現在小4の壁にぶち当たっている3人のママを緊急招集し、座談会を実施。2人の男子の小4の壁体験も持つ幼児教育者からのアドバイスとは!?
アドバイスをいただいたのはこの方
日本キッズコーチング協会理事長
竹内エリカさん
お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了。約20年、子どもの心理、教育、育成を研究。著書に、『マンガでやさしくわかる 子育てコーチング』(日本能率協会マネジメントセンター)など。2児の母。https://ameblo.jp/heath-lab/
座談会に参加していただいたのはこの方々
はるKさん(長男9歳、次男5歳)
在宅フリーランス。小4の長男は、言うことを聞かない&友達との遊び優先などギャングエイジ化。どう対処すればいいか悩み中。
tokoaさん(長男11歳、次男8歳)
LEE100人隊TB。パート勤務。長男のときには感じなかった小4の壁だけど、次男はすでに兆候あり。
てるてるままさん(長女11歳)
会社員。学童がなくなって留守番が増えたのを機に、長女が不安定になり、不登校ぎみに。小5になった今は落ち着いている。
問題行動を起こしたときは、わが子を知る絶好のチャンス
LEE てるてるままさんの娘さんは、小4のとき、不登校ぎみになったとか。
てるてるままさん
てるてるままさん(以下てるてるまま) 学童が3年生までで、春休み中だった4月1日から、ひとりで留守番することが多くなったんですが、それで気持ちが少し不安定になってしまって。
竹内さん(以下竹内) 娘さんは、繊細?
てるてるまま だと思います。ひとりで過ごす時間が長くなり、いろいろ考えてしまったのかもしれません。自我が強くなって、親や学校への不満が大きくなったというか……。
LEE 対策は何かとりましたか?
てるてるまま 学校から心療内科的なところを紹介されて何度か通いましたが、正直あまり効果がなかったですね。
竹内 そういうケース、よく聞くんですよ。第三者では解決しづらいこともありますね。基本的に一番子どものことを気にかけているのは、親ですから。今は、学校に行くようになったんですか?
てるてるまま 5年生になってクラスも担任も替わったことで気持ちがリセットされたのか、通うようになりました。ただ、今も月に1、2日は休んでいます。
竹内 娘さんは、学校を休んでいるとき、家でどう過ごしています?
てるてるまま 好きなことをして、楽しそうです。勉強に遅れが出ているわけではないし、1日休めば、また登校するようになるので、今は、自由にさせておこうかなと。
竹内 きっと休むことで、リフレッシュしているのでしょう。てるてるままさんの対応は正解だと思いますよ。
LEE 休ませてもいいんですか?
竹内 実際に休ませるかどうかは別にして、子どもの気持ちを受け止めることは大切。「行かなきゃダメ」などと、頭から否定すると、繊細な子は、「お母さんのために行かなくちゃ」と無理をしてしまい、精神的に追い詰められかねません。「そうだよね、休みたいよね」と肯定してから、「今日一日頑張ってごらん」と励ますとか、「いいな、お母さんも休みたい」と、共感するとか。もし、お子さんが行きたくない理由を話したなら、「そうなんだ」と、すべて受け入れて。親が自分を全肯定してくれるだけで、子どもの気持ちは落ち着くはずです。その後、親子で具体的にどうするかを話し合ってください。ただし、子どもの言葉を100%真に受けて、学校にクレームを言うのは違いますが。
LEE はるKさんとtokoaさんは、小4の壁感じていますか?
はるKさん
はるKさん(以下はるK) 長男は4年になってから、親の言うことを全然聞かなくなりました。学童に行っていない子たち5、6人でつるんで、学校から帰ると、毎日遊び回ってばかりで。
竹内 小4にもなれば、学童に行きたくなくなるのは自然なこと。その年齢の子にとっては物足りないし、管理されたくないという気持ちも芽生えますから。私は、安全さえ確保できるなら、子どもは信じて見守るのが一番だと思っています。そのほうが、確実に成長します。そもそも、10歳は、発達心理学ではギャングエイジと呼ばれる時期。親や先生より同性の友達が大切になり、親の言うことより仲間うちのルールを優先するようになるんです。これをしたら親や先生はどう反応するのか、自分は友達と比べてどうなのかなど、社会の中での自分の立ち位置を、実験しながら探ろうとする時期とも言えますね。その意味でも、息子さんは、まっとうに成長していると思いますよ。
はるK どんな子たちと、何をして遊んでいるのかわからないのも心配で。とはいえ、どこまで親が介入していいのか……。
竹内 仕事が休みの日などに、友達を自宅に招き、どんな遊びをし、友達同士どう接しているのか、観察しては? もちろん、悪いことをしたら、よその子であっても、きちんと叱ってください。
はるK 片づけとか宿題など、やりなさいと言ったことも、全然やらないんです。そのときは、「OK!」と答えるのに。
tokoaさん
tokoaさん(以下tokoa) うちは、次男がそれです! 「わかった」と言いながら、10日も放置したままとか。
竹内 2人ともマイペースなんですね。その場合、ルールを細かく決めたほうがいいですよ。例えば漢字なら、「他人が読めるような字で」とか。それを紙に書いて机の前に貼るなど、口頭ではなく、視覚情報で指示するのもおすすめです。マイペースな男子は、“今”を生きているので、以前言われたことを記憶するのが不得意な子が多い。ただし、ルールは親子で話し合って決めるようにしてください。
tokoa 長男は、自分でちゃんとやるので、よく褒めるんですが、次男は褒めようがなくて。結局、「元気で、いつも楽しそうだから、いいか」って(苦笑)。
竹内 そうそう。「あなたを見ていると、なんだか幸せな気持ちになるわ」とかね。そんなふうに親が自分のファンでいてくれることが、子どもの自尊心を育むのです。反対に、兄弟に限らず、友達とでも、比較は絶対しないほうがいい。「勉強ができる」とか「運動が得意」のように、上下をつけるような褒め方も避けてください。
小4の壁って、渦中にいるときは大変ですが、実は、わが子のことを知るチャンスでもあるんです。問題行動を起こしたときは、子どもが何をするのか、ひとまず観察に撤してください。安全と健康、道徳を確保されない場合は親が介入したほうがいいけれど、それ以外は放っておくのです。うちの長男はイベント前必ず体調が悪くなるんですが、それを知っていれば、「おなか痛くなるけど、一日すれば治る」などと、親も心の準備ができ、慌てずに済みますしね。そんなふうに、対処法が見つかりやすくなりますよ。
次回は、具体的な対処法や先輩ママたちの「壁乗り越え」エピソードをご紹介いたします!
撮影/齊藤晴香 取材・原文/村上早苗
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