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福田雄一さんインタビュー! ミュージカル『ペテン師と詐欺師』は「おもしろくならないはずがない!」

2019.08.10

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独自の作風で次々とヒット作を生み出す福田雄一さん。斬新な笑いと感動の涙を多くの人に届けたドラマ『今日から俺は!!』でファンになった方も多いのでは?

テレビや映画の作り手として引っ張りだこの福田さんですが、実は大学時代に作った劇団「ブラボーカンパニー」の座長としてキャリアをスタートし、今もベースは舞台に。そんな福田さんの新たなチャレンジとなるのがミュージカル『ペテン師と詐欺師』です。

おもしろくならないはずがない! 誰もが楽しめるミュージカルです

「歌舞伎などが主に上演される新橋演舞場は、これまで僕がやってきた劇場とはだいぶ雰囲気が違います。ここでミュージカルを、というお話をいただいたときは『えっ僕が?』と驚きました。でも相談しているうちに、『ペテン師と詐欺師』が候補に挙がり、これだ!と。というのも、映画版でフレディを演じたスティーヴ・マーティンが世界で一番好きな役者といってもいいほど大好きで、映画もほんっとによかったから」

大金持ちの女性たちを、ケチな詐欺師2人があの手この手でだましてお金を搾り取ろうとするストーリー。ブロードウェイでも人気のミュージカル作品になりました。これなら絶対楽しい作品になる、という確信が持てたそう。

「若い詐欺師を山田孝之くんに演じてもらうのもすぐに決めました。彼とは映像作品でもよくご一緒していますが、調子のいい若い詐欺師を彼が演じたらおもしろいに決まっているでしょ? 問題はダンディなローレンス。詐欺師だけど素晴らしくジェントルマンな男を完璧に演じられる役者さんって、そうはいない。それができるのは石丸幹二さんしかいないと思いました。劇団四季出身で歌は完璧ですから。山田くんと石丸さんの、2人の詐欺師の掛け合いが今から楽しみですね。今回は、原作がわかりやすくておもしろい。そして役者の皆さんがさらにおもしろくしてくれるに違いないので、舞台になじみがない方にぜひ来てもらいたいです」

ところで、「福田組」常連といえば、山田さん以外にも、ムロツヨシさんや佐藤二朗さん、賀来賢人さんなど、クセが強めの(?)役者さんが揃っています。特にムロさんは福田作品への出演がきっかけでスターの仲間入りを果たしたと言ってもいいほど。福田さんの“人を見る目”には定評があります。

「実はその眼力は妻のものなんです。うちの子どもが子役をやってまして、その現場に妻が付き添いで行ったときにたまたまムロくんの演技を見て、『明日にでもムロさんに挨拶に行ってきなさい。これからずっと仕事をすることになる人だから』と。それで半信半疑で会いに行ったのが始まりです。あの山﨑賢人くんを随分前にすすめてきたのも妻。そのときは僕ですら『誰やねん』という状態でしたから。どこから見つけてきて、どういう視点で判断しているのか皆目わからないんですけれど、これまで妻の目に狂いはなく、もはや全幅の信頼を置いてます(笑)」

さらに福田さんが重視しているのが、役者の“素”の部分。

「じっくり話して、すごくおもしろかったり、すごくいいやつだったりする人と仕事をしたい。そういう人こそ、役者としておもしろいことができると思うから」

これからも全幅の信頼を置く妻と二人三脚で(!)新しい才能をフックアップしながら、誰とも似ていない福田カラーの作品を届けてくれそうです。

Profile
ふくだ・ゆういち●1968年栃木県生まれ。劇作家・脚本家・演出家・映画監督。成城大学在学中に結成した劇団「ブラボーカンパニー」座長。主な作品にドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズ、『アオイホノオ』『今日から俺は!!』、映画『俺はまだ本気出してないだけ』『銀魂』など多数。舞台、テレビドラマ、映画、CMまで独自のカラーで旋風を巻き起こし、役者の新たな魅力をフックアップする眼力の持ち主でもあり、各界からオファー殺到の異才。

ミュージカル『ペテン師と詐欺師』

1988年公開のハリウッド映画をベースに2005年にブロードウェイでミュージカルとなった作品。福田雄一が上演台本と演出を手がけ、若くてケチなアメリカ人詐欺師・フレディを山田孝之、ジェントルマンな先輩詐欺師を石丸幹二が演じる。新旧の詐欺師が高級リゾート地、南仏リヴィエラで富豪の女性たちから先に5万ドルを巻き上げる勝負をするが……。9月1~26日 新橋演舞場

問い合わせ=☎︎0570・000・489(チケットホン松竹)


撮影/名和真紀子 取材・文/中沢明子

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