緊急事態宣言が出されてから約2週間。我が家では、小2の娘は新学期も休校が続き、私も夫もほとんど在宅ワークという状況で何が大変かって、家族3人のご飯を毎日3食作ること! 「朝ごはんの片付けが終わって仕事を始めたら、もうお昼かよ!」みたいな…。そんな時に、SNSで「料理リレー」なる企画が盛り上がりを見せているとの情報をキャッチし、さっそくチェックしてみました。
料理家さんたちがリレー形式で簡単レシピをアップ
料理リレーは、料理に携わる仕事をしている方が、おうちにある身近な食材を使って、簡単に作れるレシピをリレー形式でアップしていくという企画。レシピをアップした方が、次に続く2名を指名してバトンを繋いでいきます。
料理研究家の脇雅世さんから始まった企画で、そこからどんどん広がりを見せ、有名料理家の方からレストランのシェフ、料理写真を専門的に撮影するフォトグラファーの方まで、料理を生業とするあらゆる職業の方が参加されています。発案者の脇さんのSNSによると「外出自粛でおうちで過ごす時間が増えた今、こんな時に料理で繋がることができたらと思い、料理リレーを試みたいと思います。(中略)……料理を生業とする私達から、ご覧いただいた皆さんがハッピーになることを願って」というのが、この企画のコンセプト。
料理リレーのレシピを見ていると、「へー、こんな簡単なのに美味しそう!」「こんな作り方があったのか!」など、すぐに作ってみたくなるレシピが目白押し。そこで、この企画に込めた思いをお聞きしようと、脇さんに電話で話を聞きました。
当初の想像を超えて広がり、超ベテラン料理家も参加
まず、この企画を思いついたきっかけは何だったのでしょうか?
「スペインに滞在していた次女が、たまたま3月初旬に一時帰国し、その間にスペインで都市封鎖が始まり、戻れなくなってしまったんです。そんな時に彼女が、何か日本でできることはないかと考え、SNS上でリレー形式で情報発信をしていく企画がいろいろなところで行われているのを見て、それをヒントに『SNSで料理リレーやったら?』と提案してくれたのがきっかけ。だから発案者は私じゃなくて次女なんです(笑)」(脇さん)
スタートから数週間でどんどん広がりを見せ、今では「こんなベテランの方まで!と私が恐縮してしまうような方も参加してくださっています」と脇さん。
「私自身も最初はここまで広がるとは思っていませんでした。特に、ウェブでの情報発信に強い若い料理家の方の力が大きいのかなと思います。指名を受けてから2日間ほどでレシピをアップしてほしいというレギュレーションにしていたんですが、中には1~2時間後くらいにはアップしてくださっている方もいて、ありがたい限りです」(同)
疲れたらインスタントラーメンでもOK! 肩の力を抜いて過ごそう
私にとって、おうちでのおこもり生活では、ごはんが唯一の楽しみと言っても過言ではありません。でも、ここから先、この生活がいつまで続くのか…と思うと、ちょっと嫌になることも。そんな中で、日々の食事作りを続けていくコツやモチベーションの保ち方についても聞きました。
「義務感を持たないことではないでしょうか。そもそも、きっちり毎日3食食べなくてもいいわけで(笑)。お腹が空いたら食べるくらいの気持ちでいいと思います。時には、インスタントラーメンを数種類買ってきて、家族みんなで食べ比べたり、冷凍ピザを食べ比べたりする日があってもいい。こんなときだからこそ、遊びの要素があって楽しいのではないでしょうか」(同)
「食べることについて、改めて考え直してみるチャンスでもあるのかな」と脇さん。そもそも、日本のお母さんたちは、他国の主婦に比べて毎日の食事作りのレベルが高いと言います。
「私がかつて滞在したフランスなんて、家庭での食事はかなり手抜きですよ。朝はカフェオレとパンとジャムだけとか。夕食も焼いただけの肉とサラダとチーズとか。先が見えない今なので、肩の力を抜いて過ごすのが大事かな、と思うんですよね」(同)
私も作ってみた! 料理リレーのレシピはどれも簡単&美味しい
私も料理リレーの恩恵にあずかり、4つのレシピを作ってみたので、感想とともにご紹介します。
まずは、脇さんがアップしたイーストを使わないピザ。脇さんいわく「イーストを使わないので、こねるのも適当で大丈夫。子どもでもできます。親子でピザ作りを楽しんでみてください」とのこと。
実はピザ生地を作ったのは初めての私。でも、とっても簡単にできました! そしてもちろん美味しい! 子どもと一緒にコネコネするのも楽しいですよ。
お次は栗原心平さんの豚ロース肉を使った丼。冷蔵庫の中に中途半端に余っている焼肉のたれを消費できるのがいい! 漬け込んでグリルで焼くだけなので、失敗しようがないほど簡単です。
食べ盛りの子どもや男性も満足のがっつりメニューです。野菜が少ないな…と思い、冷凍でストックしておいたかぼちゃのポタージュを一緒に。
もう1品、丼モノですが、コウケンテツさんのツナ缶を使ったビビンバ。こちらも、すべて家にある食材でできました。3人分作るのに、ツナ缶が2缶しかなったので、ちょっとだけ残っていた冷凍のひき肉も一緒に、そして、青梗菜もなかったので小松菜に変えました。
作りやすいレシピなので、材料が足りない時には、家にあるもので適当にアレンジしても失敗することはありません(たぶん)。
最後は、SHIORIさんの鯖味噌煮缶を使ったパスタ。これ、SHIORIさんのダンナさんが考案したレシピだそうです。コクのある鯖味噌の味に、ネギ、生姜、ニンニクのコラボレーションがクセになる味! そして、これまた超簡単!
トッピングに大葉やミョウガ、のりなどを添えるといいそうです。私は、大葉とのりをトッピング。鯖味噌の缶詰って、そのまま食べるしか食べ方がないなと私は思っていたのですが、こんなアレンジのしかたがあったのか!と目から鱗が落ちまくり。
やっぱり、美味しいごはんを食べると、こんな状況下でも心が和みます。食べることってほんとに大切&楽しいということを実感しました。どのレシピも、普段料理をしない男性でも簡単にできるものばかりなので、夫に伝えて作ってもらってもいいと思います(その分ママたちは休みましょう)。
脇さんいわく「料理リレーに参加してくれている方々は、材料費もそれぞれ自己負担、忙しい中時間を作り、みんなボランティアでやってくださっていて、本当にありがたいです」とのこと。
こんなに美味しくて作りやすい素敵なレシピを、ほんとに無料で公開しちゃっていいの?というくらい、どの方のレシピもプロならではの技が凝縮されています。
料理リレーのレシピを見たい場合、インスタグラムやFacebook、Twitterで、「#料理リレー」「#cookingrelay」で検索してみてください。この際、料理リレーを参考に、ステイホームしている間に料理のレパートリーを広げてみてはいかがでしょうか。
●今回お話しを聞いたのは…脇雅世さん
料理研究家。1977年に渡仏し、ル・コルドン・ブルーやマキシム・ド・パリなどで学ぶ。1981年より10年間、24時間耐久レース「ル・マン」にマツダ・レーシングチームの料理長として参加。1984年に帰国、服部栄養専門学校国際部ディレクターに。1991年より「脇雅世料理教室」を主宰。現在は雑誌、書籍、テレビなどで幅広く活躍。近著に『新装版 梅干し 漬け物 保存食』(主婦の友社)など。
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相馬由子 Yuko Soma
ライター
1976年、埼玉県生まれ。夫と7歳の娘との3人暮らし。編集プロダクション、広告系出版社を経て独立。ウェブ、雑誌、書籍などで編集、執筆を手がける。最近では、子育て、アウトドア、旅、食などのテーマを担当することが多い。合同会社ディライトフル代表。