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運命の「シンボルアート」との出会い方

「アートのある暮らし 」平澤まりこさんのインテリアを拝見

2020.02.10

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「何を買えばいいの?」「飾るところがない」……実はもっと気軽で自由です
運命の「シンボルアート」との出会い方

この壁に素敵な絵が一枚あれば。インテリア好きなら一度は思ったことがあるはず。

でも、審美眼に自信がない、値段が高そう、買ってもどうやって飾ったらいいかわからないと思ってしまうのも、またあるある。

実は全部、杞憂に過ぎません。

この特集を読み終わるときには、あなたもアートと暮らしたくなっています。

家で一緒に過ごすことではじめてわかる
アートが暮らしにもたらしてくれるもの

イラストレーター・版画家 平澤まりこさん
雑誌や広告を中心にイラストレーターとして活動しながら、版画作品やエッセイなども手がける。はまじ夫妻と共作の絵本『ねぶしろ』(mille books)の第2弾が3月に刊行予定。2月13日から、アルフレックス東京にて個展を開催。

「アートは正直、生きていくうえではなくても大丈夫なもの。それでも欲しいと思うのは、作家の熱意を感じたいからだと思います。熱意が込められた作品はパワーがあって、その作家の一部を持ち帰るような気がするほど。それが家にあると、日々の暮らしの中で安心感を覚えたりワクワクしたり、自分が一歩前に出られないときの後押しにもなったりする。それがアートを所有する魅力かなと感じています」

昨年、本格的に版画家として作品を生み出す立場になってから特に、"アートは自由に楽しめばいい"と確信するようになったそう。

「個展でお客さまに作品の意味を聞かれるので、逆にどう感じたか尋ねてみたら、思いもよらない答えが返ってきたり、まさに私が意図していたことを話してくださったり。皆さん特別な知識がなくても、作品から何かを感じとってくれているんでしょうね。なので、そう感じたならそれが作品の意味ですよ、とお伝えしています。そんな体験をするうちに、アートに正解はない、どう感じようが自由だと自信を持って言えるようになりました」

アートの感じ方と同じように、飾り方も自由です。例えば、寝室やリビングだけでなく、キッチンや洗面所にも飾ったり。壁だけでなく無造作に床置きしたり。単体で飾るだけでなく、枝ものや器と合わせて色みや影をプラス。そこから生まれるいろいろな表情を楽しんでいます。

平澤さんにとってのシンボルアートを強いて挙げるなら、前川秀樹さんの彫像。そこに込められた思いの純度の高さに惹かれたそう。しかし、はじめからこれをシンボルアートに、と手に入れたわけではありません。

「シンボルアートって何でしょうね。心のよりどころなのか、一番好きなアートなのか。定義は人によって変わるのかもしれません。どんどん惹かれていき、目に入ると思わず挨拶するようになる作品もあります。そうやって一緒に暮らして距離が縮まるうちに自然と、シンボルアートになっていくのかなあと思います。アートはインテリアショップや雑貨屋さんでも買えます。運命の作品に出会うんだと肩に力を入れずに、まずはお気に入りのショップで、気になるアートがないか見てみるのがいいかもしれません」

自分が正しいと思えば正解
植物や器と一緒に飾り、気軽に楽しんで

寝室に飾っているのは自身のモノタイプ版画。出展する前に、暮らしの中でどう見えるか自宅に飾ってみることも。

前川秀樹さんの彫像はDEE’S HALLで購入。「リビングのチェストに置いています。お面の位置や一緒に飾る植物や布を替えるだけで、印象が変わるのもおもしろいです」

キッチンにはタイル大の岩田圭介さんと美智子さん夫妻の作品を。「購入はかなり前ですが、奇しくも愛犬に似ていて気持ちがやわらぎます。これくらいのサイズなら飾りやすいですよ」



平澤さんに聞きました

● シンボルアートと出会うために意識しておきたいことは?
はじめからではなく、一緒に暮らすうちにシンボルアートになるもの。とにかく好きなものを見つけるのが近道かも。

● アートをあえて自分で買う意義は?
作家の熱意を持ち帰り、そこからパワーをもらうこと。また、若い作家の方の応援にもなればと思っています。

● アートを買うときに決め手となるのは?
直感です。頭で考えるほど買わない理由ばかりが出てきちゃう。自分の直感が一番正しい。それを信じてください。

● アートを部屋に飾るときのポイントは?
特別感を出すのではなく、暮らしの一部になるように飾っています。植物や器と組み合わせるとよくなじみますよ。

●「アートは好きだけど買うのは難しいかも」という人にアドバイスをお願いします
アートは数千円のものからあります。インテリアショップでも扱っているので、一度気軽に買ってみてください!


次回は、「インテリアアートのある暮らしを拝見」を詳しくご紹介いたします!
撮影/細谷悠美 作品写真/平澤さん提供 取材・原文/小松﨑裕夏
※詳しくはLEE3月号をご覧下さい。

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