身も運動後の筋肉痛が以前に比べて軽減されたり、口内炎ができなくなったり。

肌が潤い、日焼けからのターンオーバーが速くなったりと、体の外側も内側も調子が良くなるのを実感しました。

 

夫と私は同い年(高校の同級生です)。30代半ばの4年間は大きい!ですが、なんだかスッキリして肌ツヤも良くなった気がします。

 

以前は動物性食材を食べていて、食事を切り替える前と後で大きく違いを感じるという選手が多いですが、前述の通り生まれてから一度も肉を食べたことがないという筋肉ムキムキのボディービルダーもいます(肉を食べなくとも筋肉がつけられるという証拠ですね)。

まさに、世界中のアスリートが注目している食生活がプラントベースダイエットなのです。

アメリカはアリゾナ州でトレーニンングをする夫・池田祐樹。夫の場合はマウンテンバイクとトレイルランニングに適切な筋肉を保つため、敢えて筋肉をつけ過ぎないようにしていますが、引き締まった体はいつ見てもカッコいいです(Haha!)。身長172cmで体重62kg前後、体脂肪率8〜9%です。

 

今回は、世界に広がりを見せる菜食を実践するアスリートについてや夫の変化、そして「丸ごと食べることがポイント」ということをお伝えしました。
1度に全てをお伝えしきることは難しいので、徐々にご紹介できればと思います。

次回は、どうやって普段の食生活に取り入れるか、押さえておきたい基本【後編】でございます。

Have a healthy life!!

池田清子 Sayako IKEDA

アスリートフード研究家

ビオトープ株式会社代表。夫は7年連続日本代表マウンテンバイクプロライダー、池田祐樹。菜食・プラントベースを主とした「細胞から健康的に強く美しくなる」食事の研究と発信を行う。2014年より自身もサイクリング・ランニング・筋トレを中心とした運動をスタートし、国内外での大会出場経験も多数。著書に『EAT GOOD for LIFE』至上最高の私をつくる「食」×「ながらトレーニング」』『野菜のおいしい食べ方』https://biotope-inc.co.jp https://biotope-inc.co.jp

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