こちらの「『HenoHeno』緊急支援パック」に使われているのは、新型コロナウイルス拡大の影響によって当初の販売先を失ってしまったイチゴです。
イチゴの旬は3~4月と言われていますが、毎年店頭に並んで私たちを楽しませてくれるだけでなく、この時期イチゴ狩りなども人気を集めます。ただ今年は新型コロナの影響で自粛せざるを得ず、食べ頃の美味しいイチゴが大量に余ってしまうという事態に…。
そんな中、農家の皆さんが一所懸命作ったイチゴを救いたい!と立ち上がったのが「美味しくフードロス削減」をコンセプトとして掲げ、規格外フルーツを活用したフローズンフルーツ『HenoHeno』を製造・販売されているデイブレイク株式会社の皆さんです。
日本で唯一の特殊冷凍機の専門商社で、自社ブランド『HenoHeno』では、年間約100万トンが廃棄されると言われている果物をフローズンフルーツにすることで、新たな価値ある商品として世の中に送り出しています。
最初に私がこの取り組みについて知ったのは、昨年、台風被害が問題になった時でした。
風雨によって傷などがつき、味には問題がないにも関わらず通常の販路には出せなくなってしまった良質な果物を、冷凍フルーツとして販売し農家の方々の支援に繋げている…というニュースが大変心に残り実際に商品を購入しました。
摘みたてのイチゴを急速冷凍!子ども達も喜ぶヘルシーなフローズンフルーツに!
今回の緊急支援パックも、摘みたてのイチゴをすぐに急速冷凍させ作られています。封を切るとイチゴの甘酸っぱい新鮮な香りがあたりに漂うほどで、開けてすぐにそのまま食べることができ、サクサクした食感でイチゴそのものの味を楽しむことができます。
家で過ごす時間が長くなっている中、子ども達と一緒に色々と試行錯誤をしているつもりですが、どうしても煮詰まってしまうこともあります。そんな時、普段とは違うスペシャルなデザートはちょっとしたイベントになるだけでなく、このフローズンフルーツがどんな経緯で生まれ私達の元に届いたのか話すことができ、親子共に貴重な時間にもなりました。
楽しみながら社会問題について考える機会に
この緊急支援パック企画の立ち上げに携わられたデイブレイク株式会社の広報・松本知世さんは、このようにお話されていました。
「私自身も現在子育て中ということもあり、未来を担う子どもたちのためにも、日本の食べ物や、それらを育ててくれる生産者の方々、そして環境を大切にしなければならないという想いから企画させていただきました。
ウイルスの猛威で豹変してしまった社会の中で、私達に何ができるのか。
1年前から進めてきたフードロス削減事業、そして7年前の創業時から蓄積した冷凍のノウハウを活かし、私達にできる精一杯の支援をしていきたいと考えています。」
最初は食べることに夢中だった我が家の子どもたちですが、改めてホームページなどを見せながら、『HenoHeno』についてや今回の新型コロナウイルスによって農家の方々がどんな状況になってしまっているかを伝えたところ、特に新小2となった兄の方は、年間どれだけの果物が廃棄されてしまっているのかを知り大変驚いていました。そして松本さんから伺った想いや、困っている方を救いたいとい気持ちからこのフローズンフルーツが生まれたという話は、子ども達にとっても強く心に残ったようです。
日本では年間2000万トンの食糧が廃棄…フードロスを無くしたい!
デイブレイク株式会社が持つ特殊急速冷凍は、食品が凍る温度帯(-1℃~-5℃)を素早く通過させる技術で、氷の結晶を小さいまま凍らせ、細胞を破壊せずに品質を保ちながら凍結することができるのだそう。それらをインターネット等を通じて流通させられれば、これまでは廃棄せざるを得なかった食品を高品質な状態で日本全国・全世界に届けられるという展望を描いているといいます。
1年で約1500万人の方々が飢餓によって命を落としている今の世界。その命を救うには約700万トンの食料が必要だといわれています。一方で日本では毎年約2700万トンの食料が捨てられており、その中で食べられるはずだったのに捨てられた食品は約640万トン以上あると推定されています。(※HenoHenoホームページより抜粋)
食品ロスをなくすことによって世界の飢餓問題を解決したい。そして、今世界中が立ち向かっている脅威に対しても行動を起こし、困っている方々を救いたいという強い想いに、私自身もパワーを頂きました。
『HenoHeno』で使用しているフルーツは全て国産で、シャインマスカット、完熟マンゴー、あまおう、ふじ等、店頭に並べば高値で取引される一級品のブランド果物ばかり。ちょっと形がいびつだったり、傷があったりというだけで “フードロス”になってしまっていたフルーツをそのまま特殊冷凍しているため、添加物等も一切使用することなく旬の栄養をまるごと摂ることができます。
また個人での購入だけでなく、企業の新しい福利厚生としてのサービスも展開されています。オフィスにコンパクトな特殊冷凍庫を設置し月替りで様々なフローズンフルーツを届け楽しんでもらうことで、社員の方々の健康やコミュニケーションの活性化に加えフードロスの削減にも貢献できるという形は、これまでにない素晴らしい取り組みだと感じました。
こんな時だからこそ、子ども達に伝えたいこと
子ども達には、普段の生活の中でも食べ物を大切にしてほしいということを折に触れ伝えているつもりですが、お店へ行けば常にたくさんの食べ物が並んでいる環境で育ってきたため、私自身も含めなかなか実感が伴っていないと感じることも多々ありました。
食育や良識、環境問題という意味でも、また今後危惧されている食糧不足という観点でも、子どものうちからフードロスについて考えることはとても大切だと思います。新型コロナウイルスという現在の大変な状況と共に、改めてそういった問題について親子で話せたことは、私にとっても良い機会になりました。
選ぶだけで購入するだけで社会貢献になる仕組みは素晴らしいと感じています。
また、外出もままならない中で美味しい気分転換ができることはもちろんですが、心身ゆとりを失いがちな今だからこそ「気軽にできる“社会貢献”」は自分にとっても励みになりました。各方面からの反響も多く品薄が続いているということですが、気になった方は是非チェックされてみてくださいね!
佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。