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現在公開中&ゴールデンウィーク公開作から2026年下半期公開作まで

『トワイライト・ウォリアーズ』だけじゃない!香港映画初心者におすすめ最新作8選+α【2026年日本劇場公開】

  • 紅水蜜桃

2026.04.24

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『トワイライト・ウォリアーズ』だけじゃない!香港映画ビギナーにおすすめ最新作8選+α【2026年日本劇場公開】

LEEweb読者の皆様、初めまして。香港映画・エンタメを偏愛するあまり書籍『推しは香港に在り』(早川書房)を執筆したフリー編集・ライターの紅水蜜桃(くれないの・すいみつとう)と申します。

『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』(以下『トワウォ』)大ヒットの影響で日本で劇場公開される香港映画が増加中です。本記事では香港映画ビギナーの読者の皆様に現在公開中&これから公開予定の香港映画+αをご紹介。心温まる社会派エンタメ、笑って泣ける上質ラブコメディ、大人に刺さるほろ苦アオハルもの等、香港映画のイメージを覆す(かもしれない)作品満載です。ザ・香港映画なアクションコメディや、ウォン・カーウァイ監督作品の4Kリバイバル上映も!(※劇場公開日順に紹介)

Hong Kong Movie+α

香港推し界隈以外にも広く好評を得てロングランヒット中。親子での鑑賞もおすすめ

『私たちの話し方』

『私たちの話し方』 《看我今天怎麼說》
© 2024 One Cool Film Production Limited, Lee Hysan Foundation. All Rights Reserved.
新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国公開中 
監督:アダム・ウォン(黄修平) 出演:ネオ・ヤウ(游學修)、ジョン・シュッイン(鍾雪瑩)、マルコ・ン(吳祉昊) 原題:看我今天怎麼說 英題:The Way We Talk 2024 年/香港/広東語・香港手話/132分 配給:ミモザフィルムズ

3歳で中途失聴し、人工内耳(※1)を装用し口話でコミュニケーションを取り「普通」を求めてきた優等生のソフィー。手話を用い、ろう者であることに誇りを抱くダイビングインストラクター志望のジーソン。彼の親友で人工内耳を装用し、口話と手話のバイリンガルである広告ディレクターのアラン。聴覚障害当事者の若者の挫折と成長を描き、聴覚障害について真正面から取り上げた作品です。

手話を用いて雄弁に語る登場人物たちを観ているうちに、手話の豊かさ・美しさに魅せられます。人工内耳を通した電子音や外した際の静寂を追体験できる音響設定、バリアフリー日本語字幕・バリアフリー音声ガイド対応の上映と聴覚障害についての学びが多く、親子での鑑賞にもおすすめです。

※1 人工内耳とは、聴覚障害があり補聴器の装用では効果が不十分な難聴者がつける医療器具。受信コイルなどの器具を付けることで使用できます

Hong Kong Movie+α

『トワウォ』再び? 身体を張りコメディ演技も全く厭わない女優陣にも注目

『ヒット・エンド・ファン!臨時決闘』

『ヒット・エンド・ファン!臨時決闘』
©2025 Ovation Entertainment Group Limited. One Cool Film Production Limited. All Rights Reserved.
シネマート新宿、Strangerほか全国公開中 
監督:アルバート・マック(麥啟光) 出演:ルイス・クー(古天樂)、ジジ・リョン(梁詠琪)、ルイーズ・ウォン(王丹妮)、クリッシー・チャウ(周秀娜)、トニー・ウー(胡子彤)、ジャーマン・チョン(張文傑)、チャン・チャームマン(陳湛文)、フィリップ・ン(伍允龍)、ウォン・ワンチン(王尹菁)、ジョゼフ・ラウ(喬靖夫) 原題:臨時決鬥 英題:Hit N Fun 2024 年/香港/広東語/108 分 配給:JAIHO

『トワウォ』出演・制作陣が再集結し話題の一本。マカオの経営不振のムエタイジムを舞台に、オーナーと彼の妻や弟子たちが各自抱える課題に立ち向かう過程を追ったアクションコメディです。香港では旧暦新年の春節には毎年オールスター出演のおめでたくて景気の良い内容の映画が制作され、本作も2025年の春節映画として公開されました。

『トワウォ』にオマージュを捧げるシーンも多々あり寨民(熱狂的『トワウォ』ファン)を歓喜させていますが、王道的エンタメ作品で香港映画初心者でも楽しめます。ガチなキャットファイトを繰り広げるルイーズ・ウォン(写真左)とクリッシー・チャウ、落ち目の更年期世代女優役のジジ・リョンらの身体を張り、コメディ演技も全く厭わない女優魂に拍手したいです。

Hong Kong Movie+α

『ベイビーわるきゅーれ』シリーズのチームが、香港映画とのコラボを実現

『殺手#4(キラー・ナンバー4)』

『殺手#4(キラー・ナンバー4)』
© mm2 Studios Hong Kong Limited 2025
新宿バルト9ほか全国公開中 
監督:リョン・コイイン(梁居英) 出演:ジェフリー・ガイ(魏浚笙)、南沙良、ダニエル・ホン(洪瑜鴻)、森優理斗、根岸拓哉、 チュー・パクヒム(朱栢謙)、ローザ・マリア・ヴェラスコ(韋羅莎)、遠藤雄弥、草川拓弥、斎藤工、竹中直人  原題:殺手#4 英題:Road to Vendetta  2025 年/香港・日本/広東語・日本語・英語/107分 配給・宣伝:ライツキューブ 配給協力:ティ・ジョイ

大人気の『ベイビーわるきゅーれ』シリーズのチームが香港映画とコラボレーションを果たした、香港・日本合作映画。主な舞台も日本で、南沙良(写真左)、斉藤工、竹中直人ら日本の新旧演技派俳優も多数出演、と香港映画初心者でもとっつきやすいのでは。

香港から日本に派遣された殺し屋・No.4役を演じるジェフリー・ガイ(写真右)はリアリティ番組出演を機にブレイクし香港女子に大人気。香港を走る路面電車・トラム車内での肉弾戦、日本到着後の銃撃戦、クライマックスの殺陣、とあらゆるタイプのアクションシーンで身体を張って熱演します。香港では映画・TV・歌がセットで人材が往来し、俳優が歌い、歌手が演う循環が一般的。ジェフリーも俳優兼歌手の二足草鞋で活躍する逸材です。



Hong Kong Movie+α

今観てもスタイリッシュで新鮮。ウォン・カーウァイ監督の名作が4K版で復活

【花様年華 25周年特別版】『花様年華 4K』『花様年華2001』

『花様年華 4K』
© 2000-2001 BLOCK 2 PICTURES INC.© 2019 JET TONE CONTENTS INC. ALL RIGHTS RESERVED
5月1日(金)よりシネマート新宿、Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下、グランドシネマサンシャイン 池袋ほか全国順次公開 
監督・脚本・制作:ウォン・カーウァイ(王家衛) 出演:トニー・レオン(梁朝偉)、マギー・チャン(張曼玉) 『花様年華 4K』原題:花樣年華 英題:In the Mood for Love 2000年/香港/広東語/98分 『花様年華2001』原題:花樣年華2001 英題:In the Mood for Love 2001 2001年/香港/広東語/9分 提供:アスミック・エース、TCエンタテインメント 配給:アンプラグド

アクション映画とは別ベクトルで、日本における香港映画の地位向上に貢献したウォン・カーウァイ監督。青春時代にその作品に触れた読者の方も少なくないかもしれません。彼の不朽の名作『花様年華』が日本上映25周年を記念して4Kレストア版で復活。今観ても全く古臭さを感じさせない、どころかあまりにスタイリッシュで、香港映画初心者はビックリするかも。当時観た方にも未見の方にもおすすめです。

2001年にカンヌ国際映画祭で上映されて以降、日の目を見ることのなかった幻の短編『花様年華2001』も併映。1960年代香港が舞台の『花様年華』W主演のトニー・レオン(写真右)とマギー・チャン(写真左)が、現代(撮影当時)香港のコンビニを舞台に繰り広げるパラレルワールド版『花様年華』的作品です。

Hong Kong Movie+α

香港映画歴代興行収入記録を更新した、香港版『おくりびと』(?)

『旅立ちのラストダンス』

『旅立ちのラストダンス』 《破・地獄》
©2024 Emperor Film Production Company Limited ALL RIGHTS RESERVED
5月8日(金)TOHO シネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー 
監督:アンセルム・チャン(陳茂賢) 出演:ダヨ・ウォン(黃子華)、マイケル・ホイ(許冠文)、ミシェル・ワイ(衛詩雅)、チュー・パクホン(朱栢康)、キャサリン・チャウ(周家怡) 原題:破・地獄  英題:The Last Dance  2024/香港/広東語/140分 提供:ツイン、Hulu  配給:ツイン

コロナ禍で失職したウェディングプランナーのトウサンが、同棲中の彼女の叔父が経営する葬儀会社を譲り受けるところから物語が始まります。香港の葬儀店は道教式葬儀を取り仕切る葬儀道士との共同経営が基本で、トウサンもベテラン道士のマンとタッグを組むことに。儲け重視で現代的感性のトウサンと、あくまで伝統を重んじるマンは衝突を重ねますが……。

様々な事情を抱え葬儀店にやってくる人々のエピソード、「道士は男性しか継げない」「女性は穢れ」といった道士の因習と家父長制が陰を落とすマンと彼の息子と娘の家族関係、公私ともにターニングポイントを迎えるトウサンの心境の変化が多層的に紡がれます。香港映画の歴代興行収入記録を更新したのも納得の感動作です。

Hong Kong Movie+α

【番外編】香港の人気俳優が台湾版アカデミー賞・金馬奨で主演男優賞ノミネート

『霧のごとく』

『霧のごとく』 《大濛》
© 2025 Mandarin Vision Co,, Ltd. All Rights Reserved.
5月8日(金)シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町、Stranger他全国順次公開 
監督・脚本:チェン・ユーシュン(陳玉勳) 出演:ケイトリン・ファン(方郁婷)、ウィル・オー(柯煒林)、9m88、ツェン・ジンホア(曾敬驊)、リウ・グァンティン(劉冠廷)、ビビアン・ソン(宋芸樺) 原題:大濛 英題:A Foggy Tale 2025年/台湾/中国語・台湾語/134分 配給:JAIHO/Stranger

香港ではなく台湾映画ですが、番外編として紹介させてください。今でこそある意味日本以上にリベラルな台湾ですが、1949年の二・二八事件から1984年の戒厳令解除まで長きにわたり反体制派に対する政治的弾圧「白色テロ」が行われていました。本作では白色テロの犠牲になった兄の遺体を探すため台湾中部・嘉義から台北に単身向かった少女・阿月(アグエー)と、彼女と行動を共にすることになった外省人(※2)退役軍人の車夫・趙公道(ザオ・ゴンダオ)の心温まる邂逅を描きます。

香港と台湾のエンタメ界は人材交流が盛んで、公道役のウィル・オー(写真左)も香港人です。本作で「台湾のアカデミー賞」と称される金馬奨で最優秀主演男優賞を1票差で逃すものの、香港市民を歓喜させたのでした。

※2 国共内戦に敗れ、中国大陸から台湾へ撤退した国民党政府とともに台湾に移住してきた人を指します

Hong Kong Movie+α

『トワウォ』のトニー・ウーが「あの頃の自分をとても愛おしく思う」デビュー作

『最初の半歩』

『最初の半歩』 《點五步》
© 2016 Flash Glory Limited ALL RIGHTS RESERVED
8 月 21 日(金) シネマート新宿、Strangerほか全国順次ロードショー 
監督・脚本:スティーヴ・チャン(陳志發) 出演:リウ・カイチー(廖啟智)、ラム・イウセン(林耀聲)、トニー・ウー(胡子彤)、ヘドウィグ・タム(談善言)、 ウィル・オー(柯煒林)、カーキ・サム(岑珈其)、ヒミー・ウォン(黃定謙)、ロッカー・ラム(林家熙)  原題:點五步 英題:Weeds on Fire  2016 年/香港/広東語・英語・日本語/95 分 配給・宣伝:サロンジャパン

実在の少年野球チーム・沙燕(サーイン)隊の活躍を映画化し、設定を高校生のチームに変更。陽キャの幼なじみ(トニーがハマり役)の陰に隠れがちで片思いの相手に声すらかけられない主人公が、ピッチャーとして徐々に頭角を現します。1970年代にニュータウン開発が始まった沙田(シャーティン)が舞台、香港返還が決まった中英共同声明が発表された1984年の物語という時代設定も相まって、ノスタルジックでほろ苦い、大人向けの青春映画です。

※3「香港のアカデミー賞」と称される映画賞レース

Hong Kong Movie+α

主人公兼主題歌歌唱の逸材! MCチョン・ティンフーを青田買いしたい

『ラブ・ライズ』

『ラブ・ライズ』 《我談的那場戀愛》
© 2024 Head Office Film Limited All Rights Reserved.
2026年秋、全国順次ロードショー 
監督・脚本:ホー・ミウケイ(何妙祺) 出演:サンドラ・ン(吳君如)、MCチョン・ティンフー(張天賦)、ステフィー・タン(鄧麗欣)、チャン・ファイホン(陳輝虹)、ロナルド・チェン(鄭中基)、ジョー・コク(谷祖琳)、アルマ・クオック(郭爾君)、ラム・イウセン(林耀聲) 原題:我談的那場戀愛 英題:Love Lies 2024 年/香港/広東語・英語・フランス語・日本語/114 分 配給・宣伝:サロンジャパン

夫と離婚寸前に死別し心の整理の付かない52歳の産婦人科医・ベロニカはマッチングアプリで同世代のフランス人石油技師とマッチングしますが、相手の正体は26歳の詐欺集団の打ち子・ジョー。夢も目標もないジョーでしたが持ち前の機転を発揮、ベロニカから大金を引き出すことに成功し……。

国際ロマンス詐欺、セックスレス、離婚、おひとりさま、若者の貧困、格差社会等々、日本にも通じる香港の社会問題を突きつつ、あくまでも軽やかな仕上がりのロマンティック・ラブコメディです。ベロニカとジョーの珍道中の舞台・札幌での撮影シーンにも注目。日頃香港映画を観ない方でも自分事として共感できるフック満載、映画館では笑って泣いて「これで良かった!」と温かな気分で帰宅できるはず。

Hong Kong Movie+α

観れば高知を聖地巡礼したくなる、大人の自分探しのロードムービー

『ラスト・ソング・フォー・ユー』

『ラスト・ソング・フォー・ユー』 《久別重逢》
©Mei Ah Film Production Company Limited / The Government of the Hong Kong Special Administrative Region 2024 ALL RIGHTS RESERVED
2026年公開予定  
監督・脚本:ジル・リョン(梁禮彥) 出演:イーキン・チェン(鄭伊健)、ナタリー・スー(許恩怡)、イアン・チャン(陳卓賢)、セシリア・チョイ(蔡思韵)、チュー・パクホン(朱栢康)、へニック・チャウ(周漢寧)、ボニー・ウォン(黃文慧) 原題:久別重逢 英題:Last Song For You 2024 年/香港/広東語・日本語/106 分 配給:スタジオウェイブ

日本撮影の香港映画は意外にも多く、本作も高知県で撮影されました。落ち目の音楽家・蘇昇華(ソー・センワー)は酒浸りで身体を壊し、入院先で高校時代の初恋相手・夏文萱(ハー・マンヒュン)と再会しますが、彼女は程なく病死。昇華の元を高校時代の文萱と瓜二つで彼女の娘を名乗る少女・サマーが訪れ「亡き母の散骨のため一緒に高知に行ってほしい」と請われます。

サマーとともに高知を旅する音楽を諦めた現在の昇華と、文萱と過ごした香港の離島・長洲島で音楽に喜びと希望を見出す少年時代の昇華。物語は二つの舞台と時間軸を行き来しつつ、予想外の展開に。大林宣彦作品や岩井俊二作品に通じる雰囲気を持つ、大人の自分探しのロードムービーです。

香港映画・音楽についてもっと知りたい方はこちらをチェック!

『推しは香港に在り』

『推しは香港に在り 新世代の香港映画・音楽ガイド』紅水蜜桃著(早川書房)

30年以上香港エンタメを愛し続けている著者が、映画『トワイライト・ウォリアーズ』のヒットにより注目されている2020年代の香港の映画・音楽をナビゲート!

映画60作品ガイド、俳優名鑑、俳優・監督インタビュー、“MIRROR前後”の香港音楽史、香港で《推し活》を楽しむ方法などを紹介していきます。

紅水蜜桃 Kurenaino Suimitsutou

フリー編集ライター

香港をはじめとする中華圏の映画・エンタメを推すフリー編集ライター。書籍『推しは香港に在り』(早川書房)発売中。名前の読み方は「くれないの・すいみつとう」です。

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